早朝の空港で(最終日・マイアミ〜ニューアーク)
今日はとうとう帰国の日。 起床は早朝4時。だがなんと恐ろしいことに、昨日セットしたはずのアラームが鳴らなかった! 自分で「4時に起きよう。」と言い聞かせて寝たのと、30分前からすでに、みのむちくんが起きていたからよかったものの、寝坊したら大変なことである。おまけに、こんなに早起きでも、出発まで30分しかない。顔を洗って着替えて、全ての荷物を詰めて、スーツケースを閉じる。いつものごとく「行きは2個、かえりは3個」の大荷物である。
廊下に出ると、さすがにこの時間に起きている人はおらず、ものすごく静かだ。フロントに行くと、全部言わずとも、タクシーを呼び、チェックアウトの手続きがされる。スーパーもそうだが、ほんとマイアミビーチは「24時間営業」って感じか?しかも、チェックアウトの手続きをする前に、タクシーを呼ぶという段取りのよさ。こんなてきぱきとした仕事ぶりを海外で見るのは初めてである。(笑) 「すぐ来ますから、そこに座って待っていてください。」と言われ、ほどなくタクシーがやってくる。なんとドライバーは女性。前述したとおり、マイアミのダウンタウンはとても治安が悪い。この時間に女性のタクシードライバーなんて危なくないのだろうか?そして、男性より非力なわけで、スーツケースを運ぶのを手伝ってはもらえないという点ではいまいちである。 マイアミビーチから向かう空港は2つ考えられるようで、「フォートローダーデール・ハリウッド国際空港(Fort Lauderdale-Hollywood International Airport)あるいはマイアミインターナショナルエアポート(Miami International Airport)?」と聞かれる。私とみのむちくんが向かうのはマイアミ国際空港。 ![]() この時間では渋滞にかかることもなく、15分後には空港に到着し、チップ込みで38ドル(約4,237円)を支払う。行きは40ドルだったので、サウスビーチ〜マイアミ国際空港間のタクシー代の相場は、このぐらいなのだろう。 空港ビルに入り、コンチネンタル航空のカウンターでチェックインの手続きをする。みのむちくんのスーツケースを計量すると、なんと55ポンド。(約25s)スーツケースの中身は主に衣類なのに、そんなに重くなるとはびっくりである。 しかしコンチネンタル航空のスタッフは「(規定の重量より)2sオーバーしているので、このままだと50ドルかかるから、荷物を減らして下さい。」と言う。(2人で「合算重量46s」ではダメらしい。)そこで、スーツケースからサブバックを取り出して入れようとすると、「機内に持ち込める荷物は、1人2つまでです。」と言われる。 予想外の事態だが、早朝なので混んでないし、詰め替えるのにそんなに時間はかからなかった。しかし、こんなにうるさい航空会社は初めてだ。(ただし、チェックイン後のチェックはない。この後、例えば免税店等のショップで買い物をして、どれだけ荷物が増えてもよいということか?はたまたこの場だけ、無理やり2つにしておけば大丈夫か?) チェックインを済ませると、もうここにいてもしょうがないので、セキュリティチェックへと進む。だが、マイアミ国際空港は24時間稼動しているわけではない。早朝5時では、店もほとんどあいておらず、何もすることがないのでつまらない。薄暗い中で、ただひたすら座ってボーディングタイムを待つだけである。
赤ん坊はどんどん不機嫌になり泣き喚く。大人の私でも、いい加減眠いし、早く搭乗したい。(そしてこの赤ん坊は、テイクオフしてしばらくも泣き続けていたのである。)朝6時30分発なんて、へんな時間の離発着が多いせいで、コンチネンタル航空がマイナス評価を受けるのはよくわかる。 やっと、テイクオフ。 再びマイアミの輝くイルミネーションの中、私とみのむちくんを乗せた便は飛び立っていく。約3時間のフライト中、飲み物サービスも全部無視して、ずっと爆睡し続ける。ただし、あまりに機内が寒いので、あまっていた毛布と2枚重ねにした。
