7.なぜ、そんなにキライなの?!

自分の子宮筋腫騒動がひと段落し、なぜここまで病院ギライになったのか考えてみた。

これといった決定的なことはないが、どうも実家にいた子供時代が、原因のような気がする。その頃の私は、今ほど痛みに弱くて、病院ギライだったわけではない。

それは、今から遡ること、20〜30年ほど前(1970〜80年代)…、

まだドクターが「お医者様」と呼ばれ、崇め奉られるのが普通で、医療ミスで訴えられるなど、絶対考えられなかった時代である。

しかも、私の住んでいた場所は田舎だった。本格的な田舎ではなかったが、医師は医師というだけで、「先生様」扱いで、町の名士だった。

現代ならとんでもない話だが、「患者の身体に、メスを入れたまま縫合した。」なんてウワサが立っても、患者は集まった。

だが、その時私は子供だから、よく分からなかったが、今から考えると、「先生様」とは名ばかりで、結構ひどい医師が多かったと思う!!

反論する人もいるかもしれないが、私はそう思っている。

内科だろうが外科だろうが、歯科だろうが、とにかく何も説明してくれない!! 「ああ、**(病名)ですね。」と言うだけで、いきなり注射されたり、麻酔なしでメスで切られたりした!(切られたのは、指に刺さったとげを抜くため。)

だが、病名を告げるだけ、まだいい方である。

さらに、ひどい医師は、何も言わず治療を進めた「今までで最も痛い経験(その1)」に書いた、私が高校時代に通っていた歯科医もそうである。

それ以降、私が6年間、どんなに虫歯がひどくなっても行かなったトラウマの権化だ。(もう引退してると思うけど…。苦笑)

私が子供だったせいもあるが、とにかく「人権無視!」って感じだ。 どれも未だ覚えてるぐらいの年齢の頃の話なんだから、「説明すれば分かるだろうが!!」と思う。

だが、私の田舎の医師が説明不足なのは、子供に対してだけではなかったと思う。

私の亡くなった母などお医者様(母のドクターに対する認識)に、あれこれ質問したり、希望を言ったりすると嫌われて損。何でもお医者様のおっしゃる通りにしなくては。」と思っていたのだから。

ちなみに私は、産婦人科にも多少のトラウマがある。私が中学1年生の頃、母に付き添って初めて産婦人科(個人病院)なるものに行った。

その時、母はドクターに「この子(私のこと)、まだ生理がないんですよ。」と話した。母が真剣に相談してるなら分かるが、単なる世間話として話されたのである。そう言われた医師も、「身体も大きいのにねぇ。」と、 好奇の目で私のことを見た。12歳の私には、それがとてもショックだった。

もっともすごい話は、私が5歳ぐらいの頃、足が痛いと母に訴えたらしく、近所のS総合病院に連れて行かれた時のこと…

その時も、何の前触れもなく、検査のために採血された。今から考えると、大したことではないと思うが、5歳の私はとってもショックだった。

だが、そこまではまだよかった!

実はS総合病院の医師は、私のことを小児リュウマチと疑っていたらしい!! しかし、それは誤診で、足が痛いのは、単にしもやけがひどくなったからだった!

だがその時、なぜ医師が私に、どの程度痛いのか、聞かなかったんだろう?と未だ不思議に思う。(この辺の記憶は定かではない。)あくまで推測だが、この時もし問診したなら、すぐ診断はついたかもしれない。

5歳だろう?!人の言うことは、何となく理解できる年だぞ!

ただのしもやけを、小児リュウマチだと誤診するのもどうかと思うが、さらにゾッとしたのは、検査結果が出ないウチに、薬を飲まされていたことである。

私はこの時、「注射と薬、どっちがいい?」と聞かれ、当然痛いのはイヤだから「薬」と答えた。白いカプセルに入った薬を、子供だから飲めないだろうと、カプセルをはさみで切って、中の薬をカルピスに混ぜて飲んだことまで覚えている。(執念深い性格だ〜!!苦笑)

仮にこの時、しもやけと分かっていても、ただのしもやけに、投薬の必要があるだろうか?せいぜい症状を緩和する塗り薬ぐらいで充分だと思う。(むしろ、現代の方が薬を出しそうだ。苦笑) つまり、不要な投薬をされたのである!

