5.大学病院への紹介(8月29日〜9月11日)

そんな精神状態ではあったが、とにかく方針を決めたので、再びIクリニックへ行く。単に、病院を紹介してもらうだけなのに、またまた前日から憂鬱で、妙に緊張する私である。(苦笑) 診察室に入ると、S先生が「相談してきた?」という。

私「はい。やはり手術して取ってしまいたいので、病院を紹介してください。」

S先生「この間言ったやり方(腹腔鏡手術)は、まだ大学病院レベルでしかできません。通いやすいところがいいと思うんだけど、どの辺りがいいですか?」

私「う〜〜ん。I区か…。それとも会社がS区にあるので、その辺りか…。」

私(あ!S区って言ったら、(M診療所から紹介される)K大付属病院じゃん!イヤだなぁ〜。)

実はこのK大付属病院、「医師や看護婦の態度が冷たくて何だかイヤだった。」などと、私はあまりいいウワサを聞かない。そして、フト思い出したように付け加えた。

私「それか、●(地名)でもいいです。」

S先生「じゃあ、□(地名)でもいい?●(地名)から、2駅なんだけど。」

私「いいです。」

S先生「では、T大病院に紹介状を書きます。診察は木曜日なんだけど、いつ行きますか?」

ホントは早い方がよかったのだが、次の週の木曜日はどうしても抜け出せそうになかったので、その次の9月12日と伝える。そして、S先生の紹介状には「T大付属病院・産婦人科 M先生宛」となっていた。

S先生「T大病院では、手術前にホルモン注射で筋腫を小さくしてから取ります。順当に行けば半年待ちになるので、4〜5ヶ月の間やることになるかもしれませんが、それはここに通ってもらってもいいですよ。」

私「はあ。」(ゲッ〜!!半年待ち?!)

手術のことより、半年待ちということに倒れそうになった。(苦笑)しかも、T大病院がホルモン治療を行う方針と聞いて、またちょっと憂鬱になった。

私「そのM先生の担当が木曜日なんですか?」

S先生「初診は木曜日と決まってるんです。すいません。」

私「いえいえ。」(別にS先生が、謝ることじゃないのに。)

他に特に質問することもないので、私はS先生が紹介状を書くのをじっと眺めた。 病名欄に「子宮筋腫」としか書かれてないので、「そうか、やっぱり子宮筋腫だけなんだ。」と、ちょっとホッとする。とことん疑り深い性格である。(苦笑) それ以上、診察室にいてもしょうがないので、外に出て待つことにした。

ところで、T大病院は□(地名)と言ったが、紹介状と一緒にもらった用紙を見ると、なんと□(地名)からバスで7分!「ゲゲッ!!不便〜〜!!失敗したなぁ!」と思ったが、紹介状をもらった後ではどうしようもない。

「イヤだったらやめたらいいんだし、取りあえず1回行ってみるか!」と気を取り直して、会社に戻ったのだった。

その日、帰宅すると、T大病院の受付の人から「12日10時で予約をお取りしましたので、確認の為にお電話下さい。」という連絡が入っていた。この対応の早さには、かなり驚く。

次の日、T大病院の受付に電話をすると、かなり丁寧な対応だった。(ちょっと好印象) だが、やはり「T大の先生がイヤだったら、病院を変えるぞ!」という気持ちは変わらない。

さらに 診察の予約をした後に、気付いたのだが、予定でいくと、その日は生理日の真っ只中。「それまでに終わるか、始まらなきゃいいなぁ〜」と思った。まあ自然現象なので、医師は気にしないだろうが。

しかし実際は、予定より5日も早く来て、診察日の3日前に完全に終わってしまった。 予定より5日早く来ても、私にしては不順な方である。いいのか?悪いのか?

しばらく精神的に落ち着いていたものの、来院日が近付くにつれて、また精神不安定になっていく。私は注射1本でさえも怖くて、大学病院なんて聞いただけで、気分が悪くなるのだ。 ましてや自分が患者として来院するなんて!

さらに、M診療所での検査結果も、自覚症状が全くないことも、何故大学病院を紹介されたかも忘れ、思考がどんどん悪い方へ向かっていった。

子宮筋腫発覚当初から、みのむちくんは「みのこにはみのむちくんがついているから、何も心配することはないよ。」と言い続けていたが、そんな言葉も全然耳に入らない。

しかも、よせばいいのに、重病の闘病記サイトなんか見たりするから、悪い意味でその気になり、歯痛でさえ「悪性かも?」と思うようになる。ほとんどノイローゼ状態で、狂ってしまった方がどれだけマシかと思った。この時ほど、自分の心の弱さを感じたことはない。

そして、そのピークは来院日の2〜3日前。食欲もなく、あまり眠ることも出来ず、いつも出社途中に吐きそうになっていた。会社やメールでは「もうどっかに逃亡したいよ〜。」なんて、冗談ぽく言ってたが、内心はかなり本気である。

ただ、仕事を通じて知り合った人から、 「自分が一時期通っていた病院に、T大から医師が来ていて、すごくいい先生だった。友達もT大病院に通っていて、婦人科がすごくいいと言ってたから、通院されるにはおすすめです!私ももうちょっと近かったら 通いたかった。」というメールをもらったので、ちょっと安心した。

来院の2日前、病院モノのドラマを見てたら、みのむちくんがふざけて私のお腹を切るまねをした。それが、麻酔なしで切開しているシーンの時だったから、また私はポロポロと泣き出してしまった。

さらに、来院前日、追い打ちをかけるように、仕事上で重大なトラブルが起きてしまった。何とか収拾はついたものの、私の精神状態は完全にボロボロだった。