東カリブ海クルーズ編

2008年9月12日(金)〜9月22日(日)

始まりは旅行博(出発前日まで)

2007年9月16日

東京ビックサイトで開催された旅行博でのこと。ミキ・ツーリストのブースの前を横切ったとき、「クルーズのご案内です。よかったらご覧下さい。」とパンフレットを手渡される。「クルーズなんて、高いんじゃないの?」と思いつつ、興味本位でパンフレットを開く。それは、「ロイヤルカリビアンインターナショナル(Royal Caribbean International)」というアメリカの船会社が主催するクルーズのパンフレット。

ロイヤルカリビアンインターナショナル本社 リバティ・オブ・ザ・シーズ号(なんと16万トン!)

中でも目を引いたのは、カリブ海方面のクルーズ。カリブ海は、北米と南米大陸の間、メキシコ湾の南の大西洋に隣接する海域。熱帯性海洋気候であるこの地域は、1年を通じて気候の変化が少なく、リゾート地として有名だ。そして、世界のクルーズの半数がこのエリアに集中する。

その価格は、ウルトラボイジャークラスという16万トンの豪華客船に乗船し、(時期にもよるが)7泊8日で1人600ドルから。クルーズと言えば、クイーンエリザベス二世号とか、飛鳥やにっぽん丸のようなラグジュアリー船のイメージしかなかったので、この安さには驚いた。しかも、てっきり別料金だと思い込んでいた船の中での食事や、フィットネスクラブやプール、スケート場などの施設使用料は、すべてクルーズ代に含まれるのだ。

マイアミ港から見えるダウンタウン方面 リバティ・オブ・ザ・シーズ

そんなわけでみのむちくんは、クルーズの魅力にとりつかれてしまった。「西カリブ海クルーズ」のDVDまで借りて、すっかりミキ・ツーリストの策略にはまり、毎日「クル〜ズ!クル〜〜ズ〜〜。」とうるさい。(笑)これからマルタ・ドバイに行くと言うのに!

この日は今回の渡航先を決めた運命の日。
…というと大げさだが、もし旅行博に行かなければ、私とみのむちくんの旅行に「クルーズ」という発想すらなかった。しかし、今はまだ来年の旅行を決める時期ではなく、「予定は未定」でしばらく保留となる。

船の中(ロイヤルプロムナード) 船の中(メインダイニング)

2008年3月中旬

「1ドル=95円」100円を切る10年ぶりの強烈な円高ドル安。
「これはもうユーロ圏ではなくて、ドル圏へ行くしかない!」とばかりに、今年の旅行を決める決定な出来事となる。

さっそくみのむちくんは、クルーズの空席状況をチェックした。ロイヤルカリビアンインターナショナルの日本総代理店であるミキ・ツーリストのサイトが直結し、オンラインで調べることができるのだ。

8日間滞在したキャビン ベットメイキングで置かれるタオルアート

ちなみに、7泊8日のクルーズに参加するためには、出発地であるマイアミに前後泊する方が望ましいと言われ、11日間の休暇が必要となる。出発希望日は私の仕事のスケジュールを考えると、9月の連休あたりが行きやすい。

「半年先の予約を今からやるの?!」と思われそうだが、海外旅行に関して言うと、旅行者はみんな賢い。「安かろう悪かろう」とかはダメで、とにかく「お買い得なもの」からどんどん予約が入る。

毎回書いているが、自分の希望やこだわりがあり、できるだけ安く上げたいと思うのなら、「思いたったが吉日」である。実はこういうことで、希望の便が予約できなかったり…と、痛い目にあった経験がある。

実際、このクルーズは結構人気で、出発の3ヶ月ぐらい前には、ほとんど埋まってしまうのだそうだ。3600人も乗客が乗れて、毎週土日出航だというのに。しかも、お手ごろ価格のせいか、高いキャビン(客室)から埋まるらしい。

昔のように「一等船室」とか「二等船室」というのではなく、上はスイートから、細かいランクわけがある。私とみのむちくんの希望は、中間ぐらいに位置する「バルコニー付きのキャビン」。もう結構予約が入ってるようで、希望する「デラックスバルコニー」は残り少なかった。

アメリカ行きの便は、たくさんあるので、航空券についてはまだそんなに焦らなくてもいいだろう。しかし驚いたのは、燃油サーチャージがなんと!4万円台!マイアミは、日本のほぼ裏側に位置し、妹のいる南米の次ぐらいに遠い。だから、燃料代がかかるのはしょうがないが、ヨーロッパ方面に比べ、アメリカ方面の航空運賃はとても安いので、余計に目立つのである。

子供専用のプール「H2Oゾーン」 船の中でサーフォンも!

