8.宝くじ10万円分の悲劇<1>

2004年1月2日

みのむちくんと、みのむちくん実家の近くにあるサ●ィに、映画「ラストサムライ」を見に行った。ここの映画館は、珍しく完全予約制。みのむちくんと私は、次回上映時の予約を取ると、本屋さんで時間をつぶす。

そのとき私は、何気なく右手の中指、爪の左側と指の境目にできたささくれを引きちぎっていた。

これが悲劇の始まりだとは知らずに。。(大げさ?苦笑)

1月5日

この日は仕事始め。
いつもの時間に会社に行き、何気なく右手を見たら、中指の爪が血で真っ赤に染まっていた。

どうやら、ささくれを引きちぎったところから出血したらしい。だが、そんなことは特に珍しくもないので、気にも留めなかった。

1月6日〜17日

数日で治るであろうと思っていた傷が、1週間が経ち、2週間経っても治らない。。

さすがに1週間目からは、ちょっと「おかしいな?」と思うようになり、毎晩マキ●ンで消毒した。ひどくなりもしないが、よくもならず…と、全く効果はない。

それどころか、ささくれをむしったところが、僅かに膨れ上がり、膿んだようになっていた。しかもそれは、何もしなければ痛くないが、ほんのちょっとぶつけただけで「あいたたたっ。」という感じだった。

1月18日

この治らない傷のことをみのむちくんに話すと、「そりゃーやばいよ。2週間も治らないなんて異常だよ。病院行ったら?」と言う。

だが、病院嫌いの医者嫌いの私、とりあえず「やだっ!あと1週間ぐらい様子を見る。」と答えた。パソコンのキーボードを打つと痛みがあるが、それ以外はそんなに不自由はないからだ。まあ、たまに脈打つように痛むが。。

1月19日

会社のデスクで、「やはり病院に行ったほうがいいのではないか?」と冷静に考える。

みのむちくんにはそう言ったものの、やはりいつまで経っても治りそうにもないからだ。

しかも、ビビラーの私は「(ささくれを引きちぎった跡に出来た)米粒ぐらいの大きさのへんな盛り上がり」も気になって、「皮膚がん」の可能性も考える。

…(れっきとした原因があるのだから)ありえない。。(たぶんね。)

とは思ったが、「1週間以上治らない傷」はやはりちょっとヤバいだろう。

「しょうがない!!!(-_-;)」と、婦人科とは別の意味で、一大決心をした私は病院に行くことにした。

なぜなら行き先は外科!(怪我に見えて、実は感染症だったので、皮膚科でもよいことを後から知る。)

歯科の次に痛い治療をする可能性のある科で、幼少時のトラウマが最もひどいところである。(苦笑)

そして、「思い立ったらすぐ行動を起さないと、やる気が萎える!」のが私の性格だ。だって、私の嫌いなものの集大成である病院に行くのだから。(笑)

…というわけで、「胃とノドの異変」とか「今までで、最も痛い経験(その2)」でお世話になったクリニックに行くことにした。(つまりホームドクターみたいなもんですね。)

ここのよいところは、職場から5分の距離にあり、昼休みを過ぎた頃は、比較的空いていることである。

ドクターお決まりの一言「どうしました?」と言われたので、「傷が2週間ぐらい治らないんです。」と答える。

Dr.H「ささくれを引きちぎったりしませんでしたか?」

私「…しました。(._.)」


Dr.H「傷口に細菌が感染して、不良細胞を形成しています。大抵は、抗生物質の服用で治ってしまうんですけど、治らない場合は、手術して細胞を切除しないといけません。

(゚◇゚)ガーン

しゅ、手術ですと〜〜〜?!

Dr.Hは、穏やかに淡々と説明していたが、「手術」と言われた方はたまったものではない!!(だから、外科なんてキライだ〜〜〜!!)

思わず、ちびまる子ちゃんのように、顔に縦線が入ってしまった。

余談だが、私は仕事の時は、そんなに感情をあらわに出さないと思う。多分。(それゆえに、仕事関係の知り合いからは、ビビラーとは思われていない。)だが、病院に行くと、ちょっとしたことでも、いちいち顔に出てしまうと思う。(苦笑)

そんなわけで、きっとかなり呆然とした顔をしていたであろう。それを察してか、Dr.Hはとりなすようにこう付け加えた。

Dr.H「まあ、ほとんどは抗生物質で治ってしまいますけどね。手術が必要になるのは、3〜4割です。」

私「はあ…。」

さ、3、4割〜〜〜?!(゚o゚)

…それって、めちゃくちゃ高くないか?!!

