7.意外なる展開?(2004年4月21日)

子宮筋腫の経過観察を始めて早1年半。今日は久々にT大病院・来院の日。

経過観察組の中でも「超お気楽な筋腫持ち」に成り下がった私だが、実はちょっと緊張していた。 なぜなら(受診前まで)内緒にしていたが、「(筋腫が)でかくなっているのでは?」と思っていたからだ。

「お腹の上から触ると分かる」とか、何か自覚症状があるわけではない。単に私の気持ちの問題で、この半年間で多大なストレスを感じた時期があったからだ。

そして、去年の8月から出てる茶色のおりものは、今もずっと続いている。

「茶色のおりもの」とは不正出血の一種です。出血量がとても少ないため、体外に排出される前に、血液が凝固され、「茶色のおりもの」となるらしい。参考までに正常なおりものの色は「乳白色」か「透明」。それ以外のおりものは、何らかの疾患が考えられるので、早めの受診をお勧めします。)

そして、「もともと生理中より生理前の方が調子が悪いのだが、特に最近生理前の不快感が強くなってること」、さらにM診療所ではもう婦人科検診を受けたくなかったから、「子宮細胞診をしてもらいたいこと」などを相談しようと思った。

半年に1回の定期検診なのだから、時間は有効に使わないといけない。
夜寝ながら、せんせーに話すことを端的にまとめようと考えていたら、目が冴えて眠れなくなっていった。(アホだ。笑)

久々にT大病院に行くと、(4月からだろうか?)待合い場所に医師名と予約時間帯、待ってる患者の人数が表示されるようになっていた。待ち時間の目安がだいたい分かって、ちょっと席を外すこともできるから、結構便利だ。

だが、やはり病院は苦手な私、待ち時間に読もうと思って持ってる本も上の空で、ぼぉ〜〜っとその掲示板を見ながら待っていた。

12時の予約で、名前を呼ばれた時には1時過ぎ。ギリギリの時間に行った私もいけないが、久々に「超待たされた!」って感じだ。

Mせんせー「その後、いかがですか?」

私「去年の8月ぐらいから毎月、生理の10日から1週間ぐらい前、生理が始まる直前まで、茶色のおりものが出るんです。

生理が終わると、一緒に終了するんですけど。それで、今度の生理が多分、今月の25日だと思うんで、今まさにそういう状態です。」

そんなわけで、この日はちょうど生理前。どういう状態か診てもらえるわけで、相談するには好都合ばタイミングだった。Mせんせーは生理日について、ちょっと考えてから、「ああそうか。」と独り言のように答えた。

私「それと、どちらかというと私は、生理中より生理前の方が調子が悪いですけど、特に最近その傾向が強いんです。

Mせんせー「そういう人っているよねぇ。生理は順調ですか?」

私「そうですね。かなり順調な方だと思うんですが、最近2〜3日ずれがあるんです。私にしてはちょっと不順です。」

Mせんせーは「おそらく、ホルモンバランスの乱れが原因で、他のことが原因でも、ましてや筋腫が原因でもないと思います。

とりあえず診てみましょうか。どうぞ。」と言って、内診台を指し示した。

そこで私は「今回でも、次回でもいいんですけど、一緒に子宮ガンの検査をやって頂けませんか?」と言う。

Mせんせー「今日でもいいよ。」

私「(ちょっと考えて)じゃあ、今日お願いします。」

私がそう言うと、Mせんせーは看護師さんに「お〜い!スメア持ってきて〜!」と叫んでいた。(一般的に「スメア」とは細胞診のことらしいですが、この場合は細胞診する器具のことを言ってるようです。)

余談だがMせんせーは、看護師さんに用事があるとき、「お〜い!」と呼ぶ。文章で書くとイマイチ伝わりにくいが、ちっとも偉そうな口調ではない。

まるで「田舎のお昼過ぎ、隣の家の人をお茶に誘うような感じ」だ。(笑)