4月10日

9月12日出発「東カリブ海クルーズ7泊8日」に予約した。乗船する船は2007年5月より就航したウルトラボイジャークラスの「リバティ・オブ・ザ・シーズ(Liberty of the Seas)」。

会社はアメリカだが、バハマ船籍である。「洋上最大のウォーターパーク」と言われるこの船は、乗客・乗員合わせて約5000人が乗船でき、新幹線13両分の長さがあるようだ。しかし、なぜかそれをみのむちくんは戦艦ヤマトと比較する。

「総トン数はヤマトより大きいけど…、でも、魚雷2,3発食らったら沈むなぁ。。」

戦場でも航海しない限り、客船に向かって魚雷は飛んでこない。(苦笑)
ちなみにロイヤルカリビアンインターナショナルは、このウルトラボイジャークラスの船を全部で3隻所有している。「リバティ・オブ・ザ・シーズ」「フリーダム・オブ・ザ・シーズ」「インディペンデンス・オブ・ザ・シーズ」といかにもアメリカらしい船名。liberty(自由、解放)、freedom(自由)、independence(自主、独立、独立心)って、例えるならば「ホリディ号」と「休暇号」と「休日号」と名づけるようなもので、あまりセンスはよくないと思うが…。

ロイヤルプロムナードのパレード 船の中のショー

5月4日

何気にクルーズ料金をチェックしていたら、なんと200ドルも値上がりしている!
確かに「料金は変動制」と聞いていたが、これほどまでとは…。まるで株価のようである。きっとすでに予約した人はキャンセルできないようにして、迷ってる人には「これ以上、料金が上がるとやばい!」と思わせる魂胆なのだろう。

きっと、キャンセル料が発生する出航から2ヶ月を切った時点(私で言うと7月半ば)から、値下がりしていくのではないか?と勝手に推測する。「一度予約した客は、絶対のがさへんで〜〜〜!」(←なぜか関西弁。笑)という魂胆が見え隠れしているが、乗客3600人乗れる船で、1000人ぐらいしか乗らなかったら、えらく損失になるからだろう。

そう考えると、今の時期に予約するともっとも高そうで、それ以上前から予約するか?あるいは、ギリギリに予約するのが賢いかもしれない。(…と思ったら、今回の場合は出発2ヵ月半〜3ヶ月前が一番安かった。そして、クルーズ会社によっては、早期割引が適用されるらしい。)






高騰する燃油サーチャージ!!(出発前日まで・その2)

6月11日

夜明けのマイアミ港 会議中にみのむちくんから「行き・成田午後便、マイアミ深夜着。帰り・マイアミ早朝発の便を押さえました。」というメールが入る。

つい先週のこと。みのむちくんが「やっと大きな案件が終了したから、ちょっとヒマになった。」と言うので、「今のうちにアメリカ行きの航空券を押さえたら?」と言った。

なぜなら、我が家の旅行の手配は、「みのむちトラベル」と称して、全部みのむちくんがやっている。みのむちくんは8月に初旬から、約3週間の北京出張を控えており、7月はその準備で忙しく、北京からの帰国後(8月下旬)からの手配だと遅いからだ。


しかし、現地・深夜着で早朝発なんて、一番損なパターンのスケジュール。観光主体の旅行なら、絶対避けたいところだが、今回の渡航は「マイアミ観光」ではなくて、あくまでクルーズが目的なのでいいだろう。

今回の利用航空会社は、初のコンチネンタル航空。アメリカ・ヒューストン国際空港(George Bush Intercontinental Airport)とニューヨークのニューアーク国際空港(Newark Liberty International Airport)を拠点とし、得意方面はカリブ海と南米地域。1年前からエクアドルに滞在している妹も、コンチネンタル航空で渡航した。最近になってよく名前を聞くので、NYテロ以降のしあがってきたと思われる。アメリカではわりと評判がいいらしいが、まあ〜〜所詮はアメリカの航空会社。期待しない方がいいだろう。

しかし、56,000円の航空運賃に、燃油サーチャージと空港使用税がついて請求額は2倍に近い。しかも、マイアミまでは直行便がないので、ニューヨーク経由となるが、ニューアーク国際空港は世界でも空港使用税がかなり高い部類に入る。(料金の詳細は以下の通り。)

1.航空運賃 56,000円
2.成田空港施設使用料 2,040円(成田より関空の方が使用料が高い。)
3.外国諸税及び燃油サーチャージ 48,900円

船のデッキ プールサイド

ちなみに我が家は、毎年違う旅行会社から、航空券を購入しているが、今回はヴィクトリーツアーという会社で予約したようだ。「K様(みのむちくんの本名)・請求書、及びご予約日程確認書と航空券規程書です」とメールが来たらしいが、なんと名前が間違っている!

経験上言うと、旅行会社というのは、大体どの会社もアバウト。オスロ(ノルウェー)行きのチケットを予約したのに、平気で「ヘルシンキ(フィンランド)行きをご予約の○○さまですね。」なんて言うが、名前を間違えてはまずいだろう。

しかし…、メールの本文を見るに、不思議なことにローマ字表記の名前はあっている。つまり、「サトウ様」と書いているのに「MR・SAITO」となってるようなもの。思わず「担当者は外国人だろうか…?」と思ってしまった。

寄港地ラバディに停泊するリバティ・オブ・ザ・シーズ ロイヤルプロムナード

6月12日

航空券を予約した翌日、ヴィクトリーツアーからこんなメールが来た。

「7月1日発券分から燃油サーチャージが値上がりし、今の料金に16,000円がさらに加算されます。6月中の発券ですと、今ご提示の料金となりますが、発券後の変更には手数料が50,000円かかります。」

