6.緊張と不安の初来院(9月12日) 何となくウトウトしながら、朝を迎える。 吐き気は相変わらずで、何度「体調が悪いので、診察日を替えて下さい。」と言おうと思ったか分からない。(よく考えると、とても矛盾したことだが…。笑) T大病院の予約は朝10時、出勤より1時間早く家を出る。 そして、約40分後、T大病院の建物が見えてきた。予想通りというか、いかにも大学病院らしく、敷地はかなり広い。(と思う。) それを見て、ますます気分が悪くなる。 こんな調子で、もし手術・入院となったら、やっていけるんだろうか…? 総合受付に行くと、紹介状があるので、大して待たされることもなく、婦人科の受付に行く。(カルテが事前に作成されているため。) やはり、ここでも問診表に記入するが、書き込む内容はIクリニックの3倍はある。そして、しばらく座って待つことになるが、その間も不安で倒れそうになる。 しかも、周りを見渡すと、中身はMRIの画像だろうと思われる茶封筒を持った人がチラホラといる。「大学病院だなあ」と思った瞬間である。 おまけに診察室から、時々泣きはらしたような顔の人が出て来る。 それを見て、余計に気分が悪くなっていった。 その中で、唯一気楽そうなのが妊婦さん。 「ねぇ、順調?」「うん。順調!」などという明るい会話が聞こえると、なぜ「産科」と「婦人科」が分かれている病院の方がいいというのか理解できた。(^_^;) そして、3時間後… 「みのこさん、7番診察室にお入りください。」というアナウンスが入る。 恐る恐る入ると、そこに主治医になるかもしれないM先生と、横に医大生らしき助手(?)が座っていた。 「大学病院だから、きっと研修医や医学生が、ズラッと並んでいるかも?」と思っていた私は、ちょっと安心とした。(1人なら許せるぞ。笑) M先生は推定40代半ば、やさしい小児科医と言った感じである。 M先生「Mです。どうぞよろしくお願いします。」 みのむちくんは「そ んなの当たり前だよ!」と言ったが、私は自己紹介する医師に会ったのは初めてだ。 先生宛に紹介状を書いてもらったんだから、自己紹介されなくても名前は知ってたし。 M先生には、IクリニックのS先生から話が伝わってるらしく、こんな風に聞かれる。 M先生「自覚症状もないのに、どうして(筋腫があることが)分かったの?」 私「定期検診を受けたからです。」 M先生「…受けちゃったのね。(苦笑)」 私「毎年受けてますから。(苦笑)」 思わず、笑顔で答えてしまった。 一瞬M先生の言葉に、「?」と思ったが、後から考えると「別に(私が)今知る必要はなかったのに、なんで(検診をしたM診療所は)教えちゃったんだろうね。変に心配させるだけなのに。」というニュアンスを感じた。 M先生「自覚症状、全くないんでしょ?だったら、要はあなたがどうしたいかですよ。」 これは言い換えると、「私の好きなようにしてよい。」と言う意味になる。 M先生「前にも一度診てると思うけどね、状態を診ておきたいので、診察(内診)させてください。」 診察するのにお願いされたのも、M先生が初めてである。 もちろん内診は嬉しくないどころか、大変不愉快だが、診察する医師がかわったし、とりあえず診てもらった方が安心するので、そんなにイヤだと思わなかった。 T大病院の内診室は、診察室とは別にあり、Iクリニックより「いかにも〜!」って感じである。 そこで待ってると、M先生が「ごめんね。」と私にひと声かける。 内診する前に、声を掛ける医師は珍しくないが、謝られたのも初めてだ。 M「検診(M診療所)では、何の検査を受けたの?」 私「内診と子宮頸部の細胞診です。」 それでM先生は、「その程度の検査しかしてないのだったら、本人(私)に告知するかも?」と納得したかもしれない。あくまで推測だが。 そして、また超音波で子宮内部を撮影している。 M先生「(2つの筋腫が)だるまみたいにひっついてるよ〜。」 私「そうですか。」 M先生の口調が、あまりにのほほんとしてるので、だからどうというワケでもないのだろう。「ガチョウがニワトリとウズラになって、さらにだるまになったか〜。」と後で思った。 M先生「これだとね、今の倍ぐらいの大きさにならないと、自覚症状は出ないよ。体積で言うと、8倍だよ。」 私「そうですね〜。」(それって、ホントのだるまじゃん!!苦笑) 以上で、また診察室に戻る。 M先生は助手らしき人に色々説明しているらしく、なかなか戻って来ない。看護婦さんに「診察室でお待ちになって大丈夫ですよ」と言われるまで、思わずウロウロしてしまった。(笑) 再び診察室で、M先生もイラスト(こんどは子宮だけではなく、下半身を横から見た図。)に印をつけながら、説明する。 M先生「子宮の裏側に5センチ、その横に2.5センチのがあるんだよね。」 筋腫の大きさは、8月22日から変わっていない。もちろん、こんな短期間で成長したら、かなり問題だと思うが。 M先生「他は特に何もなさそうだけどね、これ以上のことは、超音波では分からないんで、MRIで調べたいと思います。」 私(出たよ、MRI!) 子宮筋腫の検査としては、「やってない人はいないんじゃないか?」と思うぐらい一般的に行われていている。もし、超心配性の私がそれを知らなかったら、「それって、悪性の疑い?!」とかなり動揺しただろう。(苦笑) とりあえず早い方がいいだろうと思い、18日に予約を入れる。その時、M先生が私のカルテから、その他のトラブル(子宮内膜症、卵巣のう腫など)の欄を削除しているのを見逃さなかった。とことん疑り深い性格である。(苦笑) M先生「今すぐ、子供欲しい?」 私「いえ、まだ子供を作ろうか、作らないか迷ってるんです〜。でも、子供を作ろうと思ってから取ったんでは遅いかと思って。」 M先生がとても話しやすい医師だったので、思わずややこしい本音を言ってしまった。(苦笑) M先生「今いくつだっけ?」 私「34歳です。」 M先生「特に今、困ってることはないんだよね?血もどっちかというと濃いよねえ。(笑)」 私「はあ…。生理痛も腰痛もありますけど、ここ2〜3年でひどくなったわけじゃないし…。でも、例え筋腫がなくても、出産を考えるなら、36か7までにはと思ってるんです。」 またまたつい本音を言ってしまった。だが、M先生は手術の必要性を、ほとんど感じてないらしい。 しかも、あまりにも和やかな雰囲気なので、「一体私は、何をしにここに来たんだろう?」と思い始めていた。それはM先生も同じだったらしく、「えっと、次はどうするんだっけ?」と仕切り直していた。(笑) M先生「取りあえず、MRIの結果を見て決めましょう。次の診察なんだけど、僕の担当は水曜日なんだよね。一番早い日で、10月16日なんだけど、何時がいい?…そんなの分からないよね?(笑)」 私(10月16日〜〜?!1ヶ月以上先じゃん!!) もし私が悪い病気と思うなら、9月18日にMRI検査をするんだし、例え予約でいっぱいでも、診察日を早めるだろう。 一瞬、クラッと来たが、「大したことないと思ってるんだな。」とよい方に考え、その日の12時に予約を入れた。そして、診察の終わりに「子宮筋腫だからと言っても、普通にしてていいからね♪」と言われる。 私「はい〜。ありがとうございました〜。」 …何だったんだ?!一体?! 私は気の抜けた風船玉みたいになって、フラフラと診察室を出た。 これではまるで、体調を崩すほど、思いつめた私がバカみたいではないか!(苦笑) |