私が準備をしてると、Mせんせーは看護師さんから、「ある手術のオーダーについて、その担当医が今日は休んでて詳細が分からない。」というような話を聞いていた。

その時も「そうだよねぇ。困っちゃうよねぇ。」といつもの口調で話していた。

「この人(Mせんせーのこと)がいると、殺伐とした状況でも、場が和みそうだなぁ。せんせー、なごみ系?」と思うと、ちょっとおかしかった。

Mせんせーは細胞診をする前、「器具入りますからね。」といつものごとく、私に声をかけた。私が毎年婦人科検診を受けていたM診療所では、この時クスコを使用する。

それが私の検診をやめたくなった理由のひとつ
だ。

大した理由じゃないかもしれないけど、実はネットで実物を見てから、すごく怖くなったというか、嫌悪感を感じるようになった。

そう思うともう、押し広げる時の「キリキリ」という音も、生理的に耐えられない。「痛いからイヤ」なのではなく、「(なんか痛そうに見えるから)生理的にイヤ」なのだ。

(そのサイトさんでは「使用する器具を知ったら、婦人科への恐怖感も和らぐだろう」という趣旨だったが、私には全く逆効果だった。)

Mせんせーは使用しない。もちろん、M診療所には超音波検査がないから、しょうがないかもしれないが。

でも、M診療所での検診をやめたくなった最大の理由は「クスコのこと」ではなく、すでに、かかりつけの婦人科がある私に、集団検診を受ける意味はないから」だ。

そして、「私より婦人科の知識のない保健婦と話してるとムカつくから。」だ。(詳しくは「因縁の人間ドックと不正出血」をご覧下さい。)

Mせんせー「(超音波で見ながら)特に異常はありませんね。筋腫も全然変わってないですよ。筋腫については、全く心配入りませんね。」

最初に書いたとおり「もしかして、成長してるのでは?」と思ってたので、ちょっと意外だった。もちろん、成長しないに越したことが、これでますます私の筋腫に対する関心は薄れていく。(苦笑)

Mせんせー「今もちょっと(茶色のおりものが)出てますね。」

私「いつもこんな感じなんです。すごく困ってないけど、ちょっと困ってるんです。

Mせんせー「そうだよねぇ〜、1ヶ月のうち半分も出血してもいい、嬉しいって人はいないよねぇ〜。」

そして、「特に気になるところはないので、以上で検査は終わりです。気をつけて降りてくださいね。」と言うのはいいが、内診台のカーテンをめくられたので、ちょっと焦った。せんせーは、よかれと思ってやってるのだろうが、ちょっと私は恥ずかしい。(苦笑)

そして、診察室に戻ると、「茶色のおりもの(不正出血)」の話は続く。筋腫が成長してないことが分かると、私もMせんせーも、ますます「筋腫、どうでもいい状態」だった。

Mせんせー「(不正出血の原因について)超音波で見る限りは…なんだけど、特にポリープがあるわけでもなし、内膜も子宮の入り口にも異常は見られません。もちろん、筋腫が原因と言うことも考えられません。

やはりホルモンバランスの乱れが原因でしょう。生理前の不快感の強さも、それが関係してるかもしれません。」

前回と同じような説明した後、せんせーは「どうしましょうか?」と言い、思わず私も「どうしましょう?(というか、どうやって治すの?)」と言いたくなった。(笑)

Mせんせー「(ちょっと考えてから…)ずっとこのまま(治らない)かもしれないし、ひどくなっちゃうこともあるから、とりあえず3ヶ月ぐらい、ピル飲んでみる?

