洗剤が入った機内食?(2日目・キト〜ガラパゴス)

うつらうつらしながら、早朝5時を迎える。完徹よりはマシ…と言う程度か?
当たりはまだ暗いが、窓越しに早朝のキトを撮影した。(結構ピンぼけしたが、今回の旅行初めてのデジタル一眼使用である。)

キトの夜明け キトの夜明け

キッチンに行くと、妹が作ったというパンに、生クリームとあずきをつけて食べる。とてもエクアドルとは思えない朝食?生クリームは分かるが、小豆も手に入るのか?

今日はこれからガラパゴス諸島3泊4日の旅に向けて出発する。空港まではタクシーで行くのだが、人数は私や妹を含めて5人。2台に分乗するかと思いきや、なんと5人一緒でいいらしい。ただしタクシー代は、ちょっと高めの4ドル。それでもびっくりである。(当たり前だが日本では、絶対許可されない。)

今回、ガラパゴスに行くのは、私や妹、隊員仲間の人たちや妹の教え子カップルという総勢9名。個人旅行にしては大所帯で、これで「○○様(妹の苗字)ご一行様ガラパゴスツアー」となっている。

  集合時間ちょうどに空港に到着すると、妹が今回の旅行を依頼した現地旅行会社「ナウタルーツ(NAUTA ROUTE)」のIさんが来ていた。しかし空港は、まだ早朝6時過ぎだというのに、えらく賑わっている。どうも年末年始に旅行に行くのは、日本だけの習慣ではないらしい。

マリスカル空港で搭乗を待つ人々 私のツーリストカード

ガラパゴスに行くには、まず専用カウンター「INGALA(ガラパゴス開発庁)カウンター」で入島の申請をしなければいけない。10ドルを支払い、入国カードに似た入島申請書と、プラスチック製のカードを渡される。ツーリストカードらしく、大きさはキャッシュカードと同じで、3ヶ月間有効らしい。不法滞在対策として、2007年より購入が義務化されたようだ。(右上が私のツーリストカード。)

しかし妹の教え子Mくんは、ツーリストカードに記入する名前の綴りを間違えられた。そのことを窓口で指摘したが問題ないらしい。ホントか?!(もしこれが航空券なら、絶対搭乗できない。)さらにセキュリティチェックも、厳重なアメリカ経由できたせいか?マリスカル空港はとても緩く感じられる。

私は、荷物は預けないので、搭乗手続きだけで終わる。昨日は少し頭痛と動悸がしていたが、今日はまだ大丈夫なようだ。それにしても…昨日も思ったが、明るい時間帯に来ても、この空港はやはりとても小さい。

チェックインカウンター 空港で搭乗を待つ人々

さてガラパゴス諸島には、バルトラ島、サン・クリストバル島の2つに空港があるらしい。キトからは就航しているのは、国営のタメ航空(Tame)、民間の航空会社であるアエロガル航空(Aerogal)の2社。今回は、タメ航空でグアヤキルを経由して、「バルトラ空港」(Isla Baltra Airport)に向かう。

タメ航空はエクアドルの空軍航空で、国内最大らしい。しかし、今回の搭乗が最初で最後だろうと思うぐらい超マイナーで、どこのマイレージにも所属してないのが残念である。(ちなみにブラジルには、「タム航空」(TAM Linhas Aereas)というブラジル最大の航空会社があり、同じ南米エリアだから大変紛らわしい。)

…というか、今さらながら根本的な話だが、そもそもガラパゴス諸島がエクアドル領だということを、妹がエクアドルに渡航するまで私は知らなかった。

やがて搭乗時間となり、「バスにでも乗るのか?」と思ったら、搭乗機まで行くようだ。なんと!(このエリアを歩かせる空港を初めて見た!)ただし、横断歩道のような表示があって、これを少しでも外れると、とても怒られるんだとか。それならバスで移動させろよ…と思わなくもないが。。

