シシィの話はどーでもえーねん。(6日目・ウィーン・2日目)
| さらにホーフブルク王宮(Hofburg)へ向かう。 ハプスブルク家が王家として君臨した約650年もの間、居城となった宮殿である。 だが、その前に休憩がてらカフェに入る。私はケーキセット、みのむちくんはビールとソーセージのセットを注文した。
しまった!アップルパイ(りんごキライなのに。。) …と思ったが、まあいいか。私は注文したのは正確には「アプフェルシュトゥルーデル」。りんごを煮たものを薄くのばした生地で巻いたお菓子で、アプフェルはりんご、シュトゥルーデルはうずまきを意味する。 セットで5ユーロ(約690円)と安かったから…というのもあるが、ウィーンの代表的なデザートである。(味に関して、全く記憶にないところを見ると、「うまからず、まずからず。」と言ったところか?)しかしどうせなら、王宮内のカフェ・ホーフブルクに入るべきだろう。
ホーフブルク王宮もまた、日本語のオーディオガイド付き。 登場人物はまたもや、フランツ・ヨーゼフ1世、エリーザベト皇妃。説明もシェーンブルン宮殿とほとんど変わらない。(まあ、別荘を見に行ったあと、本宅に行ってるようなものだし。) ![]() フランツ・ヨーゼフ1世は毎日激務で、よほど夜遅くないならない限り、朝の3時ぐらいから起きて、政務にあたっていたとか、朝のお祈りは欠かさなかったとか、身分にかかわらず分け隔てなく会ったとか、一度会った人は忘れなかったとか。 さらに、王宮内には「シシィ博物館」があり、エリーザベト皇妃の身の上話が始まる。 エリーザベトの不幸は、姉のヘレーネの見合い相手だったフランツ・ヨーゼフ1世に見初められ、求婚されたことに始まる。それまでは身分の高い貴族と言っても、王位継承権からは遠く、かなり自由を満喫していた。しかしその生活は、婚約が決まった翌日から一変する。 まるでどこかの話に非常に似ている。 エリーザベトは、姑であるゾフィー大公妃がとりしきる宮廷の厳格さが耐えられなかった。しかも、フランツ・ヨーゼフ1世が、母・ゾフィー大公妃の反対を押し切っての結婚ゆえ、そもそも嫁・姑の折り合いは悪い。エリーザベトは、宮廷生活や皇后としての義務や職務を嫌い、何かと口実を見つけては、ウィーンから逃避し続けた。 フランツ・ヨーゼフ1世は、エリーザベトを心から愛していたといわれるが、政務に忙殺され、すれ違いの生活が続く。エリーザベトはどんどん内向していき、自分のよりどころを「美」に固執し、日常の大半をダイエットや美容に費やしていた。しかし、ギリシャ語の詩の朗読を聴き、自らもギリシャ語で詩を作っていたというから、馬鹿ではないだろう。 ![]() きっと今でいうなら「適応障害」。 まるでプリンセスマサコのようである。ただプリンセスマサコと違うところは、ほとんど周りに理解されなかったことである。「この女性は本当に狂っています。こんな皇后がいるのにオーストリアが共和国にならないのは、この国の国民がまだ寛大だからです」ともある。 実は「みんなに愛される美貌の皇妃シシィ」のイメージを作ったのは死後のことらしい。それは、観光のための作戦と思えなくもない。ただしハンガリー統治に関しては、非常な関心と情熱を傾けたため、ハンガリーが独立国家となった礎を築いた人物として、今もハンガリーの人々に慕われているらしい。 だが私は、オーストリア国民でもハンガリー国民でもない。 「もうシシィの話はどーでもえーねん。」と思ってるところに、次は銀器・食卓調度コレクション。 ミラノ製の食卓中央飾りとか、140人分の晩餐会のセッティングとか展示されていて、ボヘミアガラスや日本や中国のうるしが使われているようだ。代々、限られた人だけに教えられてきた秘伝のテーブルナプキンのたたみ方があるらしい。
さらに当時の晩餐会では、一番身分の高い者が一番最初に料理を口に付け、一番最後に食べ終わらないといけないので、食べる速度を調節してたとか、隣の人以外とは話してはいけないとか、なかなかに大変そうである。(エリーザべトでなくてもイヤかもしれない。苦笑) しかし、コレクションのほとんどは皿。皿がやたらあるが、皿1つの説明に、10分も延々喋られたらたまらない。そんなに見せたかったのか?ここだけは撮影可能だが、肝心な王宮自体はやっぱり撮影禁止である。(こんなに皿の画像ばっかりあってもつまらないが、何もないよりマシだろう。)何だかんだで時刻は16時近くなり、美術館を歩き回ったように疲れた。
今夜はホイリゲに行くため、まずウィーンの森に向かう。ウィーンの森とは、ヨハン・シュトラウスの名曲「ウィーンの森の物語」で有名になり、ワインの産地でもある。ウィーン中心部からトラムにずっと乗り、終点ベートーヴェンガング(Beethovengang)で降りる。 目の前は鬱蒼とした木々があり、ほとんど人がいる気配がない。……本当にここが??
