退屈じゃあ〜!(伊香保温泉・2日目)


翌朝、仲居さんが朝食を運んでくる。「きっと納豆と焼き魚に生卵(あるいは温泉卵)と、1人鍋の湯豆腐だよ〜。」と言ってたら、本当にその通りのメニューなのでビックリ。でも、食べるのに夢中になって、撮影するのを忘れてしまった。(苦笑)

チェックアウトは10時であったが、まだ時間があるので、大浴場に行ってみる。ちなみにここも、「茶色の湯」じゃなくて「黄金の湯」。熱湯好きなら、入ってられないぐらいのぬるま湯である。

チェックアウト前のせいか、女風呂には4人ぐらいしかいない。そのうちの2人は友達同士らしく、「1週間ぐらい泊まっていたいね〜。」などと話している。温泉で1週間…、私なら「仲居さんの甲斐甲斐しいお世話攻撃」で、逆にストレスが溜まりそうだ。(笑)

部屋に戻り、荷物を片付け、チェックアウトする。だが、バスの時間は14時半なので、あと4時間半もある。そこで、横手館の待合室あったチラシの「おもちゃと人形自動車博物館」に行くことにする。

横手館の新館 横手館・本館

だが、まちの駅のバス停で時刻表を見ると、次は11時25分発。1時間半近く待たないと、バスは来ない。しかも1日2本!タクシーで行くという手もあるが、いつ来るか分からない上に、バスの運賃は100円なので、ばかばかしすぎる。

諦めて、その辺をふらつくことにした。昨日は薄暗くてよく分からなかったが、伊香保温泉には錆びた看板、いかにも流行ってなさそうなうらぶれた旅館がやたら多い。だが横手館は、大正時代の木造建築であっても、手入れが十分行き届いている分、かなり立派に見える。もっとも新館の方は、鉄筋コンクリートで築10年なので、風情からいうとイマイチだが。

まちの駅周辺は雪景色一色で、遠くにスキー場らしきものが見える。駅の近くには、ロープウェーがあるが、何のためにあるのか?やってるのかもイマイチ分からない。「きっとこういうのを作ったら、誰か登りたい人が登るからあるんだよ。」と適当なことを言う。

伊香保の温泉街 雪山か?!

他には、特に何があるというわけでもない。寂れた店とか、温泉街ではお決まりの射的とか、昭和の名残のような商店街があり、お約束の温泉饅頭などを買う。

とある旅館の駐車場で、やたら威勢良く喧嘩売ってるヤンキーがいたが、群馬ナンバーでは情けないだけである。(苦笑)しかも、こんな温泉街で、何をそんなに怒ることがあるのか?(笑)

結局11時を過ぎても手持ち無沙汰なので、バスを待って「おもちゃと人形自動車博物館」に行くことにする。ここに来る前は、「14時半のバスなんて早すぎ」と思ったのだが、あまりにも何もなさすぎで、1本前の「10時半新宿行き」でもいいぐらいである。
おもちゃと人形自動車博物館
バスに乗って博物館を目指す途中、やたら杉林があることに気付く。しかも!!どの木もたわわに、今にも零れ落ちそうなぐらいに花粉満載!!!!コレが1ヵ月後なら、私は絶対伊香保温泉に行かないだろう。だって私は、花粉症歴20年以上のキャリアだから。

さらに、お土産物屋を兼ねた「お食事処」もたくさんがあるのだが、「水沢うどん」はあまり興味をそそられない。

水沢うどん(群馬県伊香保町)、稲庭うどん(秋田県稲川町)、讃岐うどん(高松市など)と日本三大うどんの1つらしいが、なんと言っても私はモト関西人!しょう油ベースの濃い目のだしはどうも苦手だ。

昔社員旅行で行った日光(栃木県)の食堂で、あまりに濃くて、食べられなかったのである。(私の社員旅行って、ろくな思い出がない。苦笑)

