寝てばかりの初日(初日・成田〜ドバイ〜バルセロナ)

9月28日
成田空港行きのイブニングライナー
いつもより1時間ほど早く起きて準備を始め、いつもよりちょっとだけ早くうちを出た。そして出社すると、「昨日のうちにほとんど仕事を済ませておいてよかった…。」と思うぐらいあっと言う前に時間が過ぎていく。しかし、来週のことは他の人に託していくしかないだろう。

17時45分ごろ、今日は上期の終わり。社内で色々行事があったが、もう付き合っていられないので、会社を出ることにした。(…というか、席替えでガタガタしている時に、どさくさにまぎれて出たら良かった。)

そして、19時前出発のイブニングライナーに乗る。この列車の「座席指定なしの人数制限あり」というシステムは、便利なようでいて何か不便だ。

乗車したところで、みのむちくんは禁煙の薬を家に忘れたらしく、ショックを受けていた。つい最近始めたばかりだというのに、これからの入手は本当に難しい。そこでみのむちくんは、「みのむちくん、もう禁煙できないもん!」と居直る。(結果的には、このまま禁煙が継続できたのだが。)

そして20時前、成田空港第2ターミナルに到着する。空港宅配サービスのカウンターでスーツケースを受け取り、エミレーツ航空のチェックインカウンターへ向かう。

なんと!機内に持ち込む手荷物の重量を計測すると!そんなことは予想だにしなかったので、(制限重量7キロで)私の荷物は3キロオーバー、みのむちくんのは5キロオーバー。エミレーツ航空のチェックインカウンターだが、どう掛け合っても、例え追加料金を支払ったとしても、1人7キロ以上機内に持ち込めないという。(エミレーツ航空のスタッフいわく「セキュリティが厳しくなった。」というが、手荷物の重量制限とどう関係するのだろう?)

隣で子連れの夫婦のご主人(日本語堪能な外国人)はかなり怒っていたが、気持ちはよくわかる。さらに、スタッフが言った「労働者の権利を守るため」というのもよくわからないし。

(帰国後、ネットで色々調べてみると、エミレーツ航空でも成田空港発のチェックインカウンターが最も厳しいらしい。
*2012年9月現在。2013年7月、羽田就航後は羽田・成田ともに厳しいかもしれない。

結局、みのむちくんはデジタル一眼をスーツケースにしまい、私は8キロ台で「誤差」と言うことでおまけしてもらったようなもの。(「スーツケースが重量オーバーだから手荷物に入れろ。」と言うことはよくあるが、こんなことは初めてだ!)思わぬ不意打ちで、チェックインのために1時間近くも費やし、汗だくになって、疲れ切ってしまった。

そして当然、食事している時間もなく、セキュリティチェックを越え、出国手続きを終えた頃には、出発30分前の21時30分になっていた。この時間の成田空港は、すでに最終便に近く、開いている店もほとんどない。みのむちくんは、閉店しかけた免税店で大量にお酒を買っていた。(どうもトランジットの際に、またセキュリティチェックを受けることを忘れている模様。)

成田空港の搭乗ゲート ドバイ行きのA380

今回搭乗する便は初A380。そういえば、機内がなんとなく広くなったような…。それでもほぼ満席に近い。何をするわけでもなく、エンターテイメントガイドを探したが、外資系にしてはかなり日本語メニューが充実していた「ice(エミレーツのエンターテイメントシステム)」は、大幅に日本語コンテンツが減らされていた。

モニターなどの性能はさほど変わっておらず、正直な感想は…退化したか?エミレーツ航空。
チェックインのことと言い、どうもイマイチのテンションで旅行が始まることとなる。

エミレーツ航空の機内 夜食のリゾット

機内食は和風シーフードリゾットか、牛フィレ肉の選択。ここは無難なシーフードリゾットか?でてきたのは、リゾットというよりドリアだった。味は悪くないけど、エミレーツもまた年々、節約の方向にあるのだろうか?朝食の和食

だが、ここで白ワインを飲んだのがよくなかったのか?やっぱり未だ体調がいま一つなのか?段々気分が悪くなってきた。今にも吐いてしまうということはないが、こんなことは初めてだ。しかもよりによって、こういうときに限って、通路側の座席でないのは本当に不便!

