美しくも危険なキトの夜景(6日目・キト)
その後、ノルテ(Norte)のデパートに向かう。ノルテというのは新市街のことでセントロと違い、夜遅くまで歩いていても比較的完全なようだ。今日は1月2日なので、あまり長く営業してないかと思ったら、19時30分までやっているらしい。
ここは富裕層しか来ないので安全だから「(店内で)写真を撮っても大丈夫。」と妹が言う。 2階にはスーパーがあり、閉店まであと1時間ぐらいしかないが、お茶やお菓子などをばんばん買う。義理土産はヒューストンより、物価の安いエクアドルで買う方がよいのである。妹が「これ、おいしいよ。」と言ったチョコレートはチリ製だが、1枚4ドルは義理土産にはちょうどよいので買うことにする。(適当だ。笑)みのむちくんには「エクアドルスピリッツ」という酒と、フルーツの入ったナッツを買った。 そして、話に聞いていた通り、日本にはない果物がたくさんあり、バナナの種類も豊富。(さすがバナナの産地か?笑)ホテルで食べようと思い珍しい果物も買う。ここで妹の携帯に、ウイリーさんから電話がかかってくる。逐一心配してくれるあたり本当によい人である。(それだけ治安が悪いということか?汗)
なんだかんだで合計78ドルちょっと(約7,098円)。かごいっぱい買ってるわりには安いほうである。しかも、70ドル出して、さらに10ドル出そうとする前におつりをくれた。 ![]() う〜〜ん。。。妹曰く、「エクアドル人は計算がかなり苦手」らしい。 さらに同じフロアにあるコーヒーショップにも行く。南米のコーヒーと言えば、コロンビア産がうまいらしいのだけど、せっかくだからエクアドルコーヒーにする。 カラフルなイラストや、きれいな装飾が付いたコーヒー袋は、いかにもお土産用。そんなわけで閉店ぎりぎりまで買い物をした。それにしても…どうしてお客がいるのに、扉を閉めてしまうのか? そこから一旦、JICAの連絡所に向かう。妹とタクシー待ちをしていると、スーッと一台の乗用車が近づいてきて、「タクシー」と言う。白タクのようだが、女性のドライバーとは珍しい。 妹が「女性のドライバーって珍しいね。」と話すと、女性だけのお客しか乗せないのだと言う。やはり男性4人とか乗ってこられると怖いので、「タクシー」とは掲げずに、女性だけのお客を見つけては「タクシー」と声を掛けるのだそうだ。白タクは「怪しい。」「乗ってはいけない。」と言う定石があるが、こういう白タクもあるのだなと思った。 さらにホテルに荷物を置き、みんなでキトの夜景が見渡せるカフェレストランに向かう。もう私は、朝からすでに3回ご飯を食べていて、1ミリたりとも入らないが、お茶でも飲めばいいという。到着した場所は、観光客向けの店で、美術館のようにきれい。おまけにこの夜景は絶景である。(しかしイルミネーションの色合いが単調なのは、やはり発展途上国ならではか?)