その時私は「はあ。」と答えつつも、「へ?!ピル???(・o・)なんで、そんなものが出てくるの?」と狐につままれたような顔をしていたに違いない。

Mせんせーはこう付け加えた。

Mせんせー「ピルは避妊のイメージが強いけど、本来は黄体機能不全などの治療に使われる薬です。」

それでも私は、ピルなんて一生自分に無縁だと思ってたので、イマイチピンと来てなかった。

私「それでホルモンバランスを正常化させるのですか?」

Mせんせー「ううん。妊娠してるのと同じ状態に持って行くんだけど、ピルで強制的に月経周期を作って、(服用しなくなっても)そのままの勢い(正常な月経周期)を続かせようというものなのね。」

私「確かピルって…、1日でも飲み忘れるといけないんですよね?」

私のピルに対する知識など、この程度しかない。(苦笑)

Mせんせー「本当はそうなんだけどね。ちょっとぐらい忘れても大丈夫だよ。(笑)本来は朝飲むもんなんだけど、夜飲んでくださいって(患者さんに)言ってるのね。夜、飲むのを忘れても、次の日の朝飲めばいいから。それでその日の夜も飲むんだよ。」

「そんなもんかー。」とイマイチ知識のない私は「へぇ〜。」と聞いていた。ただしS先生(私にMせんせーを紹介したドクター)の掲示板で、やたらピル服用の話が出てくるので「怖い薬」という印象はなかった。

Mせんせー「今度の生理開始から1週間後からスタートして、<3週間飲んで1週間休薬>を3ヶ月続けるのね。(パソコン上のカレンダーを見ながら)今月の生理はいつ頃でしたっけ?」

私「25日頃です。」

Mせんせー「じゃあ、飲み始めがこの辺(5月2日あたり)になるのね。…で、3週間後がこのへんで、(5月の下旬あたりを指して)ピルは薬なので、当然副作用があることもあるのね。

今の症状より、副作用の方がしんどいって言われちゃうかもしれないし。3週間服用した後で、様子を聞かせてください。ここが休薬期間になるんだけど、このあたりで来れますか?」

その時私は「へ?(・o・)半年後でも3ヶ月後でもなく、来月??やった♪♪」と、思わず短いスパンでの来院を喜んでしまった。

病気というか、トラブルを抱えてるのにアホである。(苦笑)

「えっと、ちょっと待ってください。」と言いつつ、私は仕事のスケジュールの書いた手帳を取り出した。Mせんせーの担当は水曜日。実は私も水曜日にレギュラーの仕事が入ることが多い。

Mせんせー「忙しい?」

私「う〜〜ん。月末の水曜日と、6月の第1水曜日は、レギュラーの仕事が入ってて、ちょっと都合が悪いんです。」

Mせんせー「じゃあ、この日(27日)でもいいよ。」

私「でも、この日って(Mせんせーの)新患(担当)の日ですよね?」

Mせんせー「でも、どんどん遅くなっちゃうし、早い方がいいでしょう?」

私「すいません。」

Mせんせー「いえいえ。その代わり、ちょっと早く来てね。」

なんか仕事の打ち合わせ日でも決めるような感覚で、来院日を決めてしまった。(笑)せんせー、いい人だ。

おそらく、ピル服用予定である3ヶ月間は、月1回のペースでの来院となるだろう。だが、「不正出血とはいえ、出血の時期がいつも同じぐらい」「去年の7月の子宮細胞診では異常なし」というところから、「悪性疾患の可能性は低い」と思ってるので、いくらビビラーの私でも、あまり深刻さはない。

でも、「来月も会えるか〜♪♪」と喜ぶのと、「げ〜〜?!来月もコイツと会うの?最悪!!」と思うのでは、精神的にもフィジカルにも与える影響はかなり落差が大きいと思う。やはり医師との相性って大事だ。

ところで、相変わらずおとなしい私の筋腫。こうなると「筋腫の成長=ストレス説」もちょっと怪しい気もする。

ただし私の場合は、不正出血(ホルモンバランスの乱れ)という形で、ストレスの影響を受けているから、筋腫が成長しないのかも??「ピルの話」に続く)