ウィーンの森は単純に「ウィーン郊外」と思っていたら違うらしい。約1,000kuキロメートルを越える広大な範囲を指し、実質は山である。 ちなみに「ベートーヴェンガング」とは「ベートーヴェンの散歩道」。しかし散歩道と言う割には、あまりに整備されておらず、みのむちくんは「雑巾を絞ったようなにおいがするよ〜。」と言う。(栗の木のにおいか?)この道を散歩して、作曲の構想を得たというが本当だろうか?「実際はかなり汚いモルダウ川」と同じく、ちょっと謎である。 「ベートーヴェンの散歩道」をしばらく歩いていくと、住宅街になる。そう言えば、アウディとかプジョーとかベンツとかBMWとか、やたらドイツ車が多い。プラハとチェスキー・クルムロフもそうだったが、こんなに日本車が少ない都市は珍しい。ドイツは隣国だから輸送がらくだし、関税がかからないからだろうか?
さて、ここからはベートーヴェンゆかりの地を巡ることになる。まず「マイヤーの家」(Mayer House)。現在はホイリゲとして営業していて、「観光客が覗き込んでいるからこの店だろう。」という結論に達する。ベートーヴェンが1817年5月から約2ヶ月、交響曲第9番の構想を膨らませた家…というから、名所としてはちょっと厳しい。
さらに、「遺書の家」。難聴に苦しんでいたベートーヴェンが、悪化する症状に悲観し、この家で遺書をしたためたと言う。だが「これで2ユーロ(約276円)もとるの?!」と思うぐらい何もない。肝心の遺書にしても直筆じゃないし(複製)、あまりに展示物が少なすぎて罪悪感を感じるのか?とってつけたような肖像画がいくつかあるのみ。しかし、私とみのむちくんが先陣を切ったせいか、観光客がぞろぞろと入ってしまった。(苦笑)
その後見たのは、ベートーベンが間借りして住んでいたと言う「夏の家」。1808年の夏、詩人グリルパルツアーの家の2階を借りて過ごし、「田園」の楽想を練ったらしい。こちらは外観のみである。
ところで、名所やレストランなど、いつもガイドブックを頼りに行くのだが、みのむちくんは「こんなに正確な地図は初めて。」という。今回は「地球の歩き方」ではなく、「新個人旅行」というガイドブックを持参している。出版元の昭文社は、地図も作ってる会社だからか?かなり正確らしい。(「地球の歩き方」の地図はかなり適当なことが多いらしい。)
さて、時刻は6時を過ぎたので、ホイリゲ(heurige)に向かうことにする。 ホイリゲとは、ドイツ語でそもそも「今年の」を意味する言葉。それが「今年の新酒(1年未満のワインの新酒)」を意味する言葉になり、それを提供する居酒屋もこう呼ばれるようになったらしい。始まりは1789年、当時の皇帝ヨーゼフ2世が、ウィーンのぶどう農家に、年間300日以内に限り、自家製ワインと簡単な食事を供してもよい、という許可を与えたことである。
ホイリゲはベートーヴェンガングの西側に位置するグリンツィング(Grinzing)にあり、できるだけ観光客が少なそうな店を探す。何だかあちこちから焼く前のパンの匂いがするが、これはぶとうが発酵するニオイだろうか? ガイドブックでは「ツム・マルティン・セップ(Zum Martin Sepp)」という店が、「ランチタイムにわざわざウィーンから足を運ぶ人もいるほどでうまく、きのこ料理がおすすめ。」とある。本当だろうか?