やっぱりほとんどお腹が空いてない私は、ケーキと飲み物だけ頼んで、あとはみんなが頼んでいるものをちょっとずつもらうことにする。この店の料理は、本当に量が多く、妹のサラダもまるでサラダボウルそのまま持っていたよう。テイクアウトにしてもらっている人もいた。だが料金もやや高めで、カプチーノと本日のケーキで5.5ドル(約445円)である。
時刻は夜10時頃。また妹と一緒にタクシーに乗るが、あたりは霧がかかっているようで非常に視界が悪い。もし今日が到着日だったら、本当にやばかっただろう。(しかし、変わりやすいのもまた山の天気。)私は、ホテルの前で降りインターフォンを鳴らすが、扉は全く開かない。すかさず妹がタクシーから降りて、スペイン語でなにやら話してくれた。(防犯のためだろう。夜は施錠しており、インターフォンで話さないと開かないようである。)
フロントにいたのは、チェックインした時の男性。何も言わなくても鍵を渡してくれる。部屋に入ると、なんとサイドテーブルのミネラルウォーターが増えていた!!さらにコップまで置かれ、5ツ星ホテルなら、何てことないサービスだがちょっと驚いた。(私がチップを置いたおかげか?) ここのホテルの人たちは、いつでもとても愛想がいい。 ![]() そして、妹から受け取った洗濯物を確認すると、一部足りなかったり、自分のではないのが混じっている。そこで、妹の携帯に電話をしようと思ったがつながらず。あれ?エクアドルの外線電話は、最初に9をプッシュすればいいのではないのか? それでフロントに「携帯に電話するにはどうしたらいいか?」と聞くが、「何番にかけたいの?エクアドル国内は055だよ。」と言われる。それとも、最初に055をつけるのか?いまいちよくわからないので、明日、会ったときに聞くことにした。(翌日、妹に聞くと番号はあっていたので、電話の掛け方自体が違っていたようである。) 今日はたくさんお土産を買ったので、スーツケースの整理をすることにした。その前に、シャワーを浴びるが、昨日よりさらに湯の出が悪い。…というか、これは水風呂に近い。あ〜〜こんな生活してたら、ストレスたまるかも。。と思いつつ、ほとんど水のシャワーを浴びる。あまりに寒いので、ダウンジャケットを着て、荷物の整理を始めた。(シャワーが全く逆効果。苦笑)エドウィンやウイリーさんがくれたお土産も壊さないように持って帰らないと。 明日は朝6時30分に起きる予定である。 |
オタバロの土曜市(7日目・キト)
今日はオタバロ(Otavalo)に行く日。妹が7時30分に迎えに来てくれ、一旦連絡所に集合してから行くようだ。総勢10人の大所帯なので、バスターミナルまではタクシーに分乗して向かう。 オタバロは、キトからバスで約2時間ほど行った山奥にある人口3万8000人程度の町。毎週行われる「土曜市」はかなり有名で、エクアドル観光では見逃せないポイントと言われている。(土曜市よりは小規模になるが、市自体は毎日開かれているらしい。)
到着したのは、とてもターミナルとは思えないような場所。(バス停はあってないようなもので、適当なところでも止まってくれるらしい。)そして、オタバロ行きのバスはまるで観光バスのようで、運賃は1人2ドル。皆、座れたのはよかったが、見事にばらばらである。 余談だが、エクアドルの夜行バスは、車内にトイレも設置されていて、シートピッチも広く、いわゆる機内食のようなものもでるらしい。別に決まっているわけではないと思うが、エクアドルの長距離バス料金は「1時間=1ドル」という感じがした。