離陸直前 上空からみたキト

機内は、通路をはさんで3列ずつ。ただしシートピッチは、昨日のヒューストンからの便とは比較にならないぐらい狭く、3時間以上は耐えられなさそう。だが、飛行時間はグアヤキルを経由して4時間ちょっと。日本に例えるならば、羽田から大阪経由で沖縄に向かうようなものか?おまけに国内線だと言うのに免税品が売られるし、本当に沖縄のような位置づけである。

離陸してすぐ、見た目お世辞にもおいしいとは思えないパン(チーズサンド)が出た。機内食らしい。
コンチネンタル航空では、散々まずいものを食べさせられたので、警戒気味に眺めていたが…食べると意外においしい。

キト上空飛行中 機内食のパン

しかし、あまりにも狭いので身動きがとれず、収納棚に入れた荷物なんて、とても出せないし退屈だ。とりあえず出来ることと言ったら…カメラのプログラム調整をして、フィルターをつける。そして、経過すること1時間ちょっと…。グアヤキルのシモン・ボリーバル空港(Simon Bolivar International Airport)に到着する。気がつくと、私の動悸と頭痛は収まっているが、低地だからか?

タメ航空のキャビンアテンダント グアヤキルへ
上空から見たグアヤキルの街 上空から見たグアヤキルの街
グアヤキルを離陸 グアヤキルを離陸

グアヤキルはエクアドルの第2の都市。降りる乗客も多いが、また大勢搭乗してくる。さらにグアヤキルと離れるとすぐ、透明なケースに入った食べ物らしき箱を配られる。

なんだこれは?洗剤か?

機内食(右上のヨーグルトドリンクが洗剤のよう。笑) ガラパゴス諸島に近づいていく

…と思ったら、この白い容器(写真右上)は…ヨーグルトドリンクか!!(普通、機内食に洗剤は出さないだろう。苦笑)そして果物とヨーグルト、パンと…この箱はコーンフレーク?箱をあけると、サッカー選手のブロマイドが入っている。さしずめ「エクアドル版ケロッグ」?しかしこれって、本来牛乳をかけて食べるものではないのか??

でも機内食は、さっきのパン1個で終わりかと思っていた。この短いフライトで、2回も出すだけ良心的か?ただし機体は、コンチネンタル航空に比べてぼろく、ところどころべこべこしているが…。

バルドラ空港上空 まもなく到着

さて、到着が近づいて来たので、入島申請書を書こうとするが、電子辞書は収納棚に入れたバッグの中。いまいち内容がよく分からない。「MARITAL」って何だ…?(スペイン語で、未婚か既婚か?の質問らしい。)おまけに、「ガラパゴスでやりたいこと」をチェックする欄もあり、これでは入国カードと言うより、まるでアンケートのようである。

そうこうしているうちに島が見え始め、パルドラ空港に着陸する。あ〜やっとこの狭い空間から開放される!

しかしやたら操縦が荒いのは、空軍航空だからか?妹が言うに、タメ航空には正社員のパイロットがいず、他から雇い入れているらしい。しかもそのパイロットは、遅刻をしてもペナルティがなく、出発が遅れているときは、パイロットが遅刻している…ということがあるそうだ。(だが、それに対して民間企業であるアエロガルがよいかどうか?は不明である。)





ゾウガメの島にやってきた!(2日目・ガラパゴス)

初めて降り立つバルトラ空港は、いかにも離島の空港で、何もなさそうだ。(島自体も、空港以外は特に何もないらしい。)しかもまた、機内のタラップから降りて、バスで移動するわけでもなく、そのまま徒歩で到着ロビーに向かう。さらに、とても空港ビルとは言えないこの吹き抜けの建物は、まるでバリ島を思わせるが、グラライ空港の方が立派である。

機内から降りる バルドラ空港の建物

ここでブースは、外国人と国内人の2つのブースに分かれ、まるで入国審査のようである。おまけに税関カードもある。入国スタンプならず、入島スタンプが押され、隣のブースで入島料の100ドルを払う。(現金しか使えないので要注意である。)

ちなみに国内人の入島料は6ドル。もっと言うと、ガラパゴス行きの航空運賃は、国内人が295ドル(約28,440円)に対して、外国人は412ドル(約39,720円)。なんだかんだで2万円ぐらいの差額がある。

