9.入院初日(手術前日)・後編(12月8日) 結局のところ、熱もないし、感染系の病気も疑われず。「手術には問題なさそうですから、予定通り行います。」と。 そういわれて、「翌日朝一番の手術」と聞いて、ホッとしていた。別に手術によって、症状が改善するわけではないが、麻酔が効けば、とにかくこの痛みから解放される…と思ったからである。 診察後に痛み止めをもらって、ようやく小康状態に落ち着く。しかし、看護師さんには「もし夕食が脂っこいものだったら、ちょっと食べられないです。」と言い、胃の調子がずっと悪かったことを思い出した。 それでもまだ何かできる気分でもないが、「これだけは伝えなければ!!」と、みのむちくんに「朝一番の8時からの手術になったから、7時30分までに病棟に来て欲しい。」と、必死の思いでこれまたcommからメッセージを送った。さらに、手術が無事に終わったら、妹と伯母夫婦(手術することを伝えている身内)と会社には電話して欲しいと伝えた。 この小康状態のうちに化粧を落とし、ピッタリとしたデニムパンツをはいているのもしんどくなってきたので、ルームウエアのパンツに履きかえた。 さらに看護師さんから、「シャワーを浴びる前に、おへその掃除をしてください。」とオイルをつけた綿棒を渡される。(腹腔鏡手術の場合、おへそあたりを切開して、カメラを入れるからと思われる。)その後、看護師さんにチェックされるのだが、見た目できれいになっていたらOKらしい。(よく手術で言われる剃毛の類はなし。) そして、シャワーの時間と夕食の時間が重なってしまったが、明日手術する人の場合、絶対浴びなくてはいけないらしく、シャワーを優先する。 ちなみに夕食は、「鯖の味噌煮とキュウリの酢の物、カボチャの煮付けとすまし汁」とまるっきり病院の食事。だが、この絶不調状態では「よかった〜。食べられる。」と安堵した。(驚くことに、この典型的病院食は「たまたま偶然」であったことが後日発覚する。) 痛みがなくなると、ウソのように平気になるので、地下にある売店に向かった。そこで病院内で使えるプリペイドカードとアイスクリームを買って食べることにした。ああ、もう大丈夫かな…なんて。しかし…そんなに甘いものではないことを思い知る! 今の私の体調では、安易に食べたり飲んだりしてはいけなかったらしい!再び、左脇の痛みが蘇る。さらに、気持ち悪くなって、食べたものも全部はいてしまった。 なんだこの「絶賛病人中」の状態は…?! 実は術後より痛いんじゃないの? いくら「大学病院ドラマのエキストラのつもりだった。」と言っても、こんなに真面目に患者役を熱演しなくても… なんて冷静に思ったりもしたが、痛みの波が来ると何もかも吹っ飛んでしまう。「今、書類を持ってこられたら、ろくに見もしないで何でもサインしてしまうな。」と思った。 そんなわけで昼間、麻酔科のA先生が来られて、「明日、手術を担当します麻酔科のAです。」と自己紹介と手術の説明をされたときも上の空。と言っても、「全身麻酔ですから、一瞬ちくっとするだけで、後は全く痛みなく終わります。」程度なので、そんなに聞いてなくても問題はない。だが、「これに目を通していただいて、もしよかったら協力してください。」と持ってこられた書類も見る余裕もなく、サインを出来る状態ではなかった。 しかし、散々、「つらくて痛い。」と言ってるが、子宮筋腫の症状とは全く関係ないのはもちろんのこと、まだこの時点では、痛いとか怖い検査も治療も何もしていない。 唯一、やったことは、夕食後の小康状態のときに浣腸されたことぐらいだろうか?「5分間がまんしてください。」と言われたけど、3分ぐらいしかがまんできず。でも、この痛みの前には大した問題ではない。さらに「お通じが出たら確認しますので、流さずナースコールしてください。」