午前9時20分。予定より10分ほど早くニューアーク国際空港に到着。 マイアミ行きに乗ったときと同じゲートから飛行機を降りる。しかし、成田行きの搭乗までは、まだ1時間ぐらいあるので、軽く何か食べることにする。…と言っても9時30分では、まだそんなにレストラン等も開店しておらず、スターバックスに入る。 私はブルーベリーマフィン、みのむちくんはカスタードデニッシュを注文する。さらに、私はカフェラテを頼んだが、普通のコーヒーより2ドル高い。それなら、普通のコーヒーに、備え付けの無料の牛乳を入れた方が得である。(ああ、せこい。笑)しかし、トールサイズを頼んだら、日本のグランデぐらいの大きさで、マフィンも日本の3倍ぐらいあるところがアメリカ。
この後、みのむちくんは「タバコを吸いたい。」と言うので、30分後に成田行きの搭乗121ゲートに待ち合わせることにする。(ニューアーク国際空港は、屋外以外は全面禁煙である。) 余談だが、アメリカは入国にはうるさいが、出国は簡単だ。入国時にパスポートに綴じ付けられた入国カードの半券を、各航空会社が回収するだけ。この「勝手に帰れ。」と言わんばかりの対応は、とてもアメリカらしい。(念のために書くが、決して褒めているのではない。)…というわけで、セキュリティチェックを済ませ、国際線の搭乗ゲートに来ても、まだ空港の外に出られるのである。
その間私は、空港内のショップを見て廻ることにする。どこも似たり寄ったりな感じだが、昨日スーパーに売ってなかったギラデリーの普通のミルクチョコレートを発見し、さらにキーホルダーも買った。そして、搭乗ゲートに戻ったのは、ちょっと早めの10時15分。 すると「成田行き9便にご搭乗のお客様は、こちらのカウンターまでお越しください。」と言うではないか!もしかして…「入国カードの半券って、いつ回収するんだろう?」と思っていたら、どうも今らしい。だが、みのむちくんはまだ戻ってこない。 さらに待ち合わせ時間の10時30分なるが、まだ戻らない。コンチネンタル航空は、乗客を待たない航空会社。「まさか、○○時までにカウンターに来ないと乗せない。」なんてことはないだろうな?!…段々と焦ってきた。 おまけにすでに搭乗は始まっており、全ての乗客が搭乗可能となっている。遅いなあ。。
10時30分を5分ぐらい過ぎたころ、やっとみのむちくんが戻ってきた。どうやら、予想外にセキュリティチェックが厳しく、しかも混んでいたらしい。結局、入国カードの半券は、搭乗の際に係員に渡しても大丈夫らしい。(もちろん問題なく搭乗できた。) 今回も同じく、いちばん後ろの座席。そして、また日本人乗務員ではなく、日本語のできる乗務員によるアナウンスだが、日本語なのに大変聞き取りにくい。「英語かな?」と思ったぐらいで、片言しか日本語のわからない人なら、全く理解不能だろう。(苦笑) |
テイクオフ…ところが……(最終日・ニューアーク〜成田)
![]() 「当機は書類に不備がございましたので、一度搭乗ゲートに戻ります。」 書類…?書類って何だろう?コンチネンタル航空は外資系だから、日本の空港に着陸するには、申請書とかいるのだろうか? などと思っていると、また機長のアナウンスが流れ、実にいいにくそうな口調で、Beijingとかvizaとか言っている。 その後の日本語アナウンスによると「当機のパイロットが、北京までのヴィザを取得しておりませんでしたので、今からもう一度空港に戻り、成田までのパイロットと交代します。」と言う。 え〜〜〜?? どういうことだ?! 勝手な推測だが、パイロットの1人が、何らかの目的で北京まで行く必要があったのに、入国に必要なヴィザを持ってなかったということか? コンチネンタル航空に日本から北京行きの便はないから、日本で他の航空会社にトランジットし、北京〜ニューアーク間を乗務するつもりだったのか? いずれにせよ間抜けな話である。北京で気づかなかっただけ幸いか? ![]() それはさておき、40分ほど遅れて、再び滑走路に向けて動き出す。