16.退院日【術後5日目】(12月14日)

昨夜も左脇の腰あたりに痛みがでて、「この痛みが治まらないと、絶対うちまで帰れない!」と思うほど。おまけに朝方も痛みどめをもらった。今日は退院の日だというのに。

ただこの痛みには波があり、もしかしたら昨日ずっと座りっぱなしでパソコンをやってたのもよくないのかもしれない。「そんなに痛みが出る人は珍しい。」と言われたが、術前左側ばかりひどく凝っていて湿布を貼っていたことや、手術直後も左側のお尻が赤くなっていたことを思い出した。

そんなわけで、痛み止め(ロキソニン)を10錠処方されての退院。(しかも私の場合、胃が弱いので、6時間おきではなく8時間おきにした方がいいと看護師さんに言われた。)

だけど振り返れば…、手術の傷ではなく、直接関係ない痛みとばかり戦っていたような…。(^_^;)「入院生活はタイクツだ。」とよく言うが、予想外に、かなり真面目に病人していた。

入院初日の術前も正体不明の痛み(多分、強烈な胃痛)に苦しみ、術後翌日は全然元気だったが、その日の夜中から、左脇の腰辺りが痛み、一番ひどい時は、脂汗がでるほどで…とにかく痛みに翻弄された1週間だった。…と言う意味では、お見舞いに来てくれたのが一人だけでよかった。(^▽^;)

おまけに胃腸が悪いところに、痛み止めを多用したおかげで、さらに胃が荒れてしまった!おかげで今も食欲が全くなく、特に脂っこいものが食べられない。

「手術した後は、身体が回復するためにエネルギーが必要だ。」
なんて考えは一切思い浮かばず、
献立表を見て、「なんでこんなにカロリー摂取しないといけないんだろうね。寝てるだけなのに。」と真面目にほざいていた。

でも、痛み止めだけでなく、胃薬1週間分処方されての退院だなんて。。。ひとえに「病院嫌いのストレス」だと思うのだが、一体、何科に入院したんだか。。。( ̄▽ ̄;)まーこんなもんでしょって体調で、朝から荷物を片付けると、なんだかちょっと疲れた。

そして、「もうすっかり片付けられましたね。(^-^)」と、今日も朝からすぐるちゃん登場。

あと2、3時間ぐらいしたら、退院してしまう患者のところへも来るとは思わなかった!結局、すぐるちゃんは入院当日の日曜日を除いて、毎日病室にやってきた。マメだなぁ!(しかもすぐるちゃんは、他の病院の外来もいくつも掛け持ちしていて、かなり忙しいということを退院後に知る。)

「リュープリンの効果が切れた後の生理は、生理痛がひどかったり、出血が多かったりして、重くなる傾向になります。」と言われたので、「投与する前はどっちかというと少なかったですね。もうトシかなぁと。(^_^;)」と答えたら「それを言っちゃ、おしまいじゃないですかぁ!(^▽^)」と明るく言われた。

「あはは。そうですね。」と言いつつも…
すぐるちゃん、答えづらいことに答えてくれてありがとう。(笑)
こういうとき、明るい性格の医師はトクだな。

そして、「(女性は)生理来そうだなって、自分で分かるみたいですね。」と言われて、「そうですね。」と答えたが、「そっか、すぐるちゃんはそういうことも知らないのか。男性だし、M先生と違って産婦人科医としてのキャリアも浅いしなぁ。」と思った。

「今後は体調を見ながら復帰してください。」

特に「○日ぐらい休め。」とか、具体的に言わなかったが、以前M先生から休養期間のめどを聞いていたので私も聞かなかった。そして、すぐるちゃんの去り際、「M先生にもよろしくお伝えください。」と慌てて言った。

ああ、思い出してよかった!
ここで言わなかったからと言ってどうというわけではないが、言わなければ、私的にはものすごく後悔しそうだった。

そういえば結局、M先生の教授回診はなかった。
もしかして……「僕、そういう仰々しいの、好きじゃないんだよね。○○先生、代わりにやってくれないかなぁ?」「え?!私が…ですか?はあ…分かりました。」なんて、充分考えられる…。だって、M先生の教授回診なんて、なんか想像できないし。
入院5日目の朝ごはん
その後、医療費の請求書が届けられるのを待ち、いつも通った外来がある建物ではなく、T大病院で一番新しい場所に行き精算をした。入院初日に来た救急外来のある建物だが、今は心に余裕があるせいか?大きなクリスマスツリーが飾られていることに気付いた。(この辺にもこの病院のホスピタリティを感じる。)

請求額は、入院前に医療費限度額適用の申請を行っていたせいもあるけど約9万円。(先に全額クレジットカードで支払い、後日申請した方がマイルが貯まって得かな?…なんてせこいことを考えたが、めんどくさいのでやめた。)

同じT大病院の婦人科で手術した人が「悪いところを治してもらって、ご飯も三度三度出してもらって、この金額は安い。」と言ってたが、私も率直に言って安いと思った。

この領収書を持って婦人科病棟のクラークさん(事務スタッフのこと)のところに行き、「請求額に間違いないか?」チェックをしてもらった。これで事務手続きも終了となるが、診断書の作成依頼をし、次回の外来時に受け取りたいことを話すと「作成には1カ月頂いてますのでギリギリですね。」と。

ただし「主治医の先生は誰ですか?」と言われ「K先生(すぐるちゃんのこと)です。」と答えると、「ああ、K先生だったら、ちゃんと(期日どおりに)出来てると思います。」と。期日を守る医師はいつでもちゃんと守るが、ダメな医師はいつもダメらしい…ということか?(^_^;)

「もし次回の外来時に出来てなかったら、先生にプレッシャーを与えてください。

え…?!マジか?どうやって?!w( ̄▽ ̄;)w

そして、いきなり今朝、睡眠導入剤の処方をお願いしたもんだから、薬が届くまで病室で、昨日手術した隣のベットの方と話しながら待つことにした。今日は退院する人も多く、なんと14人もいるらしい。思えば私の入院はたった1週間だったが、それでもいつの間にかこの6人部屋で一番古株となっていた。びっくり!

「みんな、いつまでもこんなところにいちゃいけないよね。」とヘルパーさんに言われて、まさにその通りだと。

いよいよ退院となり、看護師さんがやってきて、忘れ物がないかのチェックあり、エレベーターホールまでお見送り。もし私が子供の頃、こんな病院にかかっていたなら、ここまで病院嫌いにならなかっただろうと思うほど、本当に至れり尽くせり。

だけど、薄いカーテンひとつで中途半端にしかプライバシーを保たれていない病室は、まるで往来の真ん中に置かれたベッドの上で寝ているようで落ち着かない。物音ひとつ立てるのも気になるし。

だからどんなにいい病院だとしても、うちに帰りたい。這ってでも帰る!!と。

しかし、病院から一歩外の世界に出て見ると…、「下界」と言う言い方がしっくりきて、今までのことがまるでのようにも感じられた。

あれは本当に現実の出来事だったのか…?と。

でも……この病院で本当によかったと思う。