5.アポなしの婦人科外来(11月26日) 麻酔科外来受診から数日後、またまたT大病院にやってきた。 …と言うのもこの間の入院説明の中で、「何か気になっていることはありませんか?」と聞かれ、こんなことを話したからである。 「夫が腹腔鏡手術に対して、あまりいい顔をしていない。」 「よって、リュープリンを投与していることも話していない。」 「今、私の体調が悪いのは、子宮筋腫の症状のせいと思っている。」 「そもそも薬が嫌いな夫が、リュープリンの副作用のせいで、服用している薬の量がやたら増えていること知ったら、ますます腹腔鏡手術を反対されそうだから。」 「ご主人はもしかして、開腹手術だと思ってらっしゃいます?」と言われて、「いえいえ、さすがにそれはないです。(^_^;)」と。(いくらなんでも、そこまで大胆なウソはつけない。。汗) だけど手術当日は、みのむちくんが立ち会うことになるだろうから、術後の説明で、例えば「最初は10pだったんですが、○pになったんで楽に出来ました。。」 とか言われて、みのむちくんが「え???何それ?聞いてないよ!」状態になるのがまずい。 「ご主人が先生に対して、何か文句を言ってしまうかもしれないと?」 「そうです。^^;」 「やっぱり事前に(先生に)お話しておいた方がいいですね。気になって、安心して手術を受けられないですよね?」と言われ、「確かにそうだよなぁ。」と思い、予定外に来院するハメになってしまったのである。 看護師さんはその場ですぐに婦人科外来に電話し、「“どうしても手術前に、先生に話しておきたいことがある。”と患者さんが言われているんです。」と、無理やり明日の予約にねじ込もうとしてくれていた。 …が、「明日は予約でいっぱいなので、アポなしできてください。」と言われた様子。 むしろホッとしたのは、「術前検査」と「麻酔科外来」という2回の長丁場の受診で、私はすでに相当疲れ果てていた。なのに「明日も来いなんて無理〜〜〜!!!」と。それに、K先生のみがいる金曜日よりも、M先生もいる火曜日の外来の方がいい。ただこの話は、M先生よりK先生の方が話しやすい。 手術の内容のことならともかく、M先生は教授だから、忙しいのにそんなことで時間を取らせるのは申し訳ないと思ったりするが、「K先生の方が話しやすい」なんて、ちょっと意外な気もした。 …で、麻酔科外来受診の後、婦人科外来に立ち寄ると、「先生に直接お話ください。」と。知ってるわな。。。 しかし、体調いまいちの疲れ切った状態でこのことを考えていると、これが例え、会社から地下鉄で4駅隣の某大学病院だったとしても…気が遠くなりそうだった。。 そんなわけで再び、K先生の外来にて…。(上記のことをもう一度話した上で…) 「夫は、“安全でどこででもできて、確実な開腹手術でやるべきじゃないの?”と言います。」 「でもそれは、M先生がどうの…と言うのではなく、腹腔鏡手術のことを調べたら、“メリットは多いけど、難易度が高く、できる病院は限られていて、執刀医のレベルに左右される。”と書いてあるから不安に思ったのだと思います。」 「だから、夫への術後の説明は、何も知らないことを前提にして話してください。」と話した。 するとK先生曰く、家族への術後すぐの話は、手術中の状況がわかる写真と、とれたもの(筋腫)を見せて説明するので、「●pだった。」という具体的な話はしないらしい。「あ、じゃあ、大丈夫ですね。」と、あまり長々話すのは申し訳ないと思い、ここで話を切り上げようと思ったら…… K先生「一般的に腹腔鏡手術(の定義)というのは、確かにその通りですが…執刀するのは巨匠(M先生のこと)ですから。(^^)」 M先生は婦人科・腹腔鏡手術において、T大病院の看板ドクターとして名高いので、思わず「知ってます。(^^)」と答えた。 「なので開腹手術より安全だと思いますよ。(^^)」 「間違いなく教授(M先生のこと)が執刀しますから。」 (M先生の話が出るたびに、お互いに隣のM先生の診察室を指差しながら話しているのがおかしい。) もしこれが、どこかの医療系ドラマだったら、テーブルには札束が置かれていそうな会話だ…と思った。しかし実際の理由は、私はM先生の受け持ち患者だから…に尽きると思う。(むしろ謝礼金など渡したら、「僕はそんなつもりじゃないから。」と思いっきり関係が悪くなりそう。 ) 「当日は、手術室前でスタッフ全員ずらっと並んで(私を)お迎えしますから。その中にもちろん教授(M先生のこと)もいますから。」とも言われた。