8.入院初日(手術前日)・前編(12月8日)

今日はとうとう入院の日。
時間通りにT大病院に着くと、救急受付はさほど混んでおらず、「救急」というわりにはまったりとした空気が流れていた。

手続きを済ませると、さっそく「婦人科病棟に行ってください。」と言われる。病棟のある建物に行き、エレベーターであがると、自動ドアになっており、その先にカウンタがあって、どうやらナースステーションらしい。「今日から入院することになっております…」と研修医らしき人に声を掛けたつもりが、実は男性の看護師。ホントにいるんだ!

早速病室に案内された。
まずオリエンテーションとして、病棟内の説明をするので、時間になったらディルームに来て欲しいと。病室にはベッドが6つあり、私以外のところは、全部カーテンが閉められている。持ってきた2つのカバンは、とりあえずロッカーにしまった。

そしてデイルームに行くと、私とみのむちくんの他に60代ぐらいの夫婦がいた。一緒に看護師さんについて病棟を回り、トイレやお風呂の場所、身体を拭くタオルが置いてある場所等の説明を受ける。

最後にナースステーションで「シャワーの時間は何時がいいですか?明日は手術の方が多くて、この時間しか空いてないのですが…」と聞かれ、「18時30分でいいです。」と私が答えると、一緒に説明を聞いていた年配の女性に「あら?奥様の方がご病気なの?」と。

うーん。。この人の頭の中では「病気は夫、妻・看病」の図が出来上がってるのだろうか?

この階は泌尿器科の病棟もあるし、泌尿器科って、男性における「女性の婦人科」みたいな存在だからそう思ったのか?でも、泌尿器科でも女性患者はいるし、「婦人科が同じフロア」というのを忘れてるんじゃないか?どうでもいいことだが、ちょっと考え込んでしまった。

病室に戻ると、異常なぐらいの静けさに馴染めず。
みのむちくんには「明日の手術の時間はまた連絡するから。」と言って帰ってもらった。リストバンドのおかげですっかり患者気分に。。

何か…もうすでにかなり疲れた。。。(ノ_-;)ハア…

さっき廊下で見た女性患者の病院着の後ろに血がついているのをみて、ため息をつきそうになった。(後に、「手術翌日で看護師さんに付き添われて歩行していたのだ。」と理解した。)

とりあえず室内履きに履きかえたが、まだ、着替える気にもならず、病院にきたままの格好で、荷解きをする気にもならず。。何となく手持ち無沙汰でいたたまれない。。

そうこうしているうちに、昼ごはんの時間になる。病院の規則としては、ディルームで食べてもいいらしいが、今日が初日のせいか?「病室で食べてください。」と言われる。

看護師さんがやってきて、さっそくリストバンドを付けられた。私の名前、患者番号の他に、バーコードから私の情報が確認できるようになっているらしい。表示された情報を見せて、「生年月日はこれで間違いないですか?」と聞かれた。

毎回、これで患者の取り間違いがないか?確認するようだ。さらに「これを読んでサインをしてください。」とA4サイズの書類を1枚渡された。

私の治療計画表で、「病名・子宮体部筋腫」「症状・子宮筋腫」「手術内容及び日程・2013年12月9日腹腔鏡下子宮筋腫核出術」「推定される入院期間・1週間とあった。

日付を見ると12月6日。一昨日、すぐるちゃん(K先生の仮名)が作ったのかな?

主治医はすぐるちゃんの捺印がされており、主治医以外の担当医はM先生、そして同じく内視鏡専門医であるZ先生の名前もあった。つまり私は「内視鏡チームの患者」と言うことらしい。(担当の看護師さんの名前もあったが、半日ごとに変るので、あまり意味はなさそう。)

初日の昼食・カレーうどんとトマトサラダ そして昼食が届けられ、「さっそくですが…」とリストバンドと名前を確認された。

しかしカーテンに囲まれた薄暗い中でご飯を食べていたら……すごい閉塞感。。(ちなみに私は閉所恐怖症ではない…というか、むしろ狭いところの方が落ち着く。)

ああ、やっぱり私は病院が嫌いだ!!!

気持ちと身体はまさに一体化しているのか?昼食後あたりから、だんだん左脇のウエストあたりが痛くなってきた。多少の痛みなら、そのまま放置しておくが、無視するにはあまりにも痛い。

「これは言わないとまずいかも…。」と思うほどひどくなり、初日からいきなりナースコールを押すハメになる。「環境が変ると調子が悪くなる人がいますから。」と言われた。

そして「明日の手術までの段取り」を説明されたが、どうやら私は朝1番目の手術となった。(何となくそうなるような気がしていたけど。。。)だが、まるっきり上の空。

「手術で何か不安なことはないですか?」と聞かれても「それよりも痛くてたまらないです」と。正直なところ、座って話を聞いているだけでもしんどいぐらいだった。

おまけにだんだん気持ち悪くなってきて、「吐きそうです。」と言うと、小型の洗面器みたいなものを用意され、先ほど食べた昼食も吐いてしまった。「いつもこういうことはよくありますか?」と聞かれて「いやあ。そんなに。。」と思いつつ、多分、胃の調子がすごく悪いのだろう。

ものすごく強烈な胃痛のようにキリキリと痛む。
時に唸りたくなるぐらいの痛みになり、手足が凍るように冷たくなったり、脂汗が滲むように暑くなったり、体温も激しく変動している。早いうちに荷物の整理を済ませておいてよかったと思った。

しかし、診断はやはり看護師さんの範疇ではないらしく、「先生を呼んできます。」と、いきなり当直の婦人科医の診察を受けることになる。

「痛いのはどこですか?」と、軽くその箇所を叩かれ「これはひびきますか?痛いですか?」と言われたが、特に痛みを感じず。どうやら、尿道管結石を疑われたらしいが、そうでもないらしい。

そして、「筋腫の位置はどのあたりかわかりますか?」とも言われたが、これまた全く違う場所。どうもリュープリンを投与すると、筋腫が変性しやすくなるらしく、強い痛みが起きることがあるらしい。「筋腫の変性」と言うのは、急に大きくなってしまって血液不足が起きたり、閉経後にホルモンバランスが変化したりすると起こる。(私の場合、「偽閉経状態」にしているから、後者に当てはまるのかと。)

筋腫が変性してしまうと、細菌感染しやすくなり、炎症などが起きた場合は投薬で抑えるが、効果がない場合は手術。しかし私の場合は、どのみち明日手術なのだから、「尿道管結石の方が厄介だな。」なんて思った。(しかし、ウワサに聞いていたこの「変性」。「でかくなると子宮筋腫もバカにできないな。」と思ったことの1つでもある。)