長距離フライトなので、この遅れは途中で取り戻すのだろう。帰国こそできるだけ早く到着してほしいが、「パイロットが乗務できない。」という非常事態に、ロスタイムが40分で済んだのはマシな方か?(この珍事件に旅行記のネタが増えるし。苦笑) そして、今度こそテイクオフ。 「もう何も楽しいことはないなあ〜。」とか「明日も仕事か〜〜。」と思うと憂鬱で、ずっと迷っている年末のエクアドル行きのことを考えることにした。 ほどなく、機内食サービスが始まったが「またまずいもの食べさせられるんだなぁ〜〜。」と思うだけである。肉料理は失敗する可能性が高いので、魚料理を選んでみた。不思議なことに…、行きよりマシな味がする。 行きの便では、ご飯がパサパサだったけど、今回はちゃん炊けているからだろうか?(ただし、みのむちくんは「蕎麦が入っていない。」とごねる。笑)それともアメリカ味に慣れてしまったのだろうか?……何と恐ろしい!!しかし、疲れているせいか、アメリカ味やにおいにげんなりして、あまり食べる気がしない。 みのむちくんは赤ワインとビールとか、飲み物のクーポンを使いまくっている。私とみのむちくんの渡航先は一定ではないから、今度いつ使えるか分からないからだ。私は、スパークリングワイン頼んでみた。(現金は5ドルでも500円でもよいが、昨今のレートでは日本円の方が安く済むかも…。) その後、しばらくエンターテイメントのゲームをやっていたが、眠くなってきたので休むことにする。マイアミ時間で言うと、今はちょうど昼過ぎ。クルーズ中はずっと、プールサイドでごろごろしていた時間である。そして、ちょっと眠った後、再び旅行記の続きをテキスト文章に書きつづける。
軽食のサービスが始まり、バッテリーの問題があるので、パソコンの電源を一旦落とす。配られたのは、ハンバーガーのようなサンドイッチとハーゲンダッツのアイスクリーム。これまた、わりとまともな味に感じられるのは、暖めてあるからか?はたまたアメリカ味に慣れてしまったのか?(ああ、恐ろしい!) ここでみのむちくんが「これ以上、バッテリーに不可がかかるから、電源を落としなさい。(ママ風味)」とうるさいので、旅行記を書くのを中断する。それから、ゲームをやったり、本を読んだりして時間をつぶしたが、目が疲れてきたので眠ることにした。しかし、全然眠くない。ずっと明るい昼間を飛行し続けているからだろうか? おまけに、寝不足のせいか、はたまた気流の悪い中を飛行し揺れる機体の中で、本を読んでいたせいか?ギャレイから漂う食べ物の匂いで気持ちが悪い。もうアメリカの食べ物の匂いはうんざりだ。 ![]() 朝食は、チキンの照り焼きかオムレツの選択。味はまあ…、一応てりやき味である。未だなんか気持ち悪いから、食べるのをやめようか…とも思ったが、食べられるところを見ると、この気持ちの悪さは単に寝不足のせいか? まもなく成田に到着する頃、税関に提出するカード(携帯品・別送品申告書)が配られる。去年までこんなものを書いた記憶がないところを見ると、今年から施行されたのだろうか?(税関のHPを見ると、施行は2007年7月からのようだが、全く記憶にない。) そして、予定より20分遅れで、成田空港に到着する。「気温は16度」と言うから、「ええええ〜〜〜?!まだ9月下旬なのに?!」と思ったら、実は22度だった。22度でもかなり低いのに、16度はないだろう。 さらに税関を通る前に、スーツケースが損傷したことを言うと、ネジがとれて、付属品が緩んでいるのは、修理の対象にはならないようだ。どこまでも融通の利かない航空会社である。一応、海外旅行保険で提出する書類だけもらって、税関を出た。しかもこのせいで、京成スカイライナーを1本乗り損ね、30分ぐらい無駄に待つハメになってしまう。 そして帰宅後、スーツケースを開けると、アメリカ運輸保安庁(TSA)からのメッセージが入っていた。セキュリティチェックのために、私のスーツケースを解錠したらしい。きっと変圧器が怪しく感じたのだろう。