水を飲んだりしてやり過ごし、2、3時間が経過して、やっと治まったところで眠りについた。そして、朝食が出たが、あまりに眠くてほとんど残す。

どうでもいいけど…「あじの干物」って書いてあるが、これはさわらの切り身ではないか?(でもこの魚の皮、なんだか不自然で気持ち悪い。)

今回もまたフライト中、ほぼずっと眠っていたに近いが、到着間近に少し隣に座っているおじさんと話をした。ツアーでモロッコに行くらしいが、ひとり参加のよう。(小生系トラベラーだろうか?)やはり、アフリカ行きのツアーは、このドバイ便をよく利用している気がする。

夜が明け切らぬ頃…、ドバイ国際空港に到着する。A380は今まで搭乗した便より大型なせいか?翼の角度を変える音も大きく、車輪を出す時に衝撃があった。そして、このターミナル3はエミレーツ航空専用ターミナル。同じ時間になん便も到着するからか?着陸してからターミナルビルに辿りつくまで、随分時間を要している。

現在のドバイの気温は33度。つい最近の東京の気温に近い。しかし、何も暑さを感じさせないまま、ターミナル内を移動していく。おまけに、この空港に来るのは4度目で、勝手知ったるとばかりに「あそこでよく買い物したなあ。」とか思い出しながら歩いていく。

ドバイ国際空港 毎度おなじみのドバイ国際空港
バルセロナ行きの搭乗ゲート バルセロナ行きの機体

バルセロナ行きの出発まではあと2時間ほど…。
しかし、あまりにも眠すぎて、出発ゲートに辿り着くと、そのまま椅子でうたた寝をしてしまった。気がつくと1時間近くが経過している。アナウンスの声があまりに小さいのでよく聞えなかったが、わらわらと人が動くのと一緒に搭乗し始めた。

エミレーツ航空のバルセロナ路線は、今年(2012年)7月から就航を始めたもの。機体はB777で、これに乗ると、やはりA380は大きいと感じた。しかし出発迄はまだ時間があり、またうたた寝を始める。そして、ようやく目が覚めた頃、朝食が出たがスペイン路線のせいか?チュニジアほどに個性的なものは出てこない。

モニターは装備されているらしい 朝食
機内から見たドバイの街並み タンカーが停泊している

バルセロナ到着まではあと4時間ほど。エーゲ海を越えて、アドリア海を越え、さらに地中海を越えてフライトを続けている。
ここでやっと目が覚めて来たので、今回の旅行記を書き始めた。ただし、1時間ぐらいでまた眠りに落ちてしまったが。とにかく、ドバイまでの便で気持ち悪くなって眠れなかった分を取り戻そうとしているのか…?でも、ずっと寝ているのが、逆に時差ボケにはちょうどいいかもしれないと思ったり…。

上空から見たドバイの「ワールド」 昼食のカレー。ホントにカレー??

到着まであと2時間というところで、昼食が配られる。今度はマトンとチキンの選択で、チキンを選んだ。どうもあまり辛くないカレーだが、全くお腹は空いておらず、ほとんど残してしまう。

さて機内から外を見ると、今日のバルセロナは天気が悪そうだ。到着が早いせいか?上空で着陸許可待ちしているのだろうか?しばらく旋回していたが、それでも予定より5分ほど早く、バルセロナ・エル・プラット国際空港(Barcelona-El Prat Airport)に到着する。テレビで見た通り、おしゃれな空港で、シェンゲン協定加盟国のおかげか、入国審査はパスポートに印を押すだけ。(でも一応、偽造パスポートでないかチェックしている様子。)

バルセロナ国際空港 クルーズの表示

ロイヤルカリビアンの看板バゲージクレームにて荷物を受け取り、到着ロビーに出ると「cruise」というサインを見つける。やはりバルセロナは、クルーズ客が多いのかもしれない。