キトを出発して1時間30分ぐらい経過した頃、オタバロの街に到着する。どうやら正月明けで道が空いていたようだ。天気は快晴。山間の雰囲気が、いかにもアンデスの街に来たと言う感じである。だがやはり高山なので、あまり急ぎ足になると息が上がる。それでも昨日よりもマシなのは、だんだんこの気候に慣れてきたのだろうか? さて道沿い連なる店は、店舗よりも、むしろ露天商の方が多い。織物や民芸品、南米特有のサンポーニャなどの楽器の他に、野菜や果物、日用品まで売られており、まるでルタのマルサシュロックの朝市のようである。妹たちは何度か来ているらしいが、毎回品揃えが違うのだとか。いつもはペルーや近隣諸国の人たちも来ているらしいが、今日はエクアドルが圧倒的に多いらしい。
そして街のあちこちで、スイスの民族衣装を地味にしたような服を着ている人を見かける。 男性は、白のシャツに白のサンダルで、ヘアスタイルは長い髪をひとつにまとめた三つ編み。女性は白のブラウスに、紺や黒の長い巻きスカートをはき、サンダルも紺か黒。この街に住むオタバロ族で、かなり小柄なのは彼らが純血のインディヘナだからだそうだ。(都市部の人たちは白人との混血が多いようだが、それでも日本人より小柄そうだ。だが不思議なのは、日本人と顔立ちが似ている人がいることだ。アジアの血が入ってるとは思えないのに。)
そして、値段は「最初は倍ぐらいに吹っかけてくる。」と言うが、妹がかなり値切ってくれる。(例えばテーブルクロス18ドルが11ドルまで下がるわけで、本当に値段はあってないようなものである。) …と言っても、日本の感覚から言うと、そんなに高いものはない。特にペンダントやアクセサリーなどは、ほとんどが10ドル以下で、オリジナルの1点ものが多い。…ということは、ここでしか買えないわけで、気軽にぽんぽん買ってしまうのである。(ただし、作りはそれなりなので、ちょっとつけて楽しむ程度である。) インカ文明をモチーフにしたペンダントがあるあたりが南米。何だが不思議な気がした。ピアスも凝ったものがたくさん売られているが、あいにく私はピアスをしない。七宝焼きのようなペンダントとピアスのセットでよさげなのがあり、5ドルで買ってピアスは妹にあげた。さらに、会社の人に頼まれたアルパカのショールを選ぶ。色々探しているうちに、気に入ったものがあったので、自分用にも1つ買う。(バスタオルぐらいの大きさのものでも、1枚10ドル程度である。)
またドリームキャッチャーと言うお守りの携帯ストラップと、カラフルな石を組み合わせたキーホルダーを買う。 ドリームキャッチャーとは、アメリカインディアンのオジブワ族から始まった、輪を基にした手作りの装飾品。くもの巣のような荒い網が組み込まれており、これですべての夢を取り込み、悪夢は捨てて、よい夢だけを届けてくれると言われている。 「10個買ったら、1つ1ドル。」と言うあたり、大量買いの義理土産によさそうだ。しかし、あまりに色んな色がありすぎて、どれにしようか悩む。そして、買うと「細かいお釣りがないから、その分好きなものを選べ。」と言われる。こういうことはよくあるらしい。(ただしこれらのお土産も、空港で買えば1個6ドルだからビックリである。)
さらに、エクアドルにも銀細工が売られているのには驚いた。クエンカのお土産らしいが、銀細工ってどこでもあるのだろうか?そして、ガラパゴスのものも多少売っているが、何かイマイチである。 妹はアクセサリーや、遺跡から拾ってきたような印鑑、そして鮮やかな木の実とか、日本ではお目にかかれないような珍しいアクセサリーのパーツを買っている。(妹は携帯ストラップなど、アクセサリーを手作りする。)さらに、「インド風のバッグ」という南米でも何でもない代物。そんなわけで今日の妹の買い物総額は、物価の高いガラパゴスより多いかもしれない。(笑) とりあえず一通り見たし、お昼近くになったので、レストランに入ることにする。ジュースとワンプレートになった豚肉の定食を注文する。私のはまずまずの量だが、妹のはものすごいてんこ盛り。これを全部食べたら気分が悪くなりそうだ。なぜ同じ店なのに、こんなにばらつきがあるのだろうか?