そもそも入島料にせよ、エクアドルの物価からは考えられないぐらい高い。それでもこの島は、世界各国からの観光客が絶えないからだろう。発展途上国では、食費や生活必需品は安くても、観光など生活に関係ないものには、高い値段がつけられるのである。

余談だが妹を始め、協力隊員が持っているパスポートは一般旅券ではなく公用旅券。公務のための旅券だから、渡航可能な国は限られる。妹の場合は、任国であるエクアドルとその周辺国。そして、緊急事態のためのアメリカ。その上、使用期限は派遣期間である2年と決められていて、任期が終了したら返還しないといけないらしい。

しかし空港使用料が免除されたり、大型デパートで安く買い物できるというメリットもあるそうだ。また今回の場合も「国内人」として扱われるらしい。

到着ロビー?というほどのものはない

それはさておき、入島手続きが済むと、次は荷物検査が行われる。しかしX線に通すわけでもなく、目視による検査で、儀礼的なものか?フルーツなどを持ってないか聞かれる。(入島に際して、野菜・フルーツ、生肉、草花の苗・種、そしてペットを含む動物の持込規制があるためである。)そして、キトの空港で、バッグにつけられたタグを外された。

ここで妹は、バッグの中身をえらくジロジロ見られたらしい。なぜなら、私が成田でお土産に買ったおにぎりと信玄持ちを持ってきたからだ。「日本の食べ物だ。」と答えたらしいが、確かにエクアドルの人には不可解な物だろう。そして、信玄餅に至っては「プレゼントか?」と聞かれたようだ。この包装を見たら、確かにプレゼントと思いそうだ。

さらに、荷物を預けた人にはまたチェックがあるようで、国内旅行とはいえ、なかなかめんどくさい。結局タグを外しただけのようだが、ガラパゴス諸島には、「動物に触ったり、エサを与えてはいけない」とか「ガラパゴスの自然を採集したり持ち出さない」など、自然保護のための色々と細かい規則があるのだ。

空港の土産物屋 街に向かうバス

やっと外にでると、ガイドはすでに迎えにきている。ここからまず、隣のサンタクルス島のプエルト・アヨラ(Puerto Ayola)の街に向かう。みんなでバスに乗り込み、さらにフェリーに乗り、またまたバスに乗り、1時間30分ほど経った頃、人が住んでそうな街並みが見えてくる。

プエルト・アヨラはガラパゴス諸島最大の街。ほとんどのホテルもこの街に集中してそうだ。(しかしバルトラ空港からはおよそ42qの位置にあり、意外に遠い。)今日から滞在するホテルもこの街にあるが、まだホテルには行かず、ハイランド地区の観光となる。

フェリーに乗り換える サンタクルス島

まず向かったのは、溶岩トンネル(Lava Tunnels)。山の中のようなところでバスが停まり、「ここでは誰も盗らないので、カメラだけもって下りてください。」と言われる。「ここは見ても見なくてもどっちでもいいのでは?」と思うのが私の正直な感想である。(後からネットで検索してもそんなに情報は出てこないし。)

観光に向かうバス 溶岩トンネル

ちなみにガラパゴス諸島の観光には、必ずネイチャーガイドが同行する。スペイン語と英語の両方を話せるようだが、大変スペイン語っぽい英語である。ただしわりとゆっくりなので、わかりやすい。(だが、今回の旅行の参加者のほどんどが、エクアドル在住の協力隊員。私が英語でいちいち考えるよりも、スペイン語の解説を、後から日本語訳してもらう方が分かりやすかったりする。)

ここでガイドが「皆さん、ここで自己紹介をして、仲良くなりましょう。」と言うが、なんとこのグループは(ガイドを除くと)全員日本人ではないか!地球の裏側まで来て、日本語での自己紹介。(苦笑)ガラパゴスは世界的に知られた観光地だが、日本からは遠いから、あまり来ないだろうと思ってたので驚いた。ハイシーズンだからだろうか?