さらに歩いていくと、ロイヤルカリビアンのスタッフがおり、声を掛けると、手に持っているリストに私とみのむちくんの名前が明記されていた。

スーツケースを手渡して、しばらくしたのち、空港内のカウンターに移動する。バルセロナ港に行かずとも、船のチェックイン手続きが出来、シーパスカードをもらえるようである。

シーパスカードとは、クルーズ中の船内でのIDであり、客室であるキャビンのキーでもあり、クレジットカード代わりにもなる。船内での支払いはすべてこのカードを提示し、サインすればよいので、現金を持ち歩かなくてすむ。)




テンションがいまいち。。(2日目・クルーズ初日 バルセロナ)

時刻は午後1時30分。移動の為のバスに向かうが、外は土砂降り。(どうもこのサービスを利用する乗客は、年齢層が高そう。)

移動用のバスへと向かう バルセロナ港に向かうバスの車内
車内からみえるバルセロナ市内 車内から見えるリバティ・オブ・ザ・シーズ

ほどなくしてバルセロナ港に到着するが、すでにチェックインを済ませているので、ターミナルビルを抜けてそのまま船内に入る。カリブ海クルーズの時と同じく、「リバティ・オブ・ザ・シーズ(Liberty of the Seas)」である。(前回と全く同じ船なので、詳しい説明は省略するが詳細はこちらをどうぞ。)

乗船時の記念撮影 船内へと向かう

またまた乗船時には恒例の記念撮影があるが、リバティ・オブ・ザ・シーズの写真の前なのでイマイチ感ありあり。そして、今回のキャビン(客室)は掃除用具入れの対面。おまけにここはデッキ2(2階)で、後方の階段かエレベーターでしかキャビンに辿り着くことができない。さすが料金が安いだけのことはある。(カリブ海クルーズの時のキャビンは高層階だったおかげか?どこからでも行けた。)

今回のキャビン 室内は前回と変らないかも?

避難訓練さっそく、客室係らしき人と遭遇する。前回は小柄なかわいらしい女性だったが、今回は白髪の黒人のおっさん。とてもこの人がタオルアートとか作れるようには思えない…けど。しばらくキャビンでくつろいでいると、船内放送が流れる。

特に気にせずほっとくと、ノックする音が聞こえ、開けるとさっきのおっさんいた。この先ほどの船内放送は、全員参加が義務付けられている避難訓練のアナウンスだったらしい!(前回のアナウンスは「警笛」だったので、今回もそうかと思い込んでいた。しかも今回はライフジャケットは着なくていいらしい。)

世話焼きだなあ。だけどこれなら、船が沈没しかけても、放置されないんじゃないか?と勝手に思う。

そして、デッキに設置されている指定の救命ボートの下に整列し、ライフジャケットの着方の説明を受ける。最後に船長のアナウンスがあり、これで避難訓練が終了する。いよいよ出航である。

…と言っても、ここに来るまでもすでに色々ケチがつき、おまけに天気も悪く、いまいちテンションも上がらない。だが、キャビンにいても面白くないので、再びデッキに行くことにする。カリブ海クルーズの時は、スティールドラム等の演奏があったが、今回は何もなく静かに出航していく。バルセロナ港に停泊する船どうしの挨拶か?すれ違いざまに交互に汽笛を鳴らしている。リバティ・オブ・ザ・シーズの汽笛音は地響きのように低い。

デッキにあるプール バルセロナ港に停泊中の客船
すれ違う船に挨拶 いよいよ外海に!