話し戻って、バスに乗ること10分程度の場所に、「おもちゃと人形自動車博物館」がある。ここは「おもちゃと人形博物館」「自動車博物館」「テディベア博物館」「お菓子とチョコレートの博物館」という4つの小さな博物館の集まりである。

昭和30年代の街並みを再現したり、日本のクラシックカーを展示したり、テディベアやお菓子があったりと、全く脈略がない。

私設博物館なので、オーナーの興味の向くままに、集めているのであろう。まるで私のサイトのようである。(笑)しかも、いかにもこの手の場所にありそうな見世物小屋的なニオイ(雰囲気)がある。

まず最初はテディベアのコーナー。興味のある人はとても面白いだろうが、ぬいぐるみは趣味じゃないので、サラッと見て歩く。でも巨大テディの前で、みのむちくんの記念撮影。

くま! テディベア

次は、昭和の時代を再現したレトロ街並み。現在の往年のタレントの若い頃の写真や、当時流行ったアイドルの写真などもある。さらに、子供時代にあった実家の近所の駄菓子屋を思い出す商店街。でも、日本人形がたくさん展示されてるのは怖い。夜中になると歩いたり、髪の毛が伸びてきそうだ。

みのむちくんは、ノスタルジックにとらわれたのか?はたまた童心に返ってるのか?
鉄人28号とか、ベーゴマとかメンコとか、ブリキのおもちゃの前で、いちいち金縛りにあっている。あまりにも動かないので、私は先にどんどん進むことにした。

昭和の街並み みのむちくん、金縛り状態か?
駄菓子屋 スターのブロマイド

さらに駄菓子屋もあり、懐かしい「かにパン」や「ボンカレー」を始め、懐かしいお菓子が売られている。でも、今食べたらきっと、まずく感じるだろう。

なぜなら、ここ20年ぐらいで、格段に美味しくなったと感じられるのは、アイスクリームとお菓子やケーキである。おまけに、伊香保でなくても買えるものばかりなので、特に何も買わなかった。





修行はおしまい!(伊香保温泉・2日目)

自動車博物館
階段を上った2階にあるのは自動車博物館。まだ自動車が三種の神器3C(エアコン、自動車、カラーテレビ)と言われる時代のものや、さらに昔の車もある。

よくこんなにたくさんの車を集めたもんだ。またまたみのむちくんは、いっぱい写真を撮ったらしいが、私はそんなに興味がないので次に行く。

途中でトイレを発見し、何も考えずにウォシュレットを使う。だがなんと!水が止まらない!

お尻はだんだん冷たくなっていくし(立ち上がろうとすると、思いっきり他のところに水がかかりそうになる。)、こんなときに限って「今どこにいるの?」とみのむちくんは電話をかけてくるし最悪である。

結局、モトから止めたらやっと止まったが、「このまま永久に伊香保に留まるのか?」と思ってしまった。(なんてバカバカしい話だろうか。苦笑)

気を取り直して、さらに先にあるのが、お菓子とチョコレートの博物館。外国製のおかしやチョコレートがたくさん展示されている。後でサイトを見ると、「ヨーロッパの街並み」と書いてあるが、本当のヨーロッパの街を見たら、そんなこと微塵も思わない。

ここでは駄菓子ではなく、お菓子やケーキを売ってるショップがある。美味しそうに見えるのを選んで買うが、観光地なので、そんなに期待していない。

外国製のお菓子 DFSで見たような商品が。。

ところでみのむちくんは、まだどこかで金縛りにあってるらしく、なかなかやってこない。そこで、入場するときにもらったキューピーの人形に、絵付けができるコーナーに行く。

顔料マジックで、肌色一色のキューピーに塗っていく。だがやればやるほど、2度と見たくないかわいさのかけらもない不気味なシロモノが出来上がる。(苦笑)

そろそろバスの時間になるので、博物館を出ることにする。結局1時間半足らずしかいなかったが、まあそのぐらいの規模だろう。入場料は1050円とちょっと高めだが、私設にしてはよく揃えているし、メンテナンスも行き届いている。