これはT大病院の「恒例行事」らしく、「ドラマと現実がまるっきり正反対だ。。」と思った。 さらに私が「夫は“外科医が100人いたら、90人までが開腹手術でやるべきだというと思う”と言うんですよ。」と言うと、「正直なところ、(私の筋腫は)他の病院だと“開腹手術でしかできない”というかもしれません。」と。 「そうですよね。“M先生の(自分が腹腔鏡手術でできると思える)タイミング”で言われているんですから、他の先生が同じことをできるとは限らないですよね。でも、M先生が“できる”とおっしゃっているものを、わざわざ開腹手術でやる意味が分かりません。」 「みのこさんはよくお分かりなんですね。長すぎる位、長く教授と付き合っておられますからね〜。(^^ゞ」 「そうなんですよ。M先生には随分長いことお世話になりましたから。」 そしてK先生もまた、M先生同様話しやすい医師だったので、 「夫は“開腹手術なら、もっと近い病院でできたのに。”とか言うんです。」とか 「私にとっては、よく知ってる先生で、長くお世話になっている病院ですが、夫からしたら“知らない先生で知らない病院”だから、そう思うのかもしれませんが、ここで病院変わるのはバカですよ。」とか 「病院変わるなんて、そんな恐ろしいこと。。」とか、本音をずけずけと言ってしまった。 そしたら、K先生は電子カルテを見て(多分私の住所を見ている)「別に遠くないですよね?」と言われ、「遠くないですよ。」と答えた。(わざわざ新潟県から来ている人もいるぐらいなので、東京23区内に住んでいる私など庭先のよう。) そして、「病院によって得手不得手(な分野)がありますからね。(どこの病院でも婦人科の良性疾患が得意なわけではないと言う意味)」と。(全くもってその通り!)その時、K先生は「腹腔鏡手術で有名なA大学病院(仮名)」の名を出されたが、思わず「そこの看板ドクターのDr.ブラックスワンより、M先生の方が100倍いい先生ですよ。」と言いそうになった。 K先生「わかりました。もし話が出たら、ご主人にはうまく説明します。(^^)みのこさんご夫妻に亀裂が走ってしまいますからね。^^;」 さらに、「正直なところ、夫の立合いなくて、私一人でもよくて、何か問題起きたら、M先生のいいようにしてくださればいいんです。」とか、 「この問題、あまり深く掘り下げると離婚問題に発展する。」とか、余計なことまで話してしまった。^^; ともあれ、みのむちくんが不安に感じてることを理解されたようで、「もしよかったら、別途、時間をとって、ご主人にも手術の説明をしますよ。」とにこやかに言われた。 私はこれ以上、来院するのはしんどいので断ったけど、「僕は火曜日と金曜日ならいますので、何かあればいつでも来てくださいね。(^^)」と。こんなめんどくさい話に長々と相談に乗ってもらった。 すぐるちゃん(K先生の仮名)、いいやつだなぁ!!(^^) もちろん第一印象で「この先生は話を聞いてくれそう。」と思ったのもあるけど、さすが「M先生の助手」だと。きっとM先生に「初対面の患者さんにはきちんと自己紹介しなさい。」とか「患者さんの話はよく聞きなさい。」とか言われてるんだろうなぁ。「うちは年間、手術を**件ぐらいやらせてもらってるんですが。。」と自然にへりくだった言い方ができるのが好印象だった。 だがすぐるちゃん(仮名)にはこうも言われた。 「でもこれは、しなくていい手術じゃないですから。」(「必然性のある手術」という意味。) 「あなたの年齢(40代半ば)で“逃げ切り”は難しいです。」 「M先生には“取った方がいいだろうね。”と言われましたが、きっとそれは“8〜10割方、手術すべきだ。”と思われてのことかと思いました。」と答えたものの、T大病院では「私は“手術の必要性がある患者”なんだ。」と改めて思った。 しかし、他の病院に行けば、「手術してもしなくてもよい。」とか、「自覚症状に我慢できるうちは手術しなくてよい」と言う医師も少なくないことも事実。 それをT大病院の医師が「手術が必要です。」とバシっと言ってしまえるのは、きっと「子宮温存主義」であること。(おそらく、ほとんどの女性は、“子宮全摘”と言われたら、抵抗を感じるだろうから、命に関わらない病気では、医師側もなかなか強く言えないと思うが、温存するなら「悪いところだけ取るのだから。」と、強く言えるのではないか?と。) そして、婦人科の良性疾患の手術のほどんどが、患者に負担の軽い内視鏡手術で行われているからだと思った。 |