4.子宮筋腫核摘出手術を考える(8月22日〜28日)

この日、仕事から帰った私は、さっそくIクリニックで言われたことを、みのむちくんに伝えた。 自覚症状もない、貧血もないという状態では、結局「子供が欲しいか、欲しくないか」という問題にぶつかる。

実は、私はあまり欲しくないのだが、自分1人で決められる問題ではない。(みのむちくんは子供が欲しい。) 私は今34歳。 今すぐ妊娠しても、出産時には35歳。昔で言うところの高齢出産である。手術をした場合、3ヶ月から1年ぐらいは妊娠不可となる。

それでいくと、出産時には36〜37歳。 もし、筋腫がなかったとしても、出産するのだったら、そのぐらいまでには思っていたので、同じである。だから、子供が欲しいと思ってから、手術するのでは遅いと思った。

経過観察をしてもよいとも言われたが、筋腫の成長にはエストロゲンというホルモンが関係しているため、生理がある限り大きくなる。

私の場合、閉経まで少なく見積もっても、15年はあると思う。そこまで、筋腫を持っていられるとは、とても考えられない。

つまり、何も解決になってないわけで、ただ大きくなるのを見守るだけである。ヘチマの観察日記じゃあるまいし。(苦笑) そして、子宮筋腫を告知されたときから、手術のことはずっと頭にあったので、意外に結論は早く出た。

…とりあえず、筋腫だけ取った方がいいかな?

余談であるが、この時の私は、仕事のストレスも限界に来ていて、入院することで「やった〜!仕事がサボれる!!」などという不埒な考えもあった。(苦笑)

8月26日 、再びM診療所を訪れる。

ただしこれは婦人科検診ではなく、6日に受けた定期検診で、尿検査も引っかかったためである。(私は昔膀胱炎を患ったことがあるので、潜血反応が出やすい。) 今回は、子宮筋腫という精神的な不安材料を抱えているため、真面目に受けることにした。(どうせ無料だ!笑)

それに、ここ2〜3日、いつもより強い残尿感が残る。 M診療所に行くと、看護婦さんに案の定、「婦人科はどうなさいますか?」と聞かれる。

私「近くの産婦人科に行きました。」 (9月9日まで待ってられるか〜!!)

この話はそれでおしまいである。とにかく婦人科に行ったのだから、問題はないだろう。 検尿を終えると、診察室の前で待つ。 M診療所は行き慣れているので、さほど緊張もしない。 診察室に呼ばれると、医師が私に再検査の結果を見ながら言う。

M診療所Dr「うん。この結果だったら、心配ないね。」

私「でも、何だか最近、残尿感が抜けないんです。

M診療所Dr「そう?う〜〜ん、薬を出してもいいんだけどね、飲まなくても大丈夫だと思うよ。とにかくたくさん水分を取って、循環させるようにして下さい。もし、治らなかったらまた来てください。」

M診療所のドクターにしては、まともな診断である。(苦笑)

いつもは、何でも風邪にしたがるし、患者に「薬いりますか?」とか聞くし(おいおい!アンタが決めることだろう!!)、もっとやる気なさそ〜〜な診断なのに、ちょっと驚き。(ただし、検診はウンザリするぐらいまともにやっている。苦笑)

しかも、この医師の言った通り、段々と残尿感はなくなっていった。 「病は気から」の典型のような性格である。(苦笑)

だが、22日に病院に行って、スッキリした気分になったと思ったら、今度は手術がより現実味を帯びて、次第に憂鬱になっていく。

そんな私を見てみのむちくんは、「毎日毎日、この話ばかりしてるよ。もう、あれこれ考えるのはやめたら?子宮筋腫なんて大したことないよ。4人に1人は持ってる病気だよ?盲腸と同じようなもんだよ。」というようなことを私に言う。

みのむちくんは、励ましてるつもりなのかもしれないが、私は「盲腸と一緒じゃないもん!それに、手術をするのは私なんだよ!!人ごとだと思って!!冗談じゃないよ!!」と思った。みのむちくんには手術体験がないから、なおさらそう思うのだ。

おまけに話は、出産のことまで発展して、私が「無痛分娩でないと嫌だ!」というと、「そんなの絶対おかしいよ!女はそういう痛みに耐えられるように出来てるんだよ。お腹を痛めて産まないと自分の子供じゃないよ。もし自分が女だったら、痛みに耐えて産んでみせる!」と言う。

(手術するのも出産するのも私なんだよ!!全部、痛い思いをするのは私なんだよ!人ごとだと思って、勝手なことばかり言って!!!

それに、みのむちくんはそんなつもりはなかったらしいが、私は自分が責められている気がした。

「もう手術もしない!!!子供も絶対産まない!!!」

そう言って私は、ボロボロ泣いてしまった。完全に情緒不安定である。(苦笑)