しかしここで、餞別をくれた伯父さん・伯母さんにお土産を買わなくてはいけないことを思い出す。まだ1時間半ぐらいあるので、早めに思い出してよかった!!そこで2人で色々考えて、バッグやショール、マフラーやテーブルクロスなどを選んだ。 もう特に買いたいものもないので、その後、ちょっとおしゃれなカフェで休憩することにする。どうみても小学生としか思えないような子供がオーダーを取りに来たが、これが日本なら大変な社会問題になりそうだ。エクアドルもまた発展途上国の例に漏れず、貧富の差が激しい。そして、障害者の割合は、国民全体の約30%と非常に高い。
ちなみにエクアドルに派遣された隊員が、一番犯罪による被害が多いらしい。日本で妹のことを心配している伯父・伯母にはとても教えられない話だが、「強盗に遭った。」という話も珍しくない。例えば、場所はエクアドル・第2の都市グアヤキル。時間は夕方で、職場から200メートルも離れていない道。 ![]() さらに夜中、自宅に強盗に押し入られて、後ろ手に縛られたという事件もある。もちろん警察に被害届けは出したが、夜中だったせいでほとんどまともに相手してもらえなかったとか。 いずれも被害は2、300ドルで、命まで取られずにすんで本当によかったと思うが、やはり治安の悪さは日本の比ではない。 治安の問題もさることながら、昨日会ったエドウィンはまだ20台後半だが、彼がまだ記憶にあるころ、エクアドルでは戦争が起きている。(おそらく1998年まで続いた隣国ペルーとの紛争と思われる。) またもう1つの隣国コロンビアとは国交断絶状態で、アンデス危機にもあるように今も一発触発状態。(外務省でもコロンビアとの国境付近は「渡航の是非を検討してください。」となっている。) (あくまで想像だが)この不安定な政局のために、一番費用がかかる軍事費がかなり必要となり、肝心なところにお金が回せないのか?とも思う。だが発展途上国の抱えている問題は根深く、今日明日に解決できるほど単純ではない。 ちなみに妹はコロンビアだけでなく、ペルーへの渡航もJICAに禁止されている。何年か前、日本から派遣された専門家が射殺され、ペルーへのスタッフ派遣は中止になったからだ。そういうことを考えていると、やはり海外旅行は先進国・軽犯罪レベル国の方が気楽だ。(こんなシリアスな話も書かずに済むし。)
時刻はそろそろ3時半近くなり、バスターミナルに戻ることにする。この町には強盗はいないが、スリには要注意だと言う。だから一眼デジタルでも写真を撮りたかったが、荷物をたくさん抱えて落としそうなので、コンパクトデジカメのみの写真となってしまった。 ![]() 乗車して2時間30分ぐらい経ったところで、キトに到着する。時刻は6時前ぐらいか?しかし明日は、今まで以上に早起きしないといけないし、妹はこれから、帰国する隊員の送別会に行くらしいので、私は何か買ってホテルで食べることにする。 そこで、キセントロのショッピングセンターへと向かう。ガラパゴスからの帰り、元旦で閉まっていたところだ。そこのパンがおいしいというので、明日の朝食用にシナモンとチョコレートとオレンジのパンを買う。(しかし3ドルもしない。) さらに今日の晩御飯用に、他店でチキンサンドとフルーツサラダのセットを買う。エクアドルにしては高めの5ドルなので、注文を受けてから1つ1つ手作りするようである。飲み物は部屋に、ミネラルウォーターとジュースが1本ずつあるからいいだろう。 おいしそうなチョコレートを売ってる店もあったが、すでにチョコレートは山ほど買ったし、大体は日本の方がおいしいので買わないでおく。ブランドものや靴などは、アメリカで買ったほうがよさそうである。 高地にも慣れてきたのか?大分息苦しさも無くなってきたのに、明日はもう帰国だ。ホテルに戻ると、まずパッキングを始めることにする。昨日、ほとんど終えたつもりであったが、今日買い物したおかげで、ものすごく荷物が増えている。 みのむちくんに借りた大きなスーツケースいっぱいにお土産を持ってこの国にやって来た。そして、「帰りはありえんだろう。この量は。」と思ったが、結果的にはあまり変わらないのでビックリである。 そして、先ほど買ったサンドイッチを食べるが、味はまあまあ。しかし連日、肉料理がくどいのか?寝不足の日々が続いているせいなのか?こんなもので十分であった。 ![]() さて翌日、ヒューストンでどう過ごすか? ついガイドブックのコピーを見入ってしまう。しかしそれは数時間のフライト中に考えればいいので、シャワーを浴びることにする。今日もまた水しか出ず、しかも昨日より冷たい。 だが、やけくそのようにがんがん水を流していたらぬるま湯が出た。しかし手足は冷えすぎで、ホットシャワーを浴びたい。今回の旅行において、冷え性の私には、これが一番ストレスかもしれない。 だがとりあえずシャワーを浴び、ダウンジャケットを着込んで、荷物の整理を続ける。今回の旅行は、毎日やたら朝早いせいか?どうにも眠くてやっていられない。そして明日はとんでもなく朝早い。高山病にならない様、夜10時30分ごろ眠りにつくが、このホテルもまたフロントへのコール音や話し声がよく響く。 |