まちの駅に戻ると、まだ1時間近く時間があるので、昼ごはんを食べることにした。だが、寂れた温泉街では、そんなに選択肢もない。ラーメンもなんだし、バス停近くのよさ気な旅館に入ることにする。(伊香保温泉でも数少ない流行ってる旅館のよう。ただし、宿泊料金は結構高いらしい。)

最初、看板が「準備中」とあったので、引き返そうとしたら、「お食事できますよ。」と言われる。単に風で、看板がさかさまになってたらしい。私とみのむちくんが入った後、慌てて「営業中」に変えていた。でも、昼ごはん時を逃すとは、なんとものん気な。。(苦笑)お昼のうどん定食

基本的には喫茶室らしく、メニューはそんなに多くない。だがここで、カレー等を頼むのもなんなので、うどん定食を頼む。(朝ごはんの代わりにこの画像を載せておく。)

14時30分となり、また高速バスに乗り、新宿を目指す。行きがけでも立ち寄ったドライブインで、生クリームを使ったシュークリームを買う。だが、レジが混んでいて、なかなかバスに戻って来れず、出発時間をちょっと過ぎたようだ。みのむちくんは、何度も私の携帯に電話したらしい。

「だってここで置いていったら、みのこ泣くじゃん。」というが、大体私の携帯も荷物もバスの中で、唯一持ち出した財布には、小銭程度しか入っていない。ヒッチハイクでもしろというのか?(笑)やはり私は団体行動がダメな人間である。

その後、バスは渋滞にはまり、到着予定より1時間遅く新宿に到着する。今回の旅行は、恐れていた「修行」にはならず、「のんびりゴロゴロした」という趣旨通り。そして横手館は、寂れた伊香保温泉の中では、かなりよい旅館である。(私とみのむちくんが泊まった土曜日は満室だったらしい。)

だがどうも私は、旅館の「甲斐甲斐しく世話を焼くサービス」というのが苦手らしい。「お食事は〜」とか色々聞かれ、まめに部屋に来てくれて、「どちらに行かれる予定ですか?」などと世間話を始められたら、思わず「用があったら呼ぶから、1人にしてくれ。」と言ってしまうだろう。

私にとっては、あまり長居したくない場所である。おまけに旅館は、「女風呂より男風呂の方が広くて快適」という理不尽な待遇のところが多いし。(昨今の旅行は、女性客の方が圧倒的に多いというのに何と言うこと!)

インターコンチネンタル・ドバイの「何も言わなくても、察して声を掛けるホテルマン」とどこが違うのか?といわれると、多分それは心の距離感。そして私は、さして親しくない人に、親しげにされるのが苦手だ。こんな私をみのむちくんは「ネコたん系」という。

だが、これはあくまで私個人の考えだが、私のように思ってる人は、決して少なくないと思う。今の温泉不況が、それを如実に表してるのではないか?(まあ伊香保温泉の場合は、例の水道水を温泉の湯と偽った「温泉偽造事件」が影響してるかもしれないが。)

そして、旅館特有のマメなサービスのおかげで、余計な人件費がかかり、でも宿泊料の値上げは出来ず、ますます不況に拍車をかけている気がする。

そんな話はさておき、
2004年の9月から、「ドバイ→沖縄→伊香保(群馬)」と、旅行がどんどん近場になり、今後の行く末に「もう近場しか行けないのか?」と、一抹の不安を感じる。みのむちくんが「今回は旅行じゃないよ。」と言ったので、ちょっとホッとしたが。(この時点では、まだギリシャ行きは話にも出ていない。)

実は、「伊香保温泉編」を書いたことを、ちょっと後悔したりして。。(でもせっかく書いたのに、破棄するのじゃもったいないからアップロードすると!)なぜなら、「私のぐ〜たらな妻ぶり」と「ダラダラな日常」を暴露しただけの旅行記としては、「最も面白くないモノ」となってしまった気がするがどうだろう??


〜おしまい〜