4.「たかが筋腫の手術」と言われたくない!

手術に対して、「よく考えて。」と言われて1か月ほど経ったが、相変わらずモチベーションがまったく上がらない。

もしかして「他の医師の意見を聞いてみたら納得できるのか?」と考えたが、仮に「さほど気になる症状がなければ、経過観察を続けてもいいでしょう。」と言われたら…それでもやっぱり「取った方がいい。」と言うM先生の診断を気にすると思う。

結局、何人の医師に会っても、先生の診断の重さにはかなわないだろう。…と思うと、「セカンドオピニオンで高いお金をかけるだけ無駄。」と思った。その中で、いやな医師にあったら、さらに心がくじけそうだし。(でも基本的には私、「セカンドオピニオン推奨」です。)

*色々ネットで調べてみると、「さほど症状がなければとことん大きくなるまで放置しておいてもかまわない。」という考えと、「ある程度の大きさになったら、それが閉経後だろうが、必ず弊害が起きるから取るべきだ。」と言う医師がいて、どうやらM先生は後者のよう。そして後者は「子宮温存派」で、内視鏡手術を積極的に行っている医師が多いような気がした。


しかしある日の夜、いきなり腰痛(正確に言えばおしりのすぐ上)が起きた。それが今までのように「注意していれば分かるが、気にならないと言えば気にならないレベル」ではなく、無視できないひりひりした痛み。

「これがあと数日続くなら、病院(整形外科)行こうかな…。」

え?整形…??

いやいや、これはまずT大病院(婦人科)で相談だろうと。私の筋腫の場合、過多月経や不正出血ではなく、頻尿、便秘、腹痛、腰痛の症状の方が出やすいと思う。(大体、整形外科は無力だから嫌いだ。←11月末の捻挫の経験からの実感)ともあれ、しばらく様子を見ることにした。

さらにこの1週間後、「生理が来たなあ。。」と思ったら、まるで軽いぎっくり腰のような痛み。これはまた子宮筋腫のせいなのか?それとも違うのか?よくわからない…と思っているうちに治った。

しかし、今度は腰痛は「痛み」ではなく「しびれ」となった。おしりの辺りがずっとしびれてる感じで、痛くはなく、日常生活に不自由はないけど、何とも言えない不快感。

しかも、いつまで経っても治らないどころか、ゆるやかに悪化している気がする。今までの頻尿や腹痛などは、「なんか変だなあ。」ぐらいの感覚だったが、これは子宮筋腫があることを知らなくても、「おかしい。」と思えるほどハッキリした症状だった。

そんなわけで。。
「気になるのなら、外来の予約(6月上旬)を繰り上げて先生に相談すればよい。」と思うのだが、行けば行ったで「やっぱり取った(手術した)方がいいよぉ〜。」とやんわりと勧められるのは8割がた想像でき…。それが病院に電話することをためらわせている。とても優しい先生なのに、それでもためらうよわよわな私…。。。

ネットをさまよったり、悩んでいる気持ちを投稿したりしてみた。しかし、他の人のアドバイスも理解できるが、ただ頭の中を通過して行くだけで、何だか無駄なことをしている気がした。しかしそれでも、「手術は絶対イヤだ。」と言うわけではなく、「なんか気が進まない。」と言うのが正確なニュアンス。

「なぜ気が進まないか?」をずっとずっと突き詰めて考えてみた。。
答えはただ一つ、私が「痛みに極端に弱い体質」だから。

私は注射1本ですらイヤで、義務化されていない予防接種は全て回避し、採血など、避けられない状況では絶対に直視しない。(じっと見てると痛みが増しそう。)さらに歯科(しかも無痛治療)では「歯医者さんが怖いです。」と自己申告した上で、えらい気を使われながら治療を受けている状態。そして、白衣を見ると血圧が上がり、健診では必ず測り直しさせられる。

おまけに「血」がダメで、ドラマやアニメ手術シーンですら直視できず、サスペンスだって血まみれの死体が出るので見られない。もっとハッキリ言ってしまうと、私にとって病院は「嫌なこと満載」の場所。