しかし、行きはスーツケースに入れていたアクセサリーを、帰りは何となく手荷物に入れたのは、無意識にこのことを予感していたのだろうか…?(実は旅行系コミュニティで、「解錠されて貴重品が盗まれた。」という話を読んだことがある。) それにしてもコンチネンタル航空は、ガルーダ・インドネシア航空となんと対極的なところにあるのだろう!(どちらもイマイチだが、イマイチなところがとても対極的なのである。) コンチネンタル航空は、信じられないような理由で離陸が遅れたものの、機体はぼろではない。(ガルーダ・インドネシア航空は、遠目から素人が見てもボロと分かる。)機内食はお世辞にもおいしいとはいえないが、普段は定時に離発着するようだ。そして、ガルーダと違って、航空運賃が安い。「交通機関なんだから、ちゃんと到着すれば文句ないでしょ。贅沢言うな。」と言わんばかりである。 まあ…、アメリカ系航空会社には期待してはいけない。客室乗務員が逆切れしないだけマシである。(苦笑) しかし久々に行ったアメリカは、やはり先進国だと思う。タクシーの運転手がぼったくると言うこともあまり考えにくいし、横断歩道で渡ろうとすると、自然と車が止まる。(…というか、横断歩道があること自体が先進国か。)大変抽象的な表現だが、「混沌」としていないのだ。これが先進国。
ところで帰国後、「カリブ海クルーズに行った。」と言うと、 聞かれるのは「(クルーズ料金って)高いんじゃないの?」と「乗客は年配者ばかりなのでは?」「船にずっといたら飽きるんじゃないか?」の3つである。 クルーズというと、日本ではまだまだラグジュアリー船のイメージの方が強いからだろう。「7泊8日で、中間ぐらいのランクの部屋で1人1000ドルぐらい。」と言うと大変驚かれる。そして、価格と年齢層は比例するようで、今回のクルーズ客の年齢は、中間層(3,40代)が集まっているように感じた。
さらにこの船は、小さな街ごと移動しているようなもんで、毎日なにがしらイベントが行われてるし、多分10日ぐらい乗っていても飽きないだろう。そう言う意味でも、クルーズ船は大きい方が設備が充実して、楽しいかもしれない。ちなみにラスベガスの巨大ホテルは、隣のホテルに行くだけで一苦労だったが、16万トンの巨大船でも、そんなにもてあまさないのである。(導線が複雑ではないからか?)
そして、前年のマルタ・ドバイ旅行と違い、頻繁にホテル移動をせず、荷物はずっとキャビンに置きっぱなしだから、普通の旅行より楽かもしれない。ただしクルーズは、何かと人と接する機会が多く、特に夜のメインダイニングは国際交流の場となる。だから「全く英語が話せない。」ではちょっと厳しいので、個人旅行としては意外に難易度は高いかもしれないなと思う。(ただし、船のスタッフはみなとても親切だし、理解しようと努力してくれるから、その気があれば何とかなるだろう。)
だけど、後から考えても「カリブ海クルーズは楽しかったな。」と思う。絶妙なタイミングでハリケーンを避けられたし。そしてクルーズは、カジュアル船の方が楽しいようだ。帰国後、「知人が国内のラグジュアリー船に乗船したのだけど、カジュアルで楽しそうな雰囲気はなく、お年寄りの見得の張り合いばかり。一日も早くクルーズを終えたいと感じたらしい。」という話を聞いた。 う〜〜ん。。リバティ・オブ・ザ・シーズに乗船していたオッさん達…いやオッさんだけでなく、みんな、箸が転んでもおかしいぐらい、何をしていてもすごく楽しそうだったが。そして、また「アメリカのホスピタリティはすごいなぁ。」と感じる。決して好きな国ではないが、こういうところは素晴らしい。そして、この多国籍軍をまとられるところがまたすごいと思う。だが…あのメシのまずさは、どうにかならないものか?
ともあれ、みのむちくんはクルーズの魅力にはまり、「来年はコスタクルーズだ!」とわめいている。ベネチアを出発し、クロアチアとエーゲ海のギリシャの島々を行くという一粒で3度おいしいクルーズ。しかし、来年の予定はまだ未定である。 |
〜END〜