ホイリゲでの注文は、「テーブルでは飲み物を注文し、料理はバフェ・コーナーでセルフサービス」とある。(入り口にバフェの料金を提示している店も多い。)しかしメニューを見ると、それらしきものがないが、バフェコーナーはある。ちょっと注文の難しい店に入ってしまったか?しかも、隣のテーブルを見ると、結構量は多そうである。 とりあえずワインと、「暖かい豚肉料理色々」というよくわからない料理を注文する。バフェコーナーでハムとソーセージとザワークラウトを頼むと、9.87ユーロ。(約1360円)しまった!量り売りか?隣のサラダのコーナーはどうなんだろうか?
注文した料理は…小麦粉とじゃがいもを混ぜて作っただんごみたいなのと豆はいまいち。しかも添え物に、山ほどザワークラウトがついてくる。この味は嫌いではないが、あまりにも大量すぎる。ソーセージやハム、肉料理はまずまずおいしい。だがあまりに量が多くて、ちょっと残してしまった。(バフェコーナーで取ってきたのは失敗だ〜!) 料金は2人で45ユーロ(約6200円)で。チップを払って50ユーロ(約6900円)。ウィーンにしてはかなり安めだろうか?ウィーンに来てから、やたらお金の減りが早いような気がするが、日本と物価が変わらない国なので、まあしょうがない。
パシャパシャ写真を撮っている人がいるところを見ると、やはり観光客はどこでもいる。おまけに店内は、盲導犬ではない普通の犬でも同伴可能。チェコもそうだったが、オーストリアも犬天国?特にオーストリアは大きな犬が多く、トラムなども一緒に乗車している。野良犬は見かけないが、私はあまり嬉しくない。 店を出たところで、スーパーがあるので、ちょっと寄ってみたかったが、何と閉店したところである。ウィーンのスーパーは、予想外に早く閉店するようで、先に行っておけばよかった!
しょうがないのでトラムに乗って、ホテル方面に戻ることにする。キオスクのようなところに立ち寄り、750mlのミネラルウォーター2本とケーキを買って、5ユーロと5セント(約700円)支払う。 こういうところでも、ケーキが売られているところがオーストリアらしい。(味はまずまず普通である。)店員が「ザッハー?」と、持つしぐさをしたところを見ると、「ザッハー」は袋のことのようだ。(「supermarket」は、SPARというのだろうか??)ドイツ語いまいち不明。
時刻はまだ夜の8時台。 ![]() みのむちくんは「このまま帰ったらもう明日(最終日)になっちゃうよ。」と言うが、飲み屋以外ほとんど閉まっているので、歩いていても面白くない。 都市部のはずなのに、スーパーも19時30分閉店だ。(ただし、キャッシュディスペンサーなどは、24時間使えそうである。)最終日の明日は、朝早くから出かけなければいけないということか? ホテルに帰り、ケーキを食べて、旅行記の続きを書こうと思ったら、疲れすぎて寝てしまった。 まだ夜9時30分過ぎだというのに、日本では考えられないぐらい朝型な生活。途中、夜中1時30分に目がさめたが、そのまま寝ることにした。 |
日本語ガイドももういいよ〜〜。(7日目・ウィーン・最終日)
早朝4時30分に目を覚まして、パソコンに向かっている。昨日、早々と寝てしまったせいもあるが、毎日毎日、何らか夢を見ているところを見ると、眠りはかなり浅いのかもしれない。もう最終日か、何だかあっという間だ。 また8時過ぎに朝食を食べに行くと、なにやら熱心に地図を見る東洋人のじいさんが2人。あまり日本のサイトで紹介されていないホテルなので、まず見かけなかった日本人のようである。「今日、どこに行くか?」を決めているようで、ヨーロッパにおける年配の個人旅行者は、かなり旅慣れている様子だ。 昨日、さんざん文句を言った朝食だが、ヨーロッパの例に漏れず、パンとバターはやっぱりおいしい。 さて、まず明日の空港行きのバス停を確認する。事前情報で、当初宿泊予定だったザルツグリースの近くから、空港行きのシャトルバスが出ていることが分かってる。だが明日は早朝出発なので、今のうちに確認しておきたい。 最寄り駅である地下鉄のシュヴェーデンプラッツ(Schwedenplatz)駅までトラムで行っておりる。バスターミナルがあるが、それらしきバス停は見当たらない。ビジネスマン風の男性の後をついていってみるが、単にホテルに向かうようである。(苦笑)