そんな私が手術・入院だなんて、まるで悪夢のよう。。。これが「なんか気が進まない。」の正体らしく。。

全然平気な人からしたら、「何をバカなことを!」と笑われるかもしれないが、歯科治療の後、(麻酔が合わないとかそういうのではなく)具合が悪くなったり、背中と額に汗が滴り落ちるぐらい緊張してしまう私には深刻な問題だった。

自分が思っていたよりも、ずっとずっと深刻で根が深いことを知った瞬間。。。。。

手術するなら「今のうち」の方がいいことも、ここまで大きくなった筋腫は、いずれにせよ手術を回避できない可能性が高いことも言われなくても十分わかっている。(巷で言うと、私の筋腫は立派に「巨大筋腫」と言うらしい。汗)…というか、今の状態でもすでによろしくないことも十分分かっている。

だがこの恐怖は、到底理性では抑え切れるものではなく、それが心の葛藤を生み出している。(もちろん「命に係わる。」とか「手術以上に耐え難いひどい症状がある。」と言うならまた別。)


しかしながら、わが夫みのむちくんに話しても、全く理解を示さない…というか、そもそも「医療」に関して、私とみのむちくんでは果てしなく価値観が違う。

例えば「T大病院は遠いから(実際は近くもないけど遠くもない)、もっと近いところにしたら?」とか「T病院が近くてキレイでいいよ。」とか言うけれど、今の病院に不満があるならともかく、私は他の病院なんて恐ろしくて行けない。…というか、信頼する先生が「手術した方がいい。」と言うから悩んでいるのであって、初診の医師が同じことを言っても、私は即座に断ったと思う。

おまけに「手術なんてどこの病院でも変わらないよ。」と言うが、決してそのようなことはない。長きにわたる信頼関係と、M先生の人柄や技術を考えたら、転院なんて絶対考えられない。(…というか、この話を友人にしても、ほとんど「私なら転院しない。」と言う。そのぐらい産婦人科は特殊な科である。)

根本的に医師嫌いな私は、(医師に対する)好き嫌いが激しい。もし手術するなら自分が信頼する医師でないと絶対に嫌なのだ。

大体、うちの近所の病院なんて、調べたら。。
婦人科外来すらないやんっっ!!(ーー;)
もしかして、婦人病なめてる???


おまけに、(医師も病院もこだわらず)「とにかく早く手術すべきだ。」とか
(緊急性のない病気であることをいまいち分かっていない。)

「世の中にはもっとたいへんなことがある、手術なんて大したことない。」とか
(去年の相続の問題の方が100倍大変だと思うけど、ほかの事と比べられたくない!!!)

「こんな手術、盲腸ぐらいのものだよ。」とか
(いやいや、腹腔鏡手術であっても、お腹の中の傷はもっと大きいわけで、一緒にされたらかなわん。)

「もし、もっと大変な手術を受けることになったらどうするのか?」とか
(この先、あるかないかわからない出来事より、今のことが重要!!そんな非現実的なこと言われたくない。)

言われたくない〜〜!!!!ワァ〜!。゜(`Д´)゜。ワァ
もとから子宮ない人に言われたくないよ〜〜!!!ヽ(`Д´)ノ ウワァァァ

本人は励ましてるつもりだと思うが、私からするとまったくの逆効果!このままいくと、例え本心でなくても「手術なんて、絶対やらない!」(ちょっと大げさだが)「そのせいで死んでも本望!!」と売り言葉に買い言葉で言ってしまいそうになり、「二度と相談するものか。」と思った。


結局のところ…
このよくわからない症状も、自分の心の中の葛藤する気持ちも、「とにかく先生に率直に話してみるのが一番だ。」と言う結論に達した。そんなわけで4月下旬…仕事が暇になり、思い切ってT大病院に電話してみた。

「気になる症状があって、先生に相談したいので、予約を早めてもらいたいのですが可能でしょうか?」

電話に出たのが看護師さんでもなかったから、詳しく話さなかったが、「大丈夫ですよ。」といとも簡単に変更された。完全予約制とはいえ、病院だから当然と言えば当然なのだが。

しかし、来院が予定よりも1か月早まったのに、意外にすっきりした気持ちになったのは、手術を勧められることよりも、「一人で考えても堂々巡りの繰り返してしまう状態」がしんどかったのだと思った。