もちろん手術と言っても、外来でできるレベルだろう。筋腫の手術に比べたら、全然大したことない。

だが、ビビラーな性格ゆえ、「手術」という言葉に衝撃を受けて、くらくらしながら会社に戻った。

筋腫の手術を逃れたと思ったら、こんなところに伏兵が潜んでるとは!!(苦笑)

ちょっとショックだったので、みのむちくんの携帯メールと、お付き合いのあるサイトさんの掲示板に、思わず書き込んでしまった。(人騒がせですいません〜〜!苦笑)

その後、ネットで調べると、どうやら俗に言う「ひょう疽」(ひょうそ)、正式には化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)になったらしい。私の指の傷口によく似た写真が載っていた。

それによると、「ひょう疽」の主な原因は、黄色ブドウ球菌の感染で、一番手っ取り早い治し方は、不良細胞の切除(つまり手術)らしい。

つまり、化膿してしまった傷というのは、もはや怪我ではなく病気(感染症)で、消毒しても全く効果がないらしい。

そんなことも知らない私は、病院に行くまで「マキ●ンで消毒する」という全く無駄な作業を繰り返していた。(苦笑)

ちなみに感染症には、抗生物質の服用が治療となる。だから、薬局に化膿どめはあっても、化膿した傷用の薬はなかったのだ。(抗生物質は、医師の処方箋がないと、処方してもらえない。)

小難しいことを色々書いてしまったが要は、昔からよく言われる「ばい菌が入ったら危険だから、ちゃんと消毒しておきなさい!」とか、「化膿すると恐いから…」の化膿した状態になってしまったのである!!(^_^;)

まさか、ほんとになるとは夢にも思わず。。たまには、親の言うことを聞くものである。(苦笑)

そして、Dr.Hには「ささくれを引きちぎってはダメですよ。」と言われる。

もちろん、滅多に起こることではないが、そういうのが原因で、ひょう疽は起こるらしい。(もちろん、ちゃんと消毒して、雑菌が入らないようにしておけばOKのようだ。)

そして、手や足(特に手)は色んなところを触るため、特に雑菌が入りやすいそうだ。

ところで私は、ビビラーなだけではなく、血みどろとか、スプラッタ系にも大変弱い。サイトのひょう疽の説明を読んでるだけで、気持ち悪くなってきた。(苦笑)

とりあえず、薬品(炎症どめ)を染み込ませたガーゼを交換するために、明日もあさっても通院することになった。

だが、ひょう疽とは侮れない病気だ。
抗生物質と痛み止め、炎症止めなどの4種類の飲み薬と、イソジンと軟膏と、患部の大きさの割に、たくさんの薬をもらってしまった。

そのうちの1つは、ロキソ●ン(痛みと炎症を抑える)という薬で、ガンの疼痛なども押さえるぐらい強い薬だし。(…のわりには、即効性がないと思うが。)

さらに抗生物質は、普通の人でも胃を荒らすぐらい強いもので、胃薬も一緒に処方された。

ちなみにこのクリニックは、「ノドと胃の異変」の時にも行ったところなので、私のカルテが残っている。

ゆえにDr.Hは、私がめちゃくちゃ胃が弱いと思ってるらしく、単なる胃薬ではなく、胃潰瘍の治療薬を処方した。

抗生物質と組み合わせると、まるで、「毒は毒を持って制す。」って感じだ。(苦笑)

おかげで薬剤師さんからは、「よっぽど胃が弱いと思われてるのね。」と言われる。

おまけに、病院に行くまでは、絆創膏のみだったのに、いきなりガーゼ&包帯で、外見も重症みたくなってしまった。 患部は右手の中指、私は両利きなので致命的ではないが、キーボードを打つのにめちゃくちゃ不便だ。

おまけに「絶対水に濡らさないでください。」と言われ、この日からお風呂も炊事も、右手だけ完全防水をしていた。

知らぬこととは言え、前日まで、エビフライを作るのに、素手で生の海老を剥いたり、爪の側にできた不良細胞を、お風呂で指がふやけた時に取ったり、絆創膏を無理やり剥がして、皮膚がはがれて出血してたのだから恐ろしい!!(ビビラーのくせになんて乱雑な扱い。。苦笑)

なんだか、新年早々から、ついてない。。

「宝くじで10万円が当る」程度の逆方向にアンラッキーだ。

不幸中の幸いは、2週間で見切りをつけて、病院に行ったことか?(ひょう疽は自然治癒が難しく、ほっとけばほっとくほど悪化し、最悪は骨まで削ることになるらしい。。)

念のために言っておくが、私はひょう疽になったのがショックなのではなくて、手術(切開)が必要かもしれない状況におかれたのがショックなのだ。それがビビラーというもの!(苦笑)

薬は4日分。つまり手術決定まで、4日間の猶予があるわけで、その間に抗生物質が効いてくれるのを祈るばかりだった。

<本日の治療費(3割負担)>
・初診料及び診察料 1,310円
・フロモックス、ロキソニン、ダーゼン、セルベックス 各4日分 
・イソジン、ゲンタシン軟膏 計1100円 合計 2,410円


*「ひょう疽」のことを正確に書くと…
何らかの感染によって引き起こされた指先端の骨髄炎で、化膿が骨の中まで及んだ状態を言うそうです。ただ一般的には、指先の皮膚または、皮下が化膿した状態のことを、(間違って)「ひょう疽」と呼ばれることが多いようです。ただし、この説明があったのは、一部の医療関係サイトです。つまり、いまいち不明なので、とりあえずここでは、私の症状を「ひょう疽」と呼んでます。