停車中の観光バスの運転手聞くと、同じバスターミナルでもずっと端にあるようだ。地図にはちょこっと書いてあるだけなので気付かなかったが、教えられた場所に行くと、確かに空港バスの発着所である。これでひと安心だ。 その後「美術史博物館」(Kunsthistorisches Museum)に向かう。
美術史博物館は、マリア・テレジア広場に建つヨーロッパの3大美術館の1つ。(あとの2つは大英博物館・ルーブル美術館だと思っていたら、プラド美術館・ルーブル美術館らしい。ちょっと意外。。)向かい合わせに建っているのは自然史博物館。建物の外観が非常に似ているところが紛らわしい。 美術史美術館は、400年にわたるヨーロッパ各地のハプスブルク家の美術コレクションが展示されている。特にブリューゲルのコレクションは、世界最大、門外不出として世界中に知られているらしい。(「バベルの塔」などが有名だろうか?)…とそのへんの詳しい説明は、ガイドブックに任せることにする。
ここでもウィーンカードを提示すると、1ユーロディスカウントされる。荷物をコインロッカーに預け、館内を廻ろうと思うが、全く場所が分からないので、パンフレットを買う。しかし、コインロッカーは無料だが、パンフレットは0.65ユーロ。(約90円)単に館内図だけなので、ぼったくりか?と思わなくもない。
それにしても、エジプトに関するものが、何でこんなに充実してるのだろうか?エジプトがよっぽどお金がなくて、オーストリアに売ってしまったのか?「ヨーロッパ屈指の美術館」とあったが、絵画は宗教画がやたらと多く、基本知識として分かっていても、クリスチャンではないので、いまいちピンと来ない。
面白かったのは果物、野菜、動植物、本などを寄せ集めたおもろい肖像画ばかりを描くジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)の作品である。 そんなわけで、かなり端折って見てると思うが、それでも2時間以上費やした。(美術史博物館のことを調べていたら「日本語ガイドがオススメ。」とあった。しかし、いちいち長々と説明されるのはたまらない。)
あくまで私の主観だが、「この美術館の価値」は、建物自体にあるのではないかと思う。豪華で重厚な天井画や柱や壁は、当時のウィーンを代表する画家の壁画や彫刻で飾られていて、これだけで一見の価値がある。(しかも「撮影禁止」ではない。)
さらに、2階大ホールの喫茶スペースは、行ってみたかったカフェの1つ。「ゲルストナー(Gerstner)」という 1847年に創立したハプスブルク家御用達の老舗。シシィお気に入りの「すみれの花の砂糖漬け」が有名である。 ケルントナー通りに本店があるが、ガイドブックの写真を見る限りでは、博物館のカフェが雰囲気があってよかったのである。みのむちくんビールとサンドイッチ、私はフルーツタルトとアインシュぺナーを注文する。
このように写真写りは非常によいが、この豪奢な美術館では、迫力負けしてしまい「大したことないな。」と思うかもしれない。だが、ケーキと飲み物で5ユーロ(約690円)ぐらいなので、休憩にはいいだろう。
これにて、観光は終了し、おみやげ物を買いにいく。昨日買ったシシィチケットには、宮廷家具博物館の入場料も含まれているが、「また延々シシィの話をされるのはたまらん。」と、とても行く気になれない。(「よかれ」と思って実施している「日本語オーディオガイド」が、まるっきり逆効果である。苦笑)。 |