つまり、6月中に発券してしまえば、16,000円の値上がりは回避できる。しかし、正式発券となるので、変更に手数料が発生する。だが、よく考えると、航空券の変更しないといけないということは、クルーズに参加できないということだ。しかし過去の渡航歴を考えると、予約した後に日程を変更したことは一度もない。突発事故でもないかぎり、そんな事態は起こらないだろう。船の上から見るマイアミ

…というわけで、無事に出発できることを祈って、6月中に発券することにした。「ひとり当たり16,000円アップ」はやはり高すぎるのである。大体、56,000円の航空券で50,000円の変更料なんて、「変更できません。」と言ってるようなものではないか?!

それにしても、燃油サーチャージはあまりに高すぎる!ちなみに、クルーズにも燃油サーチャージがあるが、1人1日5ドル×8日間で40ドル(約4,300円)。航空機に比べてずいぶん安い。

その理由は(あくまで想像だが)「乗客(3,600人)が多いから、1人1人の負担が軽い。」「走行距離が短い」「そもそも船は浮力で浮くから、引力に逆らって飛ぶ飛行機より燃料がいらない。」…ということか?

しかし実は「乗客2,000人程度の想定で、頭割りするとホントは1人1日4.3ドルでOKなんだけど、余裕を持って5ドルにしよう。」なんて考えに違いない。

それはさておき、マイアミでの前泊と下船後の宿泊(2泊分)のホテルも予約したようだ。

マイアミには、フロリダ州南端に位置するアメリカの都市。リゾート地としてはマイアミビーチが有名で、「マイアミの海岸方面」かと思ったら、マイアミ市とマイアミビーチ市という全く別の都市らしい。マイアミビーチは、いわばヴェネチアのような島で、夜中もにぎやかで治安がよいリゾート地。

果てしなく続くマイアミビーチ 対してマイアミは、高層ビルが建ち並ぶが、全米でも最も犯罪発生率が高い地域のひとつ。特にダウンタウンは夜になると強盗が出没し、一時期「全米一の治安の悪さ」と言われるほどだったらしい。…と1,2日かけて、マイアミを研究していたみのむちくんが言った。

(今回の「みのむちトラベル」はそんなに仕事がなく、マイアミのホテルぐらいしかこだわるところがないのだ。)これはもう迷うまでもなく、宿泊はマイアミビーチで決まりだろう。初日の到着は夜中を過ぎるし、最終日は早朝にチェックアウトしなくてはいけないからだ。

そして、まもなく日程の変更ができなくなる。…というか、航空券はすでに発券してしまったし、クルーズのキャンセルチャージは、普通の旅行より早く70日前からなのである。


6月下旬

みのむちくんが「ねえねえ、みのむちくんたちが申し込んだ部屋(デラックスバルコニー)より、1ランクいい部屋(スーペリアバルコニー)が安くなってるよ。」と言った。ちょっと前まで、200ドル高かったのに?!株価かっ?!(苦笑)

そんなわけで、一度申し込んだ予約をキャンセルして、スーぺリアバルコニーに変更した。広さはそんなに変わりはないが(1u広くなるけど)、客室が10階までの船で9階であることと(最初の部屋は7階)、9階はジュニアスイートのある階なので、部屋数は少なく、かなり静かであろうと思われるからだ。

ただし、燃油サーチャージが、以前申し込んだ時より上がるのと、クルーズ代はドル払いなので、為替レートによっても料金が変動する。…ということを考えると、1人3、4000円ぐらいの料金アップとなりそうだ。

しかし、最初に申し込んだ時は、マイレージプラス(ユナイテッドのマイレージプログラム)のHPを経由しなかったので、マイレージがつかなかったが、今回はちゃんと経由したので加算される。クルーズ代1ドルにつき1マイル、さらにボーナスマイルとして、1部屋につき3000マイルつくらしい。…というわけで、1人2,331マイルの加算となり、これはバカに出来ない。

そんなわけで、1人分・入港税、燃油サーチャージ込で1,078ドルが、1,091ドルになったけど、「まあいいか〜〜。」と思うのだった。

ラバディで下船する乗客 ラバディの海岸

7月上旬

先月、航空券を発券したおかげで、フライトスケジュールが送られてきた。コンチネンタル航空はEチケットを起用しており、「これを持って空港に行け。」ということらしい。(予約番号を控えておくだけでもOKである。)しかし、もうすでに今から、搭乗する航空機の種類から、座席まで決まってるからビックリである。

しかもコンチネンタル航空は、フライト時間により機内サービスの内容が定められている。(例えば2時間だと、飲み物とスナックだけとか。)ニューアークからマイアミ空港へのフライトを見ると、サービス内容「スナックと禁煙」。禁煙…?禁煙ってサービスだったのか?!

しかし、こんなに事細かに決められている航空会社は初めてだ。さすが、倒産寸前から奇跡の復活を遂げただけのことはある。…だが、所詮はアメリカの航空会社。絶対に期待してはいけない。(しつこい?笑)