11.入院2日目(手術当日)・後編(12月9日)

そして私は、病棟のベットで爆睡している夢を見ていた。。

気がつくと、3人ぐらいの男性の声が聞こえてきた。そのうちの1人は「M先生だ。。。」と意識はあったが、全く声が出せない。(おそらく全身麻酔でまだ気管挿管されていたため。)「返事が出来ない。」と思っていたところを見ると、多分「終わりましたよ。」とか言われたんだと思うが、その辺の記憶は全くない。

ドラマにあるように「せーの!」と声をかけ、手術台からベッドに移されていることが分かった。「これから病棟に戻りますからね。」とか(廊下を移動しているので)「ちょっと響きますよ。」とか言われたが、寝ている状態で「動く天井」を見ていると気持ち悪くなりそうだったので目を閉じていた。

しかし、手術を受けていたことなどすっかり忘れ、まだまだ眠くて、ほとんど寝ぼけている状態。病室に戻ってきて、腹部に切り傷のような痛みを感じて、「あああ〜手術だったんだ!」と思い出した。

(麻酔も切れてきたし、昨日の)激痛がまた戻ってくるの〜〜〜?!(涙)

…と思ったのもつかの間…
(多分、「痛いです〜。」とか言ったんだと思うが)点滴を通じて投与される痛み止めのおかげで、たちまち痛みは引いていった。 ただし、何だかトイレに行きたいような違和感を感じ、きっと手術中に尿管を入れられたせいだと思った。

その後、定期的に看護師さんによる血圧、体温、脈拍の計測や、婦人科医の回診があって、「お腹の傷見せてください」とか言われたが、寝ているところを起こされているようなものでされるがまま。

具合が悪くて寝ていると言うよりも、眠くて眠くて起きられない。よく全身麻酔から醒めた後は、「ひどく寒く感じる」と言うが、私は何も感じず、むしろ電気毛布が暑かったので、すぐに取ってもらった。

そして、どうも私は手術中、左側に傾けられていたのか?おしりの左側が赤くなっていたようで、しばらくクッションをあてがってもらっていた。そして看護師さんに「寝返り打ててますか?」と言われたが、ずっと爆睡していたのでどうだかよく覚えていない。多分1時間に1回ぐらいはやってたんじゃないかと。

痛みも感じず、よく寝られて、ある意味……
この入院生活の中で、最も幸せな時間。。( ̄▽ ̄)

午後3時か4時ぐらいになって、やっと意識がはっきりしてきた。しかし、痛みも吐き気も頭痛もなく、誰に聞かれても「あ、全然平気です。」と。(もちろん、痛み止めが効いているおかげもある。)むしろ退屈だったので、スマホいじってあちこちに「手術終わった。」とメールし、驚かせていたぐらいだった。

この「痛み止め」は、点滴と同じルートから入るようになっているが、自動ではなく、痛くなったら自分で自由に追加できるというもの。これだけで大丈夫なのが、さすが腹腔鏡手術だと思った。

だがちょっと調べてみると、「フェンタニル」という医療用の合成麻薬で、効果はモルヒネの100〜200倍らしい。

開腹手術の場合、これに「硬膜外麻酔」も追加しているのだから、「現代の手術(術後)は痛くない。」と言うのもなるほど…と思った。ただ、点滴の刺した箇所が「ちょっと痛い」と言うと、どうも骨に当たっているせいかもしれないと。

術後の点滴点滴が刺してある箇所を、見えないようにしてもらっていたガーゼも「このままの方がいいですよね?」と言われて、「はい。」と答えた。(あのガーゼを外した瞬間に「うわーー!!」って引っこ抜きたい衝動に駆られたので、本当に隠しておいてもらってよかったと思う。)

それで、すごく痛くなって、腫れてない限り、このままにしておいて欲しいと言われ、刺し直す方が痛そうなので、「まあいいや。」と思った。

夕方ぐらいになり、ぞろぞろとたくさん引き連れて医師がやってきた。でもM先生でもなく、もう1人の産科の教授でもないこの医師は一体誰なんだろう…?

