10.入院2日目(手術当日)・前編(12月9日)

昨日からのひどい痛みに耐え、やっと時刻は朝の6時。手術2時間前を切ると、水分を取れないために、痛み止めがのめず、「あとは、座薬か痛み止めの筋肉注射を打つことになるから。」と言われ、何とか耐えていたのである。

朝もまた浣腸を行うらしく、「早くスッキリしたいと思われるようでしたら、早めに声を掛けてくださいね」と言われていたが、スッキリしたいも何も。。昨日からの私は「痛い」しか考えていない。・゚・(ノД`;)・゚・

「昨日食べたものは、全部吐いてしまったから、お腹の中にはほとんど残ってないよ。」と思った。
(で、実際、浣腸してもほとんど出なかったけど、「お通じが出た。」と言うことが重要らしい。)

そしてやや小康状態になった時に、必死の思いで病院指定のレンタル着に着替え、弾性ストッキングを履き、髪の毛を束ねたが、痛みがひどくてベッドに横たわっていた。(この状況を友人には、「まるでお産の時の陣痛みたいだね。」と言われたが確かに。。汗)7時30分前にみのむちくんがやってきたが、また「痛みのヤマ」が来て、もう耐えられない。ナースコールを押した。

「先生に相談してみます。もうまもなく手術なので、そのままになってしまうかもしれませんが。」と申し訳なさそうに言われたが、痛み止めの座薬を入れてもらった。

すでに手術の30分前だったが、そうでもしなければ、とてもじゃないが手術室まで歩いて行けない。

すると15分も経たないうちに、ウソのようにスッキリ痛みが引いた。その分、手術に対する緊張は高まっていくが、あの「苦しみとも呼べる痛み」と比べたら到底比較にはならない。

病棟の看護師さんに連れられて、みのむちくんと一緒に中央手術室までやってきた。入り口は自動ドアのようになっていたが、インターフォンでの呼び出しか、スタッフのIDがないと入れない様子。すぐ手術室の入り口になってるのか?と思いきや、個人病院のように受付カウンターのようなものがあり、「こちらで座ってお待ちください。」と、みのむちくんと一緒に長いすに座った。

こんなところにクリスマスツリーが飾ってあるところが、少しでも緊張を和らげようという、病院側の心遣いなのだろうか…?

すると4、5人のスタッフがやってきて、次々に自己紹介をされた。麻酔科のA先生は「麻酔科のAです。昨日お会いしましたね。」と。そして、すぐるちゃん(仮名)はみのむちくんに対して「Kと言います。よろしくお願いします。」と言い、(私に)「昨夜は眠れましたか?(^^)」と言われたので、「痛くてほとんど寝られませんでした。(/_;)」と。

ふと手術着を見ると、白地に動物だったり、木だったり、家のイラストが描かれていてまるで幼稚園児のよう。(事前情報で聞いていた)ヤシの木柄よりおもろい!

すぐるちゃん(仮名)、何か似合ってるけど…。笑

しかもドラマに出てくるような手術用の帽子ではなく、全員、不織布のシャワーキャップみたいのをかぶっている。ある意味、面白い光景で、思わず「ぷっ。」と笑ってしまう。(残念ながらまだM先生はおらず。)そして、「迅速病理なし」等々、スタッフ間で最終確認をしていた。

さて、ここから先はみのむちくんは行けない。すぐるちゃん(仮名)がみのむちくんに「手術は11時に終わる予定です。」と言うのを聞いて、「M先生が言ってた時間と違うなぁ。」と思ったが、私には実時間、家族にはあえて長めに言ってるのだろうと思った。

そして、すぐるちゃん、麻酔科のA先生、看護師さんと手術室に向う途中で、昨日の書類のことを思い出し、「サインしたのですが、病室に忘れてしまって。」と、A先生に話すと、「後でいいですよ。(^^)」と言われた。)

これから先はドラマでは省略されるシーン。
よく言われているように、手術室のスペースは意外に中は広く、真ん中に手術台。開腹手術と違うのは、手術台の足元あたりにモニターがあること。

手術台が高いせいか?階段が設置されており、「履物はそのままでのぼってください」と。この無機質な部屋で、みんなが見守る中、自分ひとりだけこの状況って。。。

言い方悪いけど。。ちょっと死刑台に上っている気分でもあった。(そんなことを思ってるから、手術室の看護師さんに「ひどく緊張されていた顔が印象に残っていて。」と心配されたのだろうか?汗)

さらに「着ているものを脱いでください。」と言われて、昨日から座薬入れられたり、浣腸されたり、おまけに出したものまで見られてるわけだから、羞恥心もヘッタクレもないんだけど…、やっぱりこんな大勢(7人ぐらい?)いる中で脱ぐのは躊躇する。

それを察したかのように、看護師さんが私の前で大きな布をもって、隠れるようにしてくれた。そのまま横たわると、一応枕らしきものがあるものの、「すわりが悪い」というか「このままだと、右側に頭が落ちてしまいます。」と言うと、「もう少し下に下がってください。」と。
こんな風に隠してもらいました。その後の病室にて撮影。
そして、「○○つけますね。」とか「シートをかけますね。」と声を掛けられ、血圧計やら心電図、酸素濃度などのモニタリングする計器をつけられ、どんどん準備が進められていく。

A先生に「点滴の指している箇所は見えないようにするんでしたよね?」と言われ、「ああ、覚えていてくださったんですね。ありがとうございます。」と答えた。
*右側の写真が実際の状態(病室にて撮影したもの)

「手術の時の点滴は痛い。」と聞いていたが、そこそこ熟練してそうな麻酔科医(多分30代後半ぐらい)だったおかげか?一瞬にして終わり、採血程度の痛みしか感じられなかった。(だから「痛みに弱い」と言った私を一番最初にしたのかな?と思わなくもない。)

そして、「これでもう痛みはありませんよ。」と。

「今から眠くなる薬を投与して行きます。腕がツーンとしてくるかもしれません。」と言われたが、まったく変らず。頭がぐるぐるしてきた。この感覚は…胃カメラの検査を受けたときにも経験がある。鎮静剤かなと思った。

だが、最後までギリギリまで起きてようと、目を開けていることにした。ふと横を見ると、手術室の壁側に、すぐるちゃんともう1人医師らしき男性が立っていて、私のMRI写真が大きく映し出されていた。これもガイドにしながら、手術を行っていくのだろう。

そして、「普通に呼吸をしていてください。」と、マスクをつけられた。このガスは「くさい。」と言われているけど、全く記憶にない。

麻酔科のA先生の「血圧159からスタートです。」と言う言葉に「ああ高い。。」と思いながら、知らないうちに意識を失っていた。