スーツケースが出てくるのを待つさて、無事に港を出航し、外海にでたところでキャビンに戻る。船内説明会に出られなかった私とみのむちくんのために、ミキ・クルーズのスタッフが日本語版の総合案内を置いて行った。

だが、クルーズの日程自体違ってるし、寄港地も微妙に違い、3日目の寄港地はチヴィタヴェッキア(Civitavecchia)になっている。(実際は5日目)おまけに寄港地の案内は、地図もなく文字情報のみ。

(後々気付いたが)下船手続きやチップのことなど、肝心なことが全くかかれてない…という、見れば見るほど戸惑うばかりの、全く役に立たないどころか、災いをもたらしそうな代物。

これならば潔く、キャビンに置かれた船内新聞のコンパス(英語版)のみ読んでいた方がよほど安心と言うもの。
(*右側が実際のコンパス)2回目の乗船なので、要領もわかってるからというのもあるけど。(今回はミキ・クルーズも手を抜き過ぎではないのか?)

そんなわけで初日のコンパスによると、19時30分から「イリュージョン&マジック」のショーが開催されるようなので、それまで一眠りすることにした。

しかし、気が付くと時刻はすでに19時30分!!
…しょうがないからメインダイニングの時間(20時30分)まで、再び眠ることにする。

(このディナーの時間だが、前回は18時スタートのメインシーティングか20時30分スタートのセカンドシーティングのどちらかを、予約時に選ばなくてはいけなかったが、今回からは「時間指定なし」という選択も増えた。)

気がつくと…なんと!時刻は21時を過ぎている!!

慌てて支度をしてメインダイニングへ向った。すると通されたのは、(大テーブルを選んでいたのだが)2人がけのテーブルだった。まあ、中途半端に4人席とかにされなかっただけ気楽でいいが。

メインダイニングでのディナーではテーブルごとに担当ウエイターが決まっており、今回はVEDRANというクロアチア人の男性。そこで、「去年、クロアチアに行きました。クルーズは2回目で、しかも同じ船だ。」と言うと「Welcome back!」と。そして、「このクルーズでは毎回、メニューもスタッフも変わります。」と言う。(しかしこの後、4年前に私達のテーブル担当だったAMARさんというウエイターに再会する。)

このクロアチアジン男性はなかなかよく気が付く人で、何も言わずとも、日本語メニューを持ってきた。メインダイニングしかも、あまり馴れ馴れしくなく、かといってシャイでもない、適度なフレンドリーさがクロアチア人ならではだろうか…?

さらに、アシスタントウエイターはチュニジア人男性。つまり、私とみのむちくんが「昨年行った旅行先と2年前の旅行先のコンビ」…と言うのはなんだか驚き。

さて、このクルーズの食事のシステムは以前と全く変わらず、料理は何をどれだけ頼んでも追加料金は取られない。だが相変わらず、飲み物(酒と食後のコーヒー)は有料らしい。

(それにしても、なぜ日本語メニューでは、コーヒー系の飲物全て「エスプレッソ飲料」と書かれているのだろう?)

しかし、寝坊しておいてなんだが、今日はそんなにのんびり食事している時間がない!22時45分ウエルカムパレード(Soca-licious Parade)の時間が迫っているのである。

あわててデザートを平らげ、22時45分を少し過ぎたところで、ロイヤルプロムナードに向かうと、ちょうど始まるところだった。今回もまた各セクションのスタッフが、踊りながら登場するのである。

パレードの様子 パレードの様子

今回のクルーズでは、船長と機関長は共にノルウェイ人。キャビンにあるトイレ きっと「船に戻れ!バカ野郎」といわれる様な無責任なことはしないだろう。(こんなことを考えてしまうのは、コスタ・コンコルディアの座礁事故の約8ヶ月半後だからだ。)

だが、料理責任者はポルトガル人なのは幸いだ。そして、クルーズディレクター(要はイベント担当)はブラジル人で、相変わらず多国籍軍ながら、うまく配置していると思った。(これがスタッフの配置がちょっとずれると、「いい加減な航海」「まずい食事」「つまらんイベント」と最悪なことになる。)そして、パレードは、ブラジル人らしくサンバ。

キャビンに戻ると、やっとの思いでシャワーを浴び、早々に寝てしまった。(結局旅行初日は寝てばかり。)

それにしても、このシャワーは水圧が低い。しかし、「なぜ熱い湯しか出ないのだ〜?」と悩んだのは初めてだった。