溶岩トンネル 溶岩トンネル

さらにそこから、ゾウ亀の育成地へと向かう。このハイランド地区はゾウガメ保護区になっていて、自然のゾウガメが繁殖しているらしい。そもそも「ガラパゴス諸島」(Islas Galapagos)の名前の由来は、スペイン語で「ゾウガメの島」である。草原とも山の中とも言えない場所に向かう。

ハイランド地区は草原のよう ほとんど動かないゾウガメ

…岩か?!

と思ったらカメだ!だが、ほとんど微動だにしない。体重は250sもあるが、年は100歳以上と言うから、超おじいちゃんである。(動物の例に漏れず、カメもメスよりオスの方が大きいらしい。)しかし、人が取り囲むとおびえているようで、「1メートル以上近づかないで。フラッシュもたかないように。」と言われる。

どれもこれも道端にごろ〜〜んといるだけで、1日2メートルも動きそうにない。(笑)「おじいちゃん、そんなところで寝ていたら、風邪を引きますよ。」と声を掛けたくなる風情だ。

画面端にゾウガメ またもや年を取ったゾウガメ
ハイランド地区に咲く花 ガラパゴスの木々
しかし周りは誰もおらず。。 カフェのような場所

その後、誰もいないカフェテラスのようなところで一旦休憩となる。コーヒーかお茶の選択があり、お茶を飲んでみると、ハーブティのような味でなかなかおいしい。ただしグレープフルーツはいまいちスカスカでおいしくないが。そして、喫煙者は「こんなマルボロが発売されているのですか?!」と、日本のマルボロで盛り上がっている模様。

脱皮した後のカメの甲羅 街中に戻ってきた

時刻は昼の1時過ぎ。今日はかなり朝も早かったせいか、お腹が減ってきた。しかも、だらだら汗をかくほどではないが、意外に蒸し暑い。予定ではこのあとダーウィン研究所に行くことになっているが、一旦ホテルにチェックインし、15時にまたガイドが迎えに来ることになった。

滞在するのは、プエルト・アヨラの街にあるホテル・カストロ(HOTEL CASTRO)。3ツ星というところか…?部屋はまずまず。ざっと見た感じ。。ガラパゴスには、このレベルのホテルが多く、それ以上もそれ以下のホテルも少なそうである。(後から参加を決めた妹の教え子カップル2人は、ホテルが違うようだ。)

ホテルカストロのフロント 客室(妹と相部屋)

とりあえずみんなで食事しにいくことになる。妹達がガラパゴス諸島を訪れるのは今回が初めてではなく、「去年、この店でぼられた。」というレストランの隣の店に入る。そして、3.5ドルのランチコースとビールを頼む。(ガラパゴスの物価はエクアドル本土の1.3倍というが、それでもこれはかなり安い。)

ホテルカストロのフロント 美味だった海老のスープ

初めて飲むエクアドルのビールは、あまりクセがなくライトで飲みやすい。ランチコースのスープは、「今、3人分しかなくて、20分ぐらいかかる。」と言われたが、30分ぐらいしてやっとでてきた。「海老」と言ったが、まるで形はカニのようで、色合いはかなり毒々しい。魚のフライしかし、よいダシが出ていて、なかなかおいしく、香辛料をちょっと加えるとさらにおいしい。

ちなみにエクアドルでも、タイ料理でよく使う「パクチー」を使うらしい。妹はこれがキライで、何でか?と聞くと「カメムシみたいなニオイがするやん。」と言う。

…で、ちょっと調べると、パクチーの日本名は「カメムシソウ」。考えることはみな同じらしい。(笑)

それで「このスープは2人分、パクチーを入れないでほしい」と言ったら、全てに入ってなくて、パクチーは別途小皿で来た。でもこのスープは、入れない方がおいしいと思う。

次にメインデッシュ。肉料理か魚料理の選択があり、私が選んだのは白身魚のフライで、これはまずまず。

そして、南米には豆の煮たものがつきものらしい。甘くない煮豆だ。ご飯は、日本のものに比べると、ぱさぱさしておいしくないが、まあ食べられないほどではない。。