と言われて、「え?!(出したもの見るの?)」と思ったが、それまたこの痛みの前では大した問題ではない。 まだ何もしてないのにすっかり病人化……。 「病院嫌いの本領発揮」と言うことかと。 頭では納得していても、身体が「病院いやじゃ〜〜〜!!!手術もいやじゃ〜〜〜!!」と思いっきり拒絶しているのだと思った。 さらに看護師さんには何度も「本当に術後の説明は、ご主人ひとりで大丈夫ですか?」と聞かれた。入院説明の際、看護師さんに「みのむちくんが腹腔鏡手術に対して、あまりいい顔をしていない。リュープリン投与のことも知らない。」という話をしたためだ。「ちゃんと話が伝わってるんだ。」とちょっと感心したが、「もし一人では困ると言ったら、いつ説明するのかな?」とも思った。 「主人に言いたくないことありますか?」とも聞かれたが、それでは術後のすぐるちゃん(仮名)からの説明が、いまいちつじつまの合わないものになってしまうかもしれない。「何をお話くださってもかまいませんが、(リュープリンの投与のことなど)知らないことを前提に説明してもらいたいのです。」と答えた。 それで「この話は、術前検査の翌週にK先生(すぐるちゃん)にもご相談しています。」と言ったところで「先生もご存知なんですね。」と納得してもらえた。 それにしても…私が「言わないで欲しい。」と言ったら言わないのか。一昔まえの「家族が医師から話を聞いて、患者本人に内緒にする。」ではなく、この「患者主体の考え」は私はとてもいいと思ってるのだが、どうもみのむちくんは昔の「家族主体」の考えがいいと思ってるらしい。 その辺でも揉めたのだ。「かまいません。」と言ったものの、看護師さんにも何度も聞かれ不安になってきた。 「(私が知らないところで)みのむちくんがすぐるちゃん(仮名)に変なこと言わないといいなぁ。。これがM先生なら全然問題ないけど、すぐるちゃん(仮名)、若いから不安だ。。」(この場合は、「医師の技量の差」と言うよりも、50代半ばのM先生なら、年の功で難なくかわすだろうと。) 今、私の具合が悪い要因の1つは、このせいかもしれない。(/ー ̄;)シクシク ああめんどくさい。。。そして、具合が悪いと、悪い方向にしか考えられないのか? 「もしも手術中に事故が起きて、もしそれが私の意識がない状態だったら…(みのむちくんが)T大病院ともめることだけは、絶対止めてほしいよ。こんなによくしてもらってるのに、訴えるなんて絶対やめてほしい。」「医療訴訟の一因は、コミュニケーション不足に違いない。」なんてことまで考えてしまった! しかし、また痛みのヤマがやってくると… どうでもよくなってしまい、後はすぐるちゃんに任せることにした。 その後も痛みは治まることもなく、小康状態と、のたうちまわりたくなるようなひどい痛みを繰り返す。 しかし、肝心の痛み止めは、6時間以上間を空けないとのむことができないのに、3時間程度しか効かず。おまけにここは消化器内科ではなく婦人科。 基本、対処療法(痛み止めの処方)と様子見の状態で、一夜を過ごすことになる。痛みが引いて、うとうとと眠れたのはほんの1時間程度。 一体私は何科に?何のために入院しているのだろうか…? もう誰でも何でもいいから、この痛みを何とかしてほしい!!・゚・(ノД`;)・゚・ 翌日の手術に対する緊張もヘッタクレもなく、ただただこの痛みから解放されることばかり考えていた。 一応書いておくと、これは2〜3年に1回もおきないぐらいの激しい痛み。「手術前の緊張がなくてよかった。」なんて微塵にも思っておらず、私が「痛みに弱いから。」なんてレベルを超えている。あの苦しみを味わうぐらいなら、緊張の一夜を過ごした方がずっとマシだった…と言うのが率直な感想。 |