あの時、薬を選んで良かった!!

素人の私でも、注射の方が即効性があることは知っている。 幸い、何の副作用も後遺症も出なかったが、もし私に何かあったら、完全な医療ミスである!!

実はこのS病院、「先生様」と呼ばれながらも、ヤブで有名だった…。(苦笑)

そんなことが積み重なって、病院とは「何をされるか分からない恐怖の館」という認識が出来たのだと思う。(^_^;)

ちなみに、東京に来てからは、単に運がいいのか、一度もひどい医師に当たったことがない。悪くて、普通である。

このサイトで、「じいさん医師」となどというぞんざいな扱いをした医師(「真夜中の激痛」)も、診断は正しかったし、納得いく説明をしているから、私に合う合わないは別として、まともである。

そんなわけで、基本的に私が信用しているのは、自分の田舎の医師ではなく、まだ付き合いの浅い東京の医師だ。

それに、私が勤めている会社は都心にあって、医師の競争率も高いせいか、やたら腰の低い医師によく当たる。さらに、患者は「患者さん」ではなく、「患者扱いの病院も多い。

おかげで、私の医師に対する認識は、「お医者様」から、デザイナーとか保母さんとか、そういう専門職の一種として捉えるようになった。

私は、医師というだけで、誰でも彼でも「お医者様」とか「先生」と呼んではいけないと思っている。ドクターも患者あっての職業なんだから、つけ上がらせてはいけない。(笑)

「お医者様」とか「先生」と呼んでいいのは、そう呼ぶに相応しい人だけだ。

ちなみに、私がそう呼んでもいいなと思ったのは、今回の騒動でお世話になったIクリニックのS先生と、T大病院のM先生である。

「実験台にされる。」とか、「エリート意識の強いイヤミなドクターが多い。」とか、「患者数が多いので、流れ作業的にしか診察をしない。」「医療ミスが多い。」という私の大学病院に対する悪い先入観を、考え直させたぐらいである。(ホントに言いたい放題ですね。苦笑)

S先生はまだ若いせいか、あまり余裕を感じられないが、 M先生を紹介した理由が、「自分の母校で、コネが効くから。」ではなく、「M先生が自分の尊敬する医師の一人で、患者の信頼も厚く、安心して任せられるから。」というところに、誠意と責任感をすごく感じた。

私が田舎にいた頃、こんな理由で他の病院を紹介した医師は、1人もいない!

「今どきの医師ーって、こんな感じなのかな?」とも一瞬思ったが、色んな人の話を聞いていると、そうでもないらしい。

蛇足だが、子宮筋腫のことを、母に話さなくて本当に良かったと思う!手術するならともかく、こういう結果(経過観察)になったし。

以前、歯牙脱臼した時(今までで最も痛い経験(その2))母に、「今度、帰省したとき、M先生(田舎の歯科医)に診てもらいなさい。小さい時から診てもらってる先生の方が、よく(私の体質などを)知ってるから。」と言われた。

だが私は、「冗談じゃない!!病気ならまだ分かるけど、怪我だぞ?!それに、そんな田舎の歯科医(この表現からして、かなり恨みがこもっている。苦笑)より、T医科歯科大学の方がずっと優秀だ!」と思った。

しかも、当のM歯科医も、「T医科歯科大学は、口腔外科において、日本で2番目に優秀だから、ウチで診るよりずっと確かだ。」と言ったものだから、母も納得し、回避することが出来たのである。(笑)

だから、今回も同じことを言われかねない。(苦笑)

だが、東京でもセカンド・オピニオンできない私が、どうしてそんなことができるのだ?!冗談じゃない!! わざわざ自分から、トラウマの権化に行くことはないだろうと思う。(苦笑)

このサイトで、「一番ゴミ!」と思われる話に、長々と付き合っていただき、ありがとうございました。(^_^;)

*2013年3月24日追記…これを書いたのはかれこれ10年ぐらい前のころ。 やっぱり今でも病院は好きではないし緊張するけど、だいぶマシになった方。でも「トラウマの巣窟」となった実家の近所の病院には二度と行きたくない!!おまけに、ネットにて。。私を恐怖のどん底に叩き落した歯科医がまだ現役なのを知り、声ならぬ悲鳴を上げてしまった!