「看護師さんの担当わけ」

入院中の治療計画書を見たら。。主治医は執刀医であるM先生の助手のK先生。
そして、「その他の担当医」ということで、M先生と、もう一人、内視鏡専門医の名前があった。
つまり私は「婦人科・内視鏡手術チーム」の患者…ということらしい。

…で気付いたのは。。
私のところに来る看護師さんと、がんの患者さんを担当する看護師さんは違う人。日にちが変れば、その看護師さんが私のところに来ることもあったが、同じ日の中ではなかった。

どうやら、病気の種類(簡単に言うと、良性か?悪性か?)によって、担当を分けている様子。病気の種類によって、患者にかける言葉も違うからかな?と。

私だって、同じ系統の病気の人には、「(手術)お疲れ様でした!」とか「○○さんも予定通り退院できますよ。」と言えるが、がんで治療されている方々には「どうぞお大事にしてください。」としかいえない。(良性腫瘍は手術で切除してしまえば一応終了だけど、がんの治療期間は個々それぞれなのでわからないから。)そして、(T大病院での話ではないが)悪性腫瘍の場合、泣きながら看護師さんに話を聞いてもらう人も多いと。

つまり、病気の種類によって、ケアの仕方を変えなくてはいけないから、同じような患者ばかりを担当している方がやりやすいのかな?と思った。


「Z先生のこと」

M先生と同じT大病院の内視鏡専門医。

ずばりそのままアルファベットで書くとわかってしまいそうなので、仮に「Z先生」とする。私の治療計画書に名前が明記されていた医師である。M先生が「手術の腕もよく、とても優しい先生」と評判がいいのに対し、Z先生もまた腕のいい医師なのに、「無愛想」とか「怖そう」とか、なんかいまいち評判が悪い。^^;

しかし、Z先生に執刀してもらった知人に話を聞くと、「Z先生は、話し方は素っ気無いし、一見怖そうだけど、言葉の端々に患者への気遣いが感じられる。単に照れ屋なだけで、こちらから歩み寄れば、色々話してくれるようになるし。私はZ先生でよかったと思う。」と。

で。。それを裏付けるかのように。。某所で見たZ先生の写真は「えええええ〜〜?!(´∀`;)」と、無愛想とか怖そうという評価を覆すぐらい楽しげでお茶目。Z先生って。。。人見知りさんなの?!

そして入院中…
Z先生と遭遇する機会があった!間に合わなくて後姿しか見えなかったけど。手術して間もない患者さんに「調子はどう?明日になればもっと元気になるから。」と言われてるのが聞こえ、「なるほどね〜〜。」と。

きっと、これはZ先生精一杯のいたわりの言葉。

本当に冷たい医師はそんなこと言わず、「術後で具合悪いのは当たり前。」と言う態度をとるだろう。きっと言葉に表すのがうまくないだけなのだ。だけど……そんなZ先生の優しさは、20代、30代の女性には分かりにくい…かも?^^;

「ちょっとM先生の真似でもして、優しい言葉の1つでもかけられるようになるといいのに。」と思わなくもないが、もしZ先生が他の病院の医師だったら、そんな散々な言われようはされないだろう。

むしろ、いつもM先生と比べられるからお気の毒。。(^_^;)

でも「Z先生はぎこちない笑顔を残して去っていかれた。」と聞いて、「先生なりに評判を気にしてるのかな?」とか、Z先生の涙ぐましい努力を、不遜にも「かわいいなあ。」と思ってしまった!


「大学病院だから。」

手術の前日、麻酔科医のA先生が病室に来られた。
「明日、手術を担当します麻酔科医のAです。」と自己紹介され、明日の手術の説明を受けた…と言っても、「全身麻酔ですから、一瞬ちくっとするだけで、後は全く痛みなく終わります。」と言う程度だけど。^^;

そして渡されたのは、経口補水液OS−1(オーエスワン)2本。「もしよかったら、協力してください。ちょっとでもめんどうだなとか、いやだなとか思ったら、全然破棄してくださってかまわないですから。」と、同意書と書類を渡された。

内容は…今までの医学では、手術の前日は(うろ覚えだが)夜中以降とか、かなり前から一切水分を取ってはいけないことになっていた。だが最近になって、術前2時間前まで摂取することにより、脱水症状が防げて、むしろよい効果をもたらすことがわかってきたらしい。

だけど、まだ医学的実証がされていないから、データ集めに協力して欲しいと。(この辺が大学病院らしい。)

必要なのは、私の手術中のモニタリングデータ(酸素濃度とか、血圧とか、心電図とか)で、特に私の負担になるようなことは何もなく、何か特別なことをするわけでもない。


そして手術の翌日、手術室の看護師さんからも、「オーエスワンの飲み心地のアンケートに協力してください。」と言われたが、こういう病院だからこそ、どちらも喜んで協力しようと思う。(^^)

今回、初めてオーエスワンを飲んだが、ポカリスエット味で飲みやすいと思った。まあ、冬なのでそんなにノドも乾かず、1本しか飲まなかったけど。その後も薬を飲む時に、ミネラルウォーター代わりに使えて便利だった。ちなみに「術前の2時間前までOK」と言うのは今年(2013年)の5月から実施だそうで、去年手術した人から(ノドの乾きと闘う事なくて)「うらやましい!!」と言われた。^^;


「同じ病室にて」

同じ病室に入院していたがんの患者さんのこと。手術後、再発防止のために半年間マンスリーで入院し、抗がん剤治療を受けらているらしい。カーテン1枚で仕切られた同じ病室では、自然と会話が聞こえてくる。。。

「仕事やめちゃったよ。いくらまだ(抗がん剤の)治療中と言っても、やっぱり職場にでたらしんどいって言えないしね。」

それは分かる。。
「抗がん剤治療やったことないあなたに、そんなことわかるわけないでしょう。」と言われそうだけど、私も「しんどい、だるい。」と思いながら仕事をしていた。しかも、私があれだけ「しんどい。」と思ったリュープリンは、乳がんの治療でも使われており、「楽な部類の治療」と言われている。だから、この方たちの治療は、どれだけしんどいのだろうと。。

「(がんになるなんて)一体、何の罰なんだろうね。そんな悪いこともしてないと思うのに…。」
「再発しないでほしいよ。(治療を)頑張るしかないよね!」

そんな会話が聞こえてきた。。

しかし、入院して3時間経たない間に体調が悪くなり、その後もたびたび、脂汗が出るほどの痛みに苦しんでいた私には、どうこう思う余裕はなく、ただただ身につまされる話だった。。

ただし、これからも、病気の人に「頑張って。」と言うのはやめようと堅く誓った。唸りたくなるような痛みの中で思ったことは、病人は病人であることから逃げられない。病人であるだけで頑張っているから。


さらに。。私の向かいには、「原因不明の症状」で入院してきた人がおり、「昨日、一昨日と、2日間も検査(大腸カメラ)で本当に大変でしたね。」と話しかけると、「そちらこそ、昨日は具合悪そうで大変でしたね。」と。「夜中にうるさくてすいません。」と言われ、「いえいえ、それはお互い様ですよ。私も夜中に結構ナースコールしましたもん。」と。

「手術は手術で大変ですが、原因不明っていうのも大変ですね。やっぱり病気はどの病気も大変ですよね。」と言う感想をお互いに漏らした。