1.突然の告知(2002年8月6日) 多分、この先5年ぐらいは、忘れられない日になりそうだ。。 今日は、会社の定期検診(人間ドック)の日。 大体、人間ドックはどこも一緒だと思うが、前日夜9時までに夕食を済ませ、当日は水もタバコも、一切の飲食も禁止。 もともと私は、胃腸が弱いので、その方が調子悪くなりそうだといつも思う。 「めんどくさいなぁ〜。イヤだなぁ〜。」と思いながら、1年に1度ぐらい受けとけば安心だろうと、M診療所へと向かう。 お盆の1週前のせいか、比較的スムーズに色んな検査が進んでいく。 そして、婦人科検診(内診)を受けたときのこと… 医師が、軽い口調でさらりと私に告げた。 M診療所Dr「子宮筋腫がありますね〜。知ってました?」 …子宮筋腫?! 一瞬、何を言われてるのか分からなかった。頭の中が真っ白になって、フリーズしてしまったような感じ。看護婦さんの「次は**に言ってください。」という言葉も聞き逃して、もう一度聞き返すぐらい、何も頭に入らなかった。 全ての検査が終えると、最後に問診があり、そこでも「子宮にこぶがありますね。結構大きいですよ。」と言われる。 仮報告の診断書を見ると、「子宮筋腫・超鵞鳥(ガチョウ)卵大」というところに、チェックしてあった。 私「ガチョウ卵って、どのぐらいの大きさですか?」 M診療所スタッフ「握りこぶしより、ちょっと小さいぐらいです。」 そういわれて私は思わず、自分の握りこぶしをまじまじと眺めてしまった。 これより少し小さいというと、だいたい6センチだろうか…? M診療所スタッフ「貧血とかありませんか?」 私「ないです。」 この時、私のヘモグロビンの数値は、13.9(正常値・11〜16)、赤血球の数は453(正常値・370〜500)、ヘマトクリマットは41.9%(正常値36〜46%)。こんな状態で貧血など、考えられない。(苦笑)…というか、生まれてこの方、立ちくらみも貧血もない。 M診療所スタッフ「まあ、総合的な結果が出てみないと、何とも言えませんが…。かかりつけの産婦人科はありますか?」 私「ありません。」 M診療所スタッフ「もし、かかりつけの病院がなければ、K大付属病院を紹介しますよ。」 M診療所は医師の派遣など、K大付属病院の協力のもとで運営されているからである。 恥ずかしながら私は、いい年をして今まで一度も産婦人科に行ったことがなかった。 逆に言えば、体の不調でもない限り、行きたくなかったから、気が進まない健診を受けていたのである。(人間ドックでは検査を拒否することも可能。) だが、この時点では、まだ私は子宮筋腫があることを受け入れられないまま、M診療所を後にした。 …自覚症状がないのにどうして?! しかし、私がこの程度のショックで済んだのは、母も筋腫持ちで、ある程度予備知識があったからだと思う。 その後、すぐに会社には戻らず、診療所近くの書店に寄って、子宮筋腫に関する本を読み漁る。(さらに、インターネットでも調べたが、書いてあることはどこも大体同じだった。) 子宮筋腫とは、子宮に出来る良性の腫瘍で、悪性腫瘍とは全く別物。死因原因の中にも入っておらず、子宮筋腫で亡くなった人は、1人もいない。 つまり、特に怖い病気でもなく、悪性の可能性も極めて低いので、命に関わるような重病ではない。 それに、私の母も14〜5年前からずっと、手術もせずにごまかし続けられるぐらいだから、そういう類の病気なのだろう。 そんなことを喫茶店で考えながら、とにかく気持ちを落ち着けて、会社に戻ったのだった。 その日の夜、「仕事で帰るのが遅くなる」と連絡してきたみのむちくんに、思わず 「今日、人間ドックで、子宮筋腫があるって言われたよ。みのこ、ショック!!」と言った。 みのむちくん「子宮筋腫って何?」 私「子宮にできる良性の腫瘍のことだよ。」 あれほどポピュラーな病気であるのに関わらず、みのむちくんは知らなかったらしい。まあ、男性には一生縁のない病気なので、仕方ないだろう。 そして、私が良性の腫瘍と言ったせいか、みのむちくんはそんなに焦った顔もせず、真夜中過ぎに帰宅した。 みのむちくん「もう、みのむちくんとみのこの子供は無理なのかな?」 私「いや、そんなことないと思うけど…。」 この発言は、希望的観測である。 なんせ、この時点での私の知識は、本屋での立ち読みと、インターネットで少々調べた程度である。 しかもまだ、ガチョウの卵大の筋腫があるということしかわかってない。だが、子供を産む、産まないに関わらず、子宮を取ってしまうのだけは、絶対に嫌だった。 さらに、私は今日インターネットで調べた内容もみのむちくんに伝える。 子宮筋腫は出来た場所によっては、不妊や流産の可能性もあり、一般的に握りこぶし大以上の大きさになると、症状があるなしにかかわらず、手術を勧められる場合が多い。私の筋腫は、握りこぶしよりやや小さいぐらいなので、微妙な線である。(後日、そうでもないことを知る。) 私「もしかしたら、手術して取った方がいいって言われるかもしれない。」 みのむちくん「どうしよう。飛行機のチケットも予約しちゃったよ。」 みのむちくんは、この週の木曜日から夏期休暇を取っており、1人で実家に帰るつもりでいた。 私「今すぐどうこうということはないし、検査の結果が出てからしか、病院に行かないからいいよ。」 私がそう言ったので、みのむちくんは3日後、自分の実家に帰っていった。 |