ただ、大勢で入ってくるわけではなく、カーテンからちょっと覗いて「体調はいかがですか?」と話しかけられるだけなので特別気にならなかった。

T大病院で唯一、「大学病院だな。」と思った瞬間である。病室を出て行ったあとも、廊下で色々話をしていたらしいから、「教授回診って、結局のところ、学生(あるいは研修医)のためなのかも?」と思ったりした。

術後のみのむちくんに対する説明によると…、切除した筋腫は4つ。2つのでかい筋腫が、私の子宮にこぶとりじいさんのようについていたのと、(多分、リュープリンで)ミニサイズになった1個。

さらに(MRIには映ってなかったが)もう1つ小さいのが子宮の中にできていて、それを取って子宮を縫った。(「中ってどこのこと?」と思ったが、みのむちくんに聞いてもよくわからず。)

こういうのがたくさんあると出血量が多くなるが、私の場合1個のみ。おかげで出血量は50tと少なかったので、特に輸血はせず。しめて400g。みのむちくんは細かく切り刻まれた筋腫を見せられた上に、なんと!触ったらしい。(もちろん、ビニール袋ごしだけど。)

触らせたんか?!すぐるちゃん!!w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
(同じ時期に入院していた人のご主人は、そんなことなかったそうなので、T大病院の方針ではなく、すぐるちゃんの判断のよう。)

「筋腫には柔らかいものもあれば硬いものもあります。」と言われ、私の筋腫は硬くて弾力があり、「ゆでた鳥のささみみたいだったよ〜。ヾ(@°▽°@)ノ」と。そして、「こぶだらけだった子宮は元の大きさに戻った。」と言うことらしい。

麻酔がよく効いたので、早く始めることが出来て、予定の11時より早く、10時15分ぐらいに終わっていたらしい。(…ということは、「緊張度合い」と「麻酔の効きやすさ」は何ら無関係のよう。)

さらに「(私の筋腫は)長い時間をかけて、ここまで大きくなったのだから、この先また子宮筋腫で手術する可能性は低いと思います。」と言われたのだとか。もちろん再手術なんて、絶対ないほうがいいのだが、筋腫の成長速度は変るのが常。それを聞いて、ちょっと意外な気がした。

ちなみに、術後は血圧も安定してきたが、昨日など最大級に痛いときはなんと170越え。(正常値は135以下です。)緊張はもちろん、どうやら、ひどい痛みを感じる時にも上昇するらしい。

みのむちくんには「気分によって、こんなに血圧が変ってしまうなんて困っちゃうよね。」と言われたが、私は気分で変るんだよ!でも、私の意識も体調も落ち着いているのでみのむちくんには「帰っていいよ。」と言った。

その後、すぐるちゃんがやってきて「教授(M先生のこと)がバッチリ(手術)やりましたから。(⌒-⌒)」と。やはり頭痛、吐き気、痛みのことを聞かれ、全く無症状。「そのぐらい元気なら、予定通り退院できそうですね。」と言われた。(みのむちくんには退院は土曜日でも日曜日でもよいと言ったらしい。)

そーっと自分の下半身あたりを触ると、尿管だけがあって、私の太ももに紙テープでしっかり付けられていた。通りで日勤の看護師さんが、「これを止めなおしてから帰りますから。」と言われたのだ。(尿管がベッドで外れたら大惨事。汗)特に他に管はなく、ドレーンなどはしないらしい。

…でずっと寝ていると、どうしても病院着の足元がはだけてしまうので、看護師さんが直してくれるが、あまり意味はない。ただ「暑かったら、(ふとんを)かけないで寝ていてもいいですよ。」と言われても、術後すぐなんて、誰がいきなり来るか分からない状態。さすがにその羞恥心は残っていた。

しかし、今日はこのまま起き上がることもできず、ずっと寝ていないといけないらしい。朝一番の手術で、その後、昼過ぎまで寝ていたせいか?目が冴えて眠れなくて退屈。。。

「水はまだ飲めないのですか?」と聞くと、「ガス」(つまりおなら)がでないとダメらしい。

だけど一度、間違ってナースコールを押してしまい、「すいません。間違えて押してしまいました。」と言うと「今日、腹腔鏡手術されたんですよね?うがいします?」と、氷水の入った紙コップを持ってきてもらえた。「間違って押してよかったね。(^-^)」と。冬場であまりノドが乾かないせいか?これでかなり気が済んだ。

だけど、苦痛がないと言うのは、なんと幸せなことか!(;∇;)

「痛いー痛いー」とのた打ち回るような痛みと吐き気で、数時間ごとしか痛み止めを服用できなかった昨日の方がまるで術後のよう。…というわけで「できるだけ簡素に行きたい」と言われたM先生の思惑通りなわけで、